ニューヨー句

1ニューヨーカーの1ニューヨーカーによる1ニューヨーカーのための1日1ニューヨー句

釣瓶落しおとなしくつながれてゐて

2009年09月06日 | 欧介
釣瓶落しとは秋の日が落ちて急に暗くなること。犬と言えば嵯峨野・常寂光寺を思い出す。20年前、俳友の館主が、汚い犬小屋に三頭飼っていて、私は「三匹の犬駆け回る刈田かな」という句を彼らに捧げた。
嵯峨野には「平野屋」という鮎の店がある。鮎はこの世でもっとも美味しいものの一つだろう。そこでは、夏だけでなく、春は若鮎、秋は落鮎、そして冬は佃煮と鯉を食べることができる。襖を開け放つと、よく風が通り、下を見れば、川と、その傍に西瓜を浮かべた池が見えた。提灯を手渡されて、真っ暗な中を歩いて帰ったのも忘れられない。