memory of caprice

浮世離れしたTOKYO女子の浮世の覚書。
気まぐれ更新。

きものトータルクリニック吉本

2014-06-15 23:35:36 | 
きもののメインテナンスについて、シミ抜きや洗い張りの専門家は京都の年配の職人さんで、大変良心的なゆえに全国から依頼が殺到して、
その処理能力を超えている・・・というイメージがあります。

でなくても、近所のご年配の職人さんにお願いしているけれども、引退されたらどうしよう・・と先を心配する声もあり、
きもの愛好家の悩みは尽きません。

そんな折、東京で!?30代の凄腕?!と思わず2度見の記事がありました。

2014年6月9日の夕刊「凄腕つとめにん」に紹介されていたのは
きものトータルクリニック吉本 東京日本橋店長の庭野秀義さん39歳。

「ウチでだめならあきらめてください」
創業80年余、京都に本店がある染み抜き、直しの専門店「吉本」で、9年前から技術部門の責任者を任される。
どこに持って言ってもダメな時は庭野さんの出番。業界でそう一目置かれる。

ジュースをこぼして黒ずんだヴィトンのカバン、お尻がすっかり色落ちしたブランド物のスラックス。
クリーニング店が自分で失敗した預かり品の直しを依頼することも。

よく持ち込まれる着物に関しては展示品の色焼けを新品に戻す仕事が多い。
汚れを完璧に落とせても、生地の色が飛んでしまう場合は、部分的に染め直す「色かけ」をする。

目の前にある着物の症状を診断すると、ピンと背中を伸ばし・・・煮沸して溶いた染料を刷毛に染み込ませ、表面を撫でるように一気に刷毛を滑らせる。
毛先を当てたらやり直しは効かない。最も気を使う瞬間だ。しゃもじのようなコテで熱を当てると色が定着する。
厚さ1ミリ以下の生地のどのあたりまで染料が染み込むか、仕上がりが読める。

経験に裏打ちされた天性の感覚。教えて覚えられるものではない。とは吉本の前社長で相談役の松本康男さん(77)はその技に信頼を寄せる。
4年前からは東京日本橋店の店長も任される。

入社して19年。新品に蘇らせたのは1日に平均10点。着物だけで約4万点にのぼる。
修復が難しい場合は、柄を足してシミや変色を隠す。トータルで違和感のない風合いを出す創造力も求められる。

織物産地の新潟県十日町市の生まれ。漠然と家業を継ぐことを考えていたが、斜陽の呉服産業の状況に
「直しの技術なら、この先も必要とされるはず」大学時代の恩師の助言でこの世界に。

修復するのは品物だけでなく顧客の思い入れ、思い出だとか。
覚えておいて損はないお名前とみました^^


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