小島教育研究所

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~高等学校の共通必履修科目「情報Ⅰ」に対応し、シラバス改訂版を公開~ IPA

2021-11-17 | 情報Ⅰ

 IPA(独立行政法人情報処理推進機構、理事長:富田 達夫)は、国家試験であるITパスポート試験(iパス)について、高等学校の共通必履修科目となる「情報Ⅰ」に対応した出題範囲やシラバスの改訂(iパス6.0)を実施し、IPAのウェブサイトで公開しました。

 URL:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_00topic/topic_20211008.html

 iパスは、ITを利活用するすべての社会人・学生が備えておくべきITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験です。近年ではデジタルトランスフォーメーションの進展に伴い応募者数が顕著に増加しており、令和2年度の応募者数は前年度比24.6%増の14万人に上っています。2009年度の試験開始から2021年8月末現在までの応募者総数は約131万人、合格者総数は約59万人となり、多くの社会人・学生から活用されています。

 AI、ビッグデータ、IoTをはじめとする新技術が企業活動や国民生活に浸透するなか、学校教育においても、小・中・高等学校を通じてプログラミング教育が段階的に実施されています。高等学校においては令和4年度から、全ての生徒が必ず履修する科目(共通必履修科目)として「情報Ⅰ」が新設されます。政府の「AI戦略2021」(令和3年6月11日統合イノベーション戦略推進会議決定)(*1)においても、「情報Ⅰ」の新設を踏まえ、ITパスポート試験の出題の見直しを実施し、高等学校等における活用を促すことが示されています。

 このような状況を踏まえIPAでは、高等学校学習指導要領「情報Ⅰ」に基づきiパスの出題範囲、シラバス等の見直しを実施し、プログラミング的思考力等の出題を追加することとしました。今回の見直しの適用時期は、2022年4月の試験からです。具体的な見直しの内容は以下のとおりです。

■見直しの内容
(1)「期待する技術水準」
 iパス対象者に期待する技術水準として、高等学校の共通必履修科目「情報Ⅰ」で重視されるプログラミング的思考力、情報デザイン、データ利活用などを明示しました。
(2)「シラバス」Ver.6.0
 iパスに必要となる知識の幅と深さを体系的に整理、明確化した資料であり、学習指針となる「シラバス」に、プログラミング的思考力、情報デザイン、データ利活用などに関連する項目・用語例を追加しました。具体的には、擬似言語などによる表現方法、プログラミングの目的を理解することを目標に加えています。プログラム言語の種類や特徴を理解することなども盛り込んでいます。情報デザインについては、情報デザインの考え方や手法を理解することを目標に、デザインの原則(近接,整列,反復,対比)といった用語例を追加しています。情報メディアについては、コンピュータにおける文字、音声、画像などの仕組みを理解することを目標として、代表的な音声・静止画・動画ファイル形式の特徴などを追加しています。
(3)出題内容
 今回の改訂のポイントとして、プログラミング的思考力を問うため、擬似言語(アルゴリズムを表現するための擬似的なプログラム言語)を用いた出題を追加します。擬似言語を用いた出題については、サンプル問題をあわせて公開します。なお、試験時間、出題数、採点方式及び合格基準に変更はありません。

 IPAは、今回の改訂が、情報Ⅰを学習した学生によるiパスの活用度合いの増加、及び情報Ⅰを学習していない社会人の対象知識のアップデートにつながり、わが国全体のデジタルリテラシー向上に大きく寄与することを期待しています。

 改訂版の「試験要綱」Ver. 4.7、「ITパスポート試験 シラバス」Ver. 6.0、サンプル問題等については、試験内容・出題範囲別ウィンドウで開くをご覧ください。


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IPAが高校「情報Ⅰ」の共通必須科目化に伴いITパスポート試験の内容を改訂

2021-11-17 | 情報Ⅰ

IPA(独立行政法人情報処理推進機構)は、令和4年(2022年)度から高校で「情報」が共通必履修科目となるのに伴い、ITパスポート試験の出題範囲や「シラバス」の改訂実施を発表した。

ITパスポート(iパス)とは、「ITを利活用するすべての社会人・学生が備えておくべきITに関する基礎的な知識」を証明するための国家試験。開始は2009年。2021年8月末までの間に約131万人が受験し、約59万人が合格している。

日本国民のデータリテラシーに関する幅広い知識を身に付けさせることがiパスの狙いだが、学校教育においては、言語能力、問題発見、解決能力などに加えて情報処理能力も教科横断的に育てる旨が新学習指導要綱に明記され、さらに令和4年度からは、高校で「情報Ⅰ」が必須履修科目として新設されるなど、プログラミング的思考力、情報モラル、情報活用能力を育てる教育の充実がはかられることになっている。

そうしたなか、IPAは、高等学校学習指導要領「情報Ⅰ」にもとづいて、iパスの出題範囲と、ここでは試験の合格を目指した学習指針に利用できる資料を意味する「シラバス」(ver6.0)の見直しを行った。内容は次のとおり。

期待する技術水準:高校の「情報Ⅰ」にもとづき、プログラミング的思考力、情報デザイン、データ利活用などを追加
出題範囲およびシラバス:高校の「情報Ⅰ」に関連する項目、用語例を追加
出題内容:プログラミング的思考力を問う擬似言語を用いた出題を追加。情報デザイン、データ利活用のための技術、考え方を問う出題を強化
試験時間、採点方法、合格基準に変更はない。また、擬似言語を用いた出題について、擬似言語の記述形式やサンプル問題が公開されている。実施は2022年4月の試験からとのことだ。


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