飾釦

飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

永遠の妖女#30・・・クリムトのサロメ

2008-03-21 | サロメ
クリムト「ユーディットⅠ」(1901年)

グスタフ・クリムトといえば、黄金と銀に彩られた幾何学模様の装飾とそこに展開されるエロスと死のテーマ。その世界は様式的で静謐な空間なのだが、どこがこの世ではない夢の世界のようなそしてエクスタシーに満ちた官能性を漂わせている独特なスタイルを持った画家のひとりであります。ボクのとても好きな作家のひとりです。

1989年に、それこそその100年前の世紀末に連動するかのように、今はなきセゾン美術館で開催された「ウィーン世紀末展」。バブル華やかりし頃の西武百貨店全盛期の企画でありました。その展覧会にはクリムト、シーレ、ココシュカなどを中心に当時のポスター、写真、家具、食器などが展示される大型な展覧会ですべてを観るだけでも大変でありました。中でもやはりクリムトの作品は一際目を惹き、有名な「接吻」を前にした時は、記憶に焼き付けておこうとずっとその絵を眺めていたと思います。

その世紀末を彩るにふさわしい画家・クリムトも時代に吸い寄せられるようにファム・ファタールとしてのサロメを描いています。そのクリムトの絵は「ユーディット」と題名がついており(一方でサロメとも呼ばれていた)、ユディットとサロメの混同がそこに見られるわけです。

そうなると私見ですがユーディットあるいはサロメの物語は、後ろに引き下がってあまり関係がなくなっている。そこには男の首を刈るほど危険で魔性を秘めた女の象徴性が前に出て来て描かれている。あたかも、ビアズリーの絵の様に、しかも美しく・・・。金銀で装飾された絵そのものが魅惑の扉となって、観る者はその世界に入り込みイマジネーションの世界で、サロメに惑溺する。快楽の海に溺れてゆくのである。気がつくとその首は鑑賞者自身を映し出したものかもしれない。クリムトの絵はそんな魅力に満ちている。


クリムト「ユーディットⅡ」(1909年)

思わず惑溺しそうなサロメでありました。


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