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木村玲欧「戦争に隠された「震度7」 1944東南海地震 1945三河地震」

2015年05月25日 | か行の作家

 

吉川弘文館
2014年8月 第1刷発行
188頁

 

 

太平洋戦争末期、東海地方を襲った二つの巨大地震
戦時報道管制下、中部日本新聞(現・中日新聞)は地元新聞社として、何をいかに伝え、その役割を果たしたのか
被災者たちの体験談を紹介し、防災教育の促進と意識向上を呼び掛ける

  

第一章     地震はいかにして隠されたのか

第二章     どのように報道されたのか

第三章     正確な災害情報を得るには

第四章     物語『稲むらの火』がもたらしたもの

第五章     過去の災害の教訓をどう生かすか

第六章     知っておきたい情報とは

第七章     災害の経験を次世代につなぐ

 

地震ばかりでなく豪雨災害などありとあらゆる災害に対して『わがこと意識』を持つ必要があります
災害・防災に対して「気づき」を持ち、自分自身や家族の防災力(自助)、地域の防災力(共助)を高めるには『わがこと意識』を醸成することが必要なのです
自分たちに直接関係することでなくても、それが自分たちそのもののことのように意識することが大切で、『わがこと意識』を高めるには実際に何が起きたのか、何が教訓なのか、自分が住む地域で過去に何が起こったのか、何が起こるのか、災害が人間・社会にどのような被害。影響を与えたのかを知ることが重要です
災害被害発生のメカニズム、シミュレーションによる結果を知ることも大切ではあるが、それだけではどうしても絵空事になってしまい、人々の危機意識を高めることはできません
しかし、本書のように人間や地域社会に焦点を当てた物語であれば、地震災害という非日常の中で、どのような被害・影響を受け、どのように乗り越えていったのかを具体的に知ることができ、災害・防災に対する「わがこと意識」を高めるとともに「具体的に何をすべきかのイメージ」を持つことができます

本書の場合、特に愛知県と三重県に住む人には他人事ではないと強く感じられる内容だと思います

 

東日本大震災の報道や、今後予想される東海東南海地震のシミュレーションなどを見ても、それらが他人事、絵空事に近い感覚であったことを再認識しました

 

 

想像するに恐ろしい…

しかし、ここで立ち止まっていてはいけないのです

 


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