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飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

永遠の妖女#44・・・「妖女伝説 砂漠の女王」星野之宣(集英社文庫)

2008-04-10 | サロメ
「妖女伝説 砂漠の女王」星野之宣(集英社文庫)

永遠の美と男からの羨望を追い求めるクレオパトラがサロメ、そしてゼノビアへと転生ちょっとSFちっくなテイストを含ませ、古代エジプト、ローマ、ユダヤの歴史にのせて描いた漫画です。老いることの怖れから永遠性を求めるも滅しることができない苦しみが、この漫画の底に流れており、それは不死の吸血鬼の物語を連想させます。女の美への執着はかくも怖ろしき、となるのですがこの壮大な歴史絵巻にヨハネとキリストを登場させ、彼らにサロメを絡み合わせ、そして独特の解釈と創作によって西欧の歴史の読み替えをしています。それはキリストの残した言葉が、呪縛のようにその後の展開を争いの歴史へと導いていったとも読むことができる大胆な提案であります。キリストとは一体何者であったか?悪魔かそれとも神か?

クレオパトラがサロメへと女の野望を成就しようと生まれ変わっていくわけですから、彼女は悪魔的存在としてあります。しかし、キリストに対峙し問答を重ねるにあたり、本当の悪魔とは?との疑問符が浮かび上がってくる。ここではサロメは、ヨハネは恋する対象ではなくなり利用する道具に、キリストのほうに関心のベクトルが向かっています。そして彼女の自我の深い部分はエジプト繁栄の記憶に固執するクレオパトラ、つまりサロメの仮面を被ったエジプトの女王なのです。

でありますから、一貫してこの漫画にはクレオパトラの存在があり、サロメの物語と呼ぶにはそう言えないものがあります。7つのヴェールの踊りもヨハネの断首もその動機はキリストの存在、彼の気を惹こうとする行為となっています。前世からの意志を持っているのですから、見ようによっては今まで色々と読んだり見てきたどのサロメよりも自己を持った女性であったとも感じることができます。

漫画を読み終えて思ったこと、やっぱりサロメよりクレオパトラの方が格が上なんだろうな・・・きっと。



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