WEBマスターの読書日記

「木戸さんがこんなマメだったなんて」と大方の予想を裏切って続いているブログ。本、映画、感じたことなどをメモしています。

『モモ』(著者:ミヒャエル・エンデ 訳:大島 かおり)

2023-05-28 15:24:01 | 本と雑誌

連休があけたら年内はノンストップで忙しくなると覚悟していたけれど、この2~3週間で早くも息切れ。30分刻みで朝から晩まで続くオンラインミーティングのあいまに、ひっきりなしに回ってくる確認やら相談やら承認をかたしていかねばならない。さらに出張がたてこんで、先週は羽田始発便で福岡に行き、最終便で戻ってきた。帰る前に福岡空港でせめてワインとパスタでもと思ったところ、その時間はゲート内のお店が全て閉まっていて(まじか涙)、ショップでかろうじて一つだけ残っていたカツサンドを機内に持ち込む。ううぅ、野菜の要素が乾燥したパセリしかなくて、悲しい。。

羽田に戻る深夜の機内で読んだのはエンデの「モモ」。このすてきに美しい物語を、意外にも今まで読んだことがなかった。人間の時間を盗む灰色の男たちって、何の比喩なんだろう。指数関数的に増えていく情報?物質的豊かさを充足する思想?限られた時間にびっしりとタスクを効率的に詰め込むことで、さらにせわしなく、ピリピリと、時間と気持ちの余裕をなくしていく都市の大人たち。将来ためになることしかできずに、自分で自由に考える楽しさを奪われていく子どもたち。まさに50年後の今を描いているような70年代の世界的名作。

読み終わり、ふと自分の忙しすぎる日々の反省をし、この週末は仕事のことを全く考えないと決めた。朝遅くまでたっぷり眠って、掃除と洗濯を片付け、5月最後のさわやかな風が吹くベランダで日光を浴びながら缶ビール。鶏肉のワイン煮込みを弱火にかけている間に、フランス語でアルセーヌ・ルパンを読む(ルパン、超かっこいい)。さて来週は早くも梅雨入りか。疲労で倒れないようになんとか乗り切りたい。

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