豊洲新市場(青果棟):工事進捗率40% 2015年3月5日
世界最大級の生鮮市場である築地市場は、老朽化や施設が手狭であるなどの理由により、江東区の豊洲地区の東京ガス工場跡地に移転することになっています。しかし、建設予定地の土壌汚染が判明したため、計画は当初の予定よりも大幅に遅れていますが、2020年の東京オリンピック開催時には間に合います。現在、2016年春の開業を目指して建設工事が進められており、完成すれば約40.7ヘクタールの敷地に水産卸売場、水産仲卸売場、仲卸売場の3つの市場棟のほか、市場ならではの「にぎわい」を創出する「千客万来施設」などが設置される予定です。
新しい「豊洲新市場」の概要
新しく建設されることになる豊洲新市場の特徴は以下の6点です。
1.他市場への転配送施設を設置するなど、首都圏のハブ機能を確立する。
2.搬入から搬出までの一貫した物流システムを確立するなど、取引・物流両面の効率化を図る。
3.高度な衛生管理、よりよい品質管理が可能となる施設整備や体制づくりを行うなど、安全・安心の市場づくりを行う。
4.買い回りの利便性の向上及び商品や取引情報の提供など、顧客サービスを充実する。
5.環境負荷の低減、省エネ・省資源を実現する。
6.賑わいゾーンの設置や魅力ある都市景観に配慮するなど、まちづくりに貢献する市場とする。
新市場内には、既存の築地市場内での壮観なマグロのせり、新鮮な食材を味わえる飲食施設の伝統を引き継いだ「千客万来施設」が設けられることになります。2014年2月19日、豊洲新市場の本体施設に隣接する「千客万来施設事業」の事業予定者として、喜代村と大和ハウス工業を選定したとプレス発表がなされました。
「豊洲新市場」の完成イメージパースです。
豊洲新市場の配置図です。新しく建設された2本の道路を挟んで、3ブロックの区画に分けられていて「水産仲卸売場棟」「水産卸売場棟」「青果棟」となっています。千客万来施設棟部分は、水産仲卸売場棟に隣接して設けられることになります。
豊洲新市場内に併設される商業施設「千客万来施設事業」の完成予想図を、東京都中央卸売市場のホームページから拝借しました。東京の新しい新名所、観光名所になりそうですね。
約140店舗を擁する「"豊洲"場外市場」等が整備されることになります。
プレスリリース:東京都中央卸売市場のホームページ
豊洲新市場建設について
ゆりかもめの新豊洲駅舎内から撮影した豊洲新市場の「5街区」の区画内で建設中の「青果棟」の建物の全景です。現在は建物の骨組みを作っている状況です。
場所を移動して、ゆりかもめの有明テニスの森駅前の環状第2号線の「有明北橋」にやってきました。ここから豊洲新市場の全景を見渡すことが出来ます。
有明北橋から撮影した「5街区」の区画の全景です。敷地内で現在建設中の「青果棟」を撮影しました。2014年の年末から鉄骨の組み立て工事が始まったのですが、2か月ほどでここまで大きくなってきました。
現在の豊洲六丁目地区の一帯は、東京電力の変電施設や建設中の高層タワーマンション群などを除くと、広大な空き地が広がっている状況です。豊洲新市場の開業によって、賑わいが創出されることが期待されています。
豊洲新市場の南東側の区画(5街区)は「にぎわいゾーン」と「流通ゾーン(青果部卸・仲卸)」に指定されていて、組み立て工事中の青果棟と千客万来棟の一部が建設されます。
緩やかなウェイブを描いた形状である青果棟の屋根部分が目立ちますね。地上3階建て、延べ面積9.3万平方メートルの規模となっています。
豊洲新市場の最寄り駅となるゆりかもめの「新市場前駅舎」を撮影しました。2006年3月の延伸開業以来、駅周辺は広大な空き地だったのですが、ようやくその役割を果たすことになりました。
青果棟の建物の周囲には何基もの工事用タワークレーンが展開していました。
豊洲新市場の敷地東側に広がっている「東雲(しののめ)運河」の広大な水面を撮影しました。正面には木遣り橋(きやりばし)と首都高速10号晴海線の橋梁が写っています。
東雲運河水面に面した敷地東側の散策道部分は、今後整備され直されるのでしょうか。
新市場前駅舎の手前側には、5街区と西側の7街区を結ぶための道路地下トンネルが建設中です。その周辺は工事用資材置き場となっていました。
道路トンネルを経由することによって、首都高速10号晴海線の「豊洲出入口」方面へのアクセスが容易となりますね。周辺道路の混雑緩和にも役に立ちそうです。
東雲運河の水面に面している敷地東側の緑地帯部分を見下ろして撮影しました。
この日は正午過ぎまで雲一つない快晴の青空だったのですが、それ以降は南側から雲が流れてきました。
青果棟の鉄骨群をズームで撮影しました。
環状第2号線の歩道部分を散策し、新豊洲駅方向へ向かいます。
ゆりかもめの新市場前駅舎内から撮影した6街区の「青果棟」の建物の全景です。現在の築地市場の青果棟群等の数倍の規模がありそうですね。
前述の通り、豊洲六丁目地区内は東京電力の変電施設や高層タワーマンション群が広がっていて、それ以外は空き地です。
5街区の市場前駅舎寄りには「千客万来施設」の建物群が建設されることになりますが、現在は工事用の資材置き場として活用されています。
青果棟の鉄骨群は、更に南側にも建設されることになります。
市場前駅舎のすぐ脇では、何かの建物の基礎部分の工事が行われていました。
青果棟の鉄骨部分をズームで撮影しました。
青果棟の鉄骨群の手前側でも、何かの建物の基礎部分が設置されていますね。
北端部方向を撮影しました。