「サロメ」の変容―翻訳・舞台/・井村公江(新書館)
~サロメ 月の神話~
昨日紹介した井村君江の『「サロメ」の変容』の中で、その一項目に「サロメ 月の神話」があります。「サロメ」の劇では、月は中心的・象徴的な役割を果たしており、井村はそのキーとなる月の存在について分析解説をしていきます。
井村はサロメの“劇の始めに青白く澄んでいた月は、劇の進行につれて次第に不吉な色を増し、最後には血のように赤くなる。月は劇全体の気分の推移を敏感に感じとって自ら色を変えていくゆく”として、登場人物たちの心理を象徴しているものとして月をピックアップするのです。たとえばサロメの変化を月の観点から見ると以下のようになるとしています。
(1)月ははじめ澄んで重要な要素ともなっている。多分満月である。
→蒼い月が象徴するサロメは、清らかな処女で美と若さに孤り高く
王女である。
(2)サロメが舞を舞う仕度をしているとき、血のような真赤な色に変わる。
→赤い月のサロメは余波ねへの熱い思いに焦がれる女である。
(3)サロメが銀の盆の上のヨハネの首に恋心を吐露しているとき、黒雲に
隠れる。
→黒雲の月のサロメは、銀本のヨカナーンを口説く妖しい女である。
(4)最後に余波ねに口づけを果したサロメの上に、再びもとの冷たい一条の
光を投げかける。
→銀色の月のサロメは、愛と死の極みに至る王女である。
そしてサロメ自身は、月に対して鏡に映る自分の姿を映し見ているかのように投射しているのです。一方、へロデ王のほうといえば“「大空の上で素裸になりをるのぢや。酒に酔ひしれた女子のやうに雲間を蹣跚と千鳥足ぢや。・・・・・・きつと情人どもを探しをるにちがひないのぢや。」(日夏耿之介訳)・・・・・・サロメを裸身にしたいと思う淫乱なヘロデ王のリピドーを、深層から掘り出したもののよう”自らの欲望を月の中に見ています。その他の人物たちにとっても月は、不吉な予言であったり、予言の実現であったり、月そのものであったりとするように“人物の心理の底に揺れ動く不安や、渦巻く願望を反映し、一人一人の性格を映し出して見せ”ているです。
そんな象徴的な月明かりのもとにおける、あのサロメの舞は、ヘロデ王にとっては“エロティックなストリップティズに映った”、それは“淫蕩、好色の眼”にちがいないのだが、しかしサロメにとっては“ヴェールをとってゆくことは、身体を被っていた虚飾や仮面をすててゆき、自然な姿になること”それは“ありのまま女”になることであった。
そしてヨカナーンの首を手に入れて口づけをしたその瞬間に“愛と死の神秘的な結合を、恍惚のうちに直感的に感得した瞬間に、サロメの生は、それ自身で完結の状態を迎えた。”まるで月に導かれるかのように・・・。
井村のまとめは
“サロメの劇において、月は中心の存在であった。月は神秘のベールで地上を被い、人々に仮面を付け、その光で人々の脳裡を洗う。月は鏡のように人々の心を映し出し、支配者のように人々の言葉に耳を傾け、傀儡師のように人々の行為の糸を操り、預言者のように人の心の変化を色に現す。そして、月はサロメを女神にし、成熟した女にし、愛の完成を祝福する。”
とある。
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井村はサロメの“劇の始めに青白く澄んでいた月は、劇の進行につれて次第に不吉な色を増し、最後には血のように赤くなる。月は劇全体の気分の推移を敏感に感じとって自ら色を変えていくゆく”として、登場人物たちの心理を象徴しているものとして月をピックアップするのです。たとえばサロメの変化を月の観点から見ると以下のようになるとしています。
(1)月ははじめ澄んで重要な要素ともなっている。多分満月である。
→蒼い月が象徴するサロメは、清らかな処女で美と若さに孤り高く
王女である。
(2)サロメが舞を舞う仕度をしているとき、血のような真赤な色に変わる。
→赤い月のサロメは余波ねへの熱い思いに焦がれる女である。
(3)サロメが銀の盆の上のヨハネの首に恋心を吐露しているとき、黒雲に
隠れる。
→黒雲の月のサロメは、銀本のヨカナーンを口説く妖しい女である。
(4)最後に余波ねに口づけを果したサロメの上に、再びもとの冷たい一条の
光を投げかける。
→銀色の月のサロメは、愛と死の極みに至る王女である。
そしてサロメ自身は、月に対して鏡に映る自分の姿を映し見ているかのように投射しているのです。一方、へロデ王のほうといえば“「大空の上で素裸になりをるのぢや。酒に酔ひしれた女子のやうに雲間を蹣跚と千鳥足ぢや。・・・・・・きつと情人どもを探しをるにちがひないのぢや。」(日夏耿之介訳)・・・・・・サロメを裸身にしたいと思う淫乱なヘロデ王のリピドーを、深層から掘り出したもののよう”自らの欲望を月の中に見ています。その他の人物たちにとっても月は、不吉な予言であったり、予言の実現であったり、月そのものであったりとするように“人物の心理の底に揺れ動く不安や、渦巻く願望を反映し、一人一人の性格を映し出して見せ”ているです。
そんな象徴的な月明かりのもとにおける、あのサロメの舞は、ヘロデ王にとっては“エロティックなストリップティズに映った”、それは“淫蕩、好色の眼”にちがいないのだが、しかしサロメにとっては“ヴェールをとってゆくことは、身体を被っていた虚飾や仮面をすててゆき、自然な姿になること”それは“ありのまま女”になることであった。
そしてヨカナーンの首を手に入れて口づけをしたその瞬間に“愛と死の神秘的な結合を、恍惚のうちに直感的に感得した瞬間に、サロメの生は、それ自身で完結の状態を迎えた。”まるで月に導かれるかのように・・・。
井村のまとめは
“サロメの劇において、月は中心の存在であった。月は神秘のベールで地上を被い、人々に仮面を付け、その光で人々の脳裡を洗う。月は鏡のように人々の心を映し出し、支配者のように人々の言葉に耳を傾け、傀儡師のように人々の行為の糸を操り、預言者のように人の心の変化を色に現す。そして、月はサロメを女神にし、成熟した女にし、愛の完成を祝福する。”
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