memory of caprice

浮世離れしたTOKYO女子の浮世の覚書。
気まぐれ更新。

テニス界のトレンド~レジェンドによる次世代育成システム~

2014-10-06 06:37:16 | 
錦織くんが全米で準優勝の快挙に続いて絶好調。
師匠のマイケル・チャンの指導が功を奏したとされているが、対戦相手のバックにもやはりテニス界のレジェンドが・・・。
気になる最近のテニス界のトレンドを上手くまとめた記事が10月5日のGLOBEに掲載されていたのでそのサマリーを。

2014年9月8日、NYの全米オープン男子シングルス決勝のスタジアム。
錦織圭(24)のコーチにはマイケル・チャン(42)、対戦相手のマリン・チリッチ(26)のコーチには同じクロアチア人のゴラン・イワニセビッチ(43)
。チャンは全仏、イワニセビッチはウィンブルドンをそれぞれ1度制し、世界ランキングの自己最高位はともに2位だった。
錦織は今期からチャンの指導を受けている。昨季、錦織は世界ランキング11位と、念願のTOP10まであと一歩と迫りながら、壁を破れないでいた。当時のコーチはアルゼンチン人のダンテ・ボッティ―二(35)だけだった。プロとしての実績はない。
「当面の目標であるTOP10入りを果たすには、その厳しさを知る人の助言を受けたくなった」。錦織サイドがチャンに打診し、快諾を得た。
 テニスの技術、戦術の面では自己流を大切にしてきただけに、錦織がチャンに当初期待していた役割は精神面のアドバイザーだった。
ところが、チャンの指導は技術面にも及んだ。「足りない点をピンポイントで指摘してくれる。プレースタイルや背の高さを考え、必要な点を見抜き、時に厳しく教えてくれた。僕に好かれるためでなく、本当に情熱を持ってやってくれるのが良い」。178cmの錦織より更に3cm小柄ながら、世界の頂点で渡りあったチャンに、サーブのトスの位置から肉体のメンテナンスに至るまで、徹底して教え込まれた。
 5月には世界ランキング9位となり、錦織は自信を深めていく。重圧がのしかかった全米オ―プン期間中も強気なな発言。
 チャンは錦織を高く評価する。「圭は物静かで自己主張はあまりしないが、テニスをうまくなろうとする気持ちはだれにも負けない。夜遊びとも無縁だ。私は幸い、お金には不自由していない。圭じゃなければコーチを引き受けなかった。彼には本当に世界の頂点に立つ可能性がある」。全米オープン準優勝の快挙はその一里塚に過ぎない。
 一方、全米オープン決勝で錦織を破ったチリッチは昨秋から指導を受けるイワニセビッチに感謝を惜しまない。「テニスを楽しむ原点を思い出させてくれた」。
 
 元王者がトッププロを指導するのは男子テニス界のトレンドになっている。
今回の全米オープンの男子シングルスのBEST4は錦織とチリッチのほか、世界ランキング1位のセルビア人ノバク・ジョコビッチ(27)と、4大大会で史上最多の通算優勝17度のロジャー・フェデラ―(スイス・33)だったが、この2人も今季から4大大会で6度優勝した実績を誇る大物コーチを雇った。
 ジョコビッチは弾丸サーブでならし、1985年に17歳でウィンブルドンを制した元世界1位のボリス・ベッカー(ドイツ・46)をヘッドコーチに招いた。「ボリスは真の伝説で、彼の豊富な知識、経験、何よりも勝負強さが傑出していた」と信頼を寄せる。フェデラ―はサーブ&ボレーで一時代を築いたステファン・エドベリ(スウェーデン・48)と契約し、「僕の少年時代のヒーロー。時間を共有し、学ぶのが楽しみ」と話していた。
 なぜこうした師弟関係が次々と生まれるのか。
「トップ選手は孤独を感じやすい。頂点を極めた人間に対し、同じレベルまで達したことのない人間が助言するのは勇気がいる。その点元王者なら遠慮はない。だからこそ信頼関係を深めることが出来るのだ」。4大大会で7度優勝し、今は解説者のマッツ・ビランデル(スウェーデン・50)は説明する。

 テニス業界関係者によると、コーチの報酬は契約した選手が大会で稼いだ賞金の10%というのが目安だという。ただ、ビランデルは「元王者たちは経済的に困窮しているわけではないので、お金がコーチになる理由ではない。やはり、現役時代に味わった勝負へのこだわり、情熱を再び味わいたいのではないか」と語った。

 テニス界で異色の師弟コンビとして注目を浴びるのはアンディ・マリ―(英・27)と女子の元世界ランキング1位、アメリ・モレスモ(仏・35)だ。
マリ―は2年余師事したイワン・レンドル(チェコ・54)との契約を解除。今夏からモレスモの指導を受けている。女子の国別対抗戦、フェド杯の英国代表監督を務める母親がコーチだったこともあり、マリ―は女性コーチに違和感がないようだ。「彼女を尊敬しているし、選手としての経験値も豊富。戦術眼も優れている」と語る。
 全豪、ウィンブルドンをを制した実績があるモレスモは米紙の取材に「女性が男子選手を教えるという視点に関心はない。ただ、アンディの目標に向って協力したいだけ」と語る。


モレスモの現役時代、その佇まいが紳士を思わせる雰囲気を醸し出していたことを思い出す。英国人気質で控え目な性格のマリ―には厳しく激しいレンドルよりもむしろしっくりくるのかも?
元スターはそのプレースタイルからキャラクターまで観る方もある程度情報があるので、現役選手との相性もなんとなく想像がついたり納得したり出来て、テニス観戦が一層楽しみになるこのところの動きではあります・・・。

 


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