WEBマスターの読書日記

「木戸さんがこんなマメだったなんて」と大方の予想を裏切って続いているブログ。本、映画、感じたことなどをメモしています。

『DIE WITH ZERO』(著者:ビル・パーキンス 訳:児島 修)

2024-01-03 16:14:44 | 本と雑誌

年末年始を札幌で過ごす家族に、飛行機満席になるから早く予約したほうがいいよと言われたが、私は今年はひとりで過ごすことを選択。2023年はとにかく仕事が忙しく、泊りの出張もやたら多く、静かに心身を休めたかった。シャンパンも飲まずおせちも食べない元旦は久しぶり(というか人生初な気がする)。

仕事納めの夜、親しい友人と居酒屋で飲んでいて、気がゆるんだのか談笑の最中に急に寝落ちしそうになって、帰宅後お風呂のバスタブでぐっすり撃沈(あぶない笑) その日からいくら寝てもまだ眠れる。疲れていたんだなぁ。恒例の大掃除をし毎日かなりの距離を走って、日をおうごとに食欲も回復して、マイペースの穏やかな冬休み。そして貪るように大量の本を読んだ。

ベストセラーのこの一冊。老後のための貯金をしすぎるな、それより今の貴重な時間のために支出せよ、なぜなら、

①スポーツでも旅行でもアート鑑賞でもなんでも、体力やメンタルの稼働が落ちるぶん、そこから楽しみを引き出せる率は加齢とともに下がる ②高齢になると、いまの自分が思っているほどお金を使わなくなる(出かけるのがおっくうになるし、食だって細くなるし) ③いま味わった体験の喜びは、年をおうごとに記憶の付加価値として逓増するから(利子のように) もともと貯蓄志向の高い日本人、「な、なるほど!」と膝をはたいてしまう理由そのほか多数。おもしろかった。

ところで私の自宅のあるエリアの駅前はやたらカフェ店舗数が多いせいか、3階ぶんの広いスタバはたいてい、ここがスタバとは思えないほど空いている。年末、客がなんと私しかいないフロアでひろびろと読書していたら、突然この世のものとは思えない美しく崇高なピアノの曲が聴こえてきて息をのんだ。雷にうたれたようなとはまさにこのこと。あわてて検索してみると、ビル・エヴァンスの「Peace Piece」。ここ数日、繰り返し聴いて、聴くたびに鳥肌がたって涙ぐんでしまう。まだ美しいものに感動できる年齢のうちに、たくさん経験を重ねておきたい。良いリフレッシュ休暇になって、明日からまた仕事再開。

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