ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

天国への階段 (Stairway To Heaven)

2007年04月08日 | 名曲

 数あるロック・クラシックスの名曲の中でも長年にわたって人気を保ち続けているのが、レッド・ツェッペリンの「天国への階段」です。
 ツェッペリンのレパートリーの中でも「胸いっぱいの愛を」と並んでよく知られているこの曲は、名盤と言われる「レッド・ツェッペリンⅣ」(正式にはこのアルバムは無題。便宜上、Ⅳ『フォー』と言われることが多い)に収録されています。
 ぼくの世代でロック・ギターを弾いていた人ならば誰でも一度は弾いてみたことがあると言ってもいいくらい人気のある曲です。もちろんぼくもよく弾いて遊んでいました。
 映画「ウェインズ・ワールド」の一場面に、『試奏するお客がそろいもそろって「天国への階段」ばかり弾くため「天国への階段お断り」の張り紙を出した楽器店』というネタが出てくるほどです。


     


 壮大な構成を持つ、約8分の長い曲です。
 美しいギターのアルペジオとリコーダーの奏でるメロディーで始まりますが、この部分はトラディショナルなフォークのようです。
 静かに始まった曲は、徐々に盛り上がりを見せてきます。
 中間部のギター・ソロはとても有名で、「ロック史上に残るソロ」とも「ジミー・ペイジの弾いた最も美しいソロ」とも言われているものです。
 この後一転してロバート・プラントのシャウトと激しいリフが曲を支配し、ハード・ロックの醍醐味が満喫できます。この辺り、まさにツェッペリンの真骨頂といっていいでしょう。
 この曲は単なるハード・ロックの枠に留まっているものではありません。トラッド・フォークとロック、そして難解で神秘的な歌詞が融けあった、ツェッペリンの音楽性の幅広さを物語る記念碑的ナンバーだと思います。





 「天国への階段」がライヴで演奏される時にジミー・ペイジが使っていたのがギブソンEDS-1275という、12弦ギターと6弦ギターのダブル・ネックギターです。
 12弦アコースティック・ギターとエレクトリック・ギターの両方を使用してレコーディングした「天国への階段」をライヴで演奏するため、特別にギブソン社にそのダブルネックのギターを作って貰ったんだそうです。
 このギター、長く製造中止になっていましたが、このほど36年ぶりに再製造されることになり、2007年3月18日に発売されました。レプリカ製造にはペイジ自身も協力しています。





 合計275本が作られるそうですが、そのうち25本はペイジのサイン入り、そのうえツェッペリンのDVDボックスやペイジの特別インタヴューつきで1本なんと3万3500ドル(約385万円)。サインなしの250本のお値段は1万~1万2000ドル(約115~138万円)。
 う~ん、どんな人が買うんだろう。(^^;)


[歌 詞]
[大 意]
輝くものは全て黄金だと信じる女性がいた
そして彼女は天国への階段を買う
彼女は知っている もしどの店も閉まっていてもあそこで
一言かければ お目当てのものが手に入ることを
そして彼女は天国への階段を買う

壁には「よく確かめよ」という印があった
なぜなら言葉には時々ふたつの意味があるから
小川のそばの木にさえずる鳥がいた
我々は不安でいっぱいだった

ああ、どうしたことか

西へ向いた時 私にはある感情がわいてきた
私の魂は体から離れたがって泣く
頭に浮かぶのは木々の間から出る煙の輪
そして立って見ている者たちの声

こんな囁き声がする もしあの曲を吹くように頼めば
笛吹きは我々が道筋をたてて考えるよう仕向けてくれる
そして長く立ちつくしていた者たちに新しい朝がくる
そして森に笑い声がこだまする

もし君の家の生垣が音をたてても驚いてはいけない
それは五月祭の女王を迎えるための春の大掃除なのだから
そう 君が行く道はふたつあるが
結局今君がいる道を変える機会はまだあるということ

君は耳鳴りがしている とてもしつこく思うだろう
笛吹きが一緒にこないかと誘っている声だと分からなければ
ねえ君 風が吹くのが聞こえないか 分からないか
君の階段はさらさら吹く風に乗って横たわっていることが

そして我々が曲がりくねった道を進むにつれ
我々の影は我々の魂よりも高くなる
向こうにみんなが知っている女が歩いている
彼女は白い光りを輝かせ 教えたくて仕方がないのだ
どうやってすべての物が黄金になるのかを
もし懸命に耳を傾けるならば あの調べはついに聞こえるだろう
皆がひとつになり ひとつが皆になり
転がりはしない岩になる

そして彼女は天国への階段を買う




天国への階段/Stairway To Heaven
  ■歌・演奏
    レッド・ツェッペリン/Led Zeppelin
  ■発表
    1971年11月
  ■収録アルバム
    「Ⅳ」 (1971年)
  ■作詞・作曲
    ジミー・ペイジ&ロバート・プラント/Jimmy Page & Robert Plant
  ■プロデュース
    ジミー・ペイジ/Jimmy Page
  ■録音メンバー
   【レッド・ツェッペリン/Led Zeppelin】
    ロバート・プラント/Ronbert Plant (vocals)
    ジミー・ペイジ/Jimmy Page (guitar)
    ジョン・ポール・ジョーンズ/John Paul Jones (bass, keyboards)
    ジョン・ボーナム/John Bonham (drums)


レッド・ツェッペリン『天国への階段』 from 「The Song Remains The Same」 





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6 コメント

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Unknown (ジェイ)
2007-04-09 06:57:15
一世を風靡した名曲ですね。
本当にあの頃は誰もが弾いていましたっけ。
それにしても。。。
「天国への階段禁止」って可笑しすぎます!
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歌詞が (けい)
2007-04-09 08:16:03
とても印象的。訳を読むと、すごいなと改めて感心してしまいます。
今の流行の歌で こういう内容の歌 あるかなぁ・・・歌は時代を映しているって思いますね。

最初「天国への階段」ってタイトルを見て 某ドラマを思い出したのですが、MINAGIさんのブログだもの、曲を一番に思い浮かべなくちゃ MINAGIさん隠れファンとはいえませんね、わたしったら(笑)。
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ジェイさん (MINAGI)
2007-04-09 09:47:57
1970年代を代表する名曲といっていいでしょうね。
ギター小僧必修の曲でした。

>「天国への階段禁止」
 ディープ・パープルの「Smoke On The Water」も試奏禁止になりかねない曲ですよね。これもギター小僧がこぞって弾いてましたねぇ。
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けいさん (MINAGI)
2007-04-09 09:55:25
>歌詞
 作詞はヴォーカリストのロバート・プラントなんですが、なんでもギタリストのジミー・ペイジが曲を作っているそばからどんどん書いていったそうです。
 ウィキペディアで見てみると、全編を通じて一貫した意味があるかどうか不明なんだそうです。それにしてもこんな神秘的な歌詞、すぐに書けるなんてすごいですよね。

>隠れファン
 WOW!照れるじゃないですか~(#^^#)
返信する
渋谷陽一 (sadakun_d)
2007-04-14 22:03:09
渋谷陽一が一番好きな「天国への階段」



YAMAHAプレヤーズ王国でも一番人気になっている。



ジミーペイジとデビットカバーディルのコンビで来日した時はボーカルなしの天国への階段だった。
返信する
sadakun_dさん (MINAGI)
2007-04-15 09:03:50
>渋谷陽一が一番好きな
 渋谷陽一氏ってたしかツェッペリンが大好きなんですよね。
 長く語り継がれる名曲だと思います。
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