乱歩-妖しき女たち-
放送:1994年TBS
監督:吉田秋生
主演:佐野史郎、川島なお美、常盤貴子、床嶋佳子、小川範子、山咲千里、豊原功補
昨日の投稿記事は「乱歩-妖しき女たち-」の進行部分をなすところについて書きました。というのも、この作品中々乱歩の世界をうまく再現しており、一日ですませてしまうには、何かもったいないと思ったからです。ということで本日はその小作品4題です。
接吻
新婚だから早く家に帰りたい!そのウキウキ感を佐野史郎の演技はよく出しています。しかし、こっそりと覗いた妻・常盤貴子は誰かの写真にキスをしていた。そこから“迷い”が始まります。原作にもある嫉妬心から上司に辞表をたたきつける描写などもうまく演出されています。嫉妬心をキーワードに、おかしく滑稽にそしてブラックに表現された小品、とてもうまくまとまっているんんです。
人間椅子
床嶋佳子に届く手紙、それは家具職人が人間椅子となる話であった。この「人間椅子」という乱歩の奇想天外な発想をもとにした小説を原作に忠実に映像化したものは、数多くの映像作家を刺戟したに違いないものの、実はこの作品しかありません。他の作品は何らかの形でそれを改作したり作品の要素としています。ボクは大人の色気を漂わせている女優・床嶋さんが演じたこのバージョン、なかなか微妙な倒錯性も出ていていい味を出していると思っているのですが。
密室の少女
この作品のみ乱歩の短編ではなく長編の作品「魔術師」から引用しています。冒頭の昔映画館で流れたニース映画を模した演出は、乱歩が生きた時代にタイムスリップする意味でも秀逸です。長編のエッセンスを数分間に詰め込み、その後に展開する話へとつなげるうまいなーと関心。しかし、のちの明智小五郎婦人となる文代である小川範子はそのキャスティングにいまいちピンときませんでした。先の床嶋佳子の方がよかったんじゃないかな、という印象です。
断崖
断崖は何かが起こる場所。男と女の会話というまるで芝居の台本のような原作、これまたうまく膨らませ演出しています。そして、当時としては最先端の映像技術であったろうCGを事件が起こる背景に使用しており、演出家としての意気込みを感じます。“毒夫”なんていう死語のような言葉を吐く山咲千里、退廃的なムードを醸し出してカッコイイ。
冒頭にも書きましたが、この作品は乱歩の世界を忠実に演出し、そのエッセンスを見事に描ききっていると強く感じました。また一つ私の好きな好きな作品を見つけました。
※江戸川乱歩関連投稿101回目になりました。
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放送:1994年TBS
監督:吉田秋生
主演:佐野史郎、川島なお美、常盤貴子、床嶋佳子、小川範子、山咲千里、豊原功補
昨日の投稿記事は「乱歩-妖しき女たち-」の進行部分をなすところについて書きました。というのも、この作品中々乱歩の世界をうまく再現しており、一日ですませてしまうには、何かもったいないと思ったからです。ということで本日はその小作品4題です。
接吻
新婚だから早く家に帰りたい!そのウキウキ感を佐野史郎の演技はよく出しています。しかし、こっそりと覗いた妻・常盤貴子は誰かの写真にキスをしていた。そこから“迷い”が始まります。原作にもある嫉妬心から上司に辞表をたたきつける描写などもうまく演出されています。嫉妬心をキーワードに、おかしく滑稽にそしてブラックに表現された小品、とてもうまくまとまっているんんです。
人間椅子
床嶋佳子に届く手紙、それは家具職人が人間椅子となる話であった。この「人間椅子」という乱歩の奇想天外な発想をもとにした小説を原作に忠実に映像化したものは、数多くの映像作家を刺戟したに違いないものの、実はこの作品しかありません。他の作品は何らかの形でそれを改作したり作品の要素としています。ボクは大人の色気を漂わせている女優・床嶋さんが演じたこのバージョン、なかなか微妙な倒錯性も出ていていい味を出していると思っているのですが。
密室の少女
この作品のみ乱歩の短編ではなく長編の作品「魔術師」から引用しています。冒頭の昔映画館で流れたニース映画を模した演出は、乱歩が生きた時代にタイムスリップする意味でも秀逸です。長編のエッセンスを数分間に詰め込み、その後に展開する話へとつなげるうまいなーと関心。しかし、のちの明智小五郎婦人となる文代である小川範子はそのキャスティングにいまいちピンときませんでした。先の床嶋佳子の方がよかったんじゃないかな、という印象です。
断崖
断崖は何かが起こる場所。男と女の会話というまるで芝居の台本のような原作、これまたうまく膨らませ演出しています。そして、当時としては最先端の映像技術であったろうCGを事件が起こる背景に使用しており、演出家としての意気込みを感じます。“毒夫”なんていう死語のような言葉を吐く山咲千里、退廃的なムードを醸し出してカッコイイ。
冒頭にも書きましたが、この作品は乱歩の世界を忠実に演出し、そのエッセンスを見事に描ききっていると強く感じました。また一つ私の好きな好きな作品を見つけました。
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■関連小説
江戸川乱歩全集 第1巻 屋根裏の散歩者光文社このアイテムの詳細を見る |
■ビデオ
乱歩~妖しき女たち~ビクターエンタテインメントこのアイテムの詳細を見る |
乱歩の「怪しき女たち」でこちらにきました。
あのドラマの衝撃は今でも忘れられません・・・。
どれも素晴らしいのですが、「密室の少女」
の、壁に埋め込まれている不気味な白い面のシーンが魅惑的で、特に好きですね。
女優もそれぞれの美しさがあますところなく
出ていて当時何度も再生してみていました。
今やテープも失くし是非DVDで入手したいです~!
早くしないとVHSは廃盤になってしまいそうですね。
また、三輪氏の舞台も行きそびれたし、次回は逃さぬようにしなくてはと思っています!
ではまたお邪魔させていただきます。
私はこの映像をビデオでみたのですが、テレビ作品にしては力が入っており、それが放送された時はきっとビデオで見る以上にインパクトがあったのでしょうね。
また訪問してくださいね。ありがとうございます。
このドラマに関して話せる相手が今まで見つからなかったので
なんだかとってもうれしいですー
ビデオお持ちなんですね、うらやましい限りです。
ではでは。失礼いたします。
この作品はCS放送で流れていたものを録画してみた記憶があります。たしかTBSチャンネルだったと思います。もし紫さんがCS放送を観ることができなら、また放送があるかもしれませんよ。