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永遠の妖女#43・・・「夢幻美女絵巻 サロメ・朱宮」文・山崎洋子/絵・岡田嘉夫(小学館文庫)

2008-04-09 | サロメ
「夢幻美女絵巻 サロメ・朱宮」
文・山崎洋子/絵・岡田嘉夫(小学館文庫)


本のタイトルが「夢幻美女絵巻」とあるように12人の美女を主人公(楊貴妃、クレオパトラ、カルメン、マタ・ハリなど)に、小説家・山崎洋子と画家・岡田嘉夫のコラボレーションによる小品を集めたもので、大人の絵本といったテイストのものです。そこにサロメも収められています。

山崎版のサロメは、おそらくはヨハネの断首直後のほんの一瞬の心情であろうことを、彼女の一人称によって書かれています。そのサロメは、母であるヘディアスに憧れ、そして愛されたい、褒められたいと願っている忠実な娘であります。母は、実の父ビリポを“男らしさもなく、その上、姿まで醜い”などとサロメに言わせてしまうほどの圧倒的な女性的な魅力を持った存在としてサロメの前に君臨しているのです。一方のヨハネに対しては、サロメは彼に恋心を持つのではなく、憧れの母を罵倒する憎き対象で、彼女の信頼を得んがために彼の首を望みます。

しかし、断首されたヨハネを前にしてサロメは、この身である少女の中にまだ知らぬ“女”の目覚めの萌芽を感じとっていきます。それも母親同様の悪女としての。ヘロディアスの遺伝子であるからして、それはとびきりの魔性を持っているにちがいない、その悪魔的な片鱗を隙間見せるのであります。その無意識からの囁きは、今すぐにでも母親にとってかわろうとする忠実な娘とは対称的な魔性の性質。

連想したのが母娘の神話。昨日の山川の本はサロメを最終的にグレートマザー的な存在としてとらえていたが、山崎洋子はデメテル(地母神)=ヘロディアスとコレー(処女神)=サロメのアーキタイプを想起させる物語としてサロメを捉えたのであろうか。

そして、ヘロデ王はサロメにしか視線を注いでいない。



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