わが脚を見て歩きけり花の雲
鶏頭や適当なこと言つてみる
鶏頭に雨なにもかも忘れ行く
鶏頭の花星のない朝に似て
やはらかく葡萄の種を噛みつぶす
ゆらゆらと電車の中の秋夕焼
渡辺明森内俊之涼あらた
マネキンの片足上ぐる雁渡し
逃げる夜の通りに溢る貝回し
釣瓶落しおとなしくつながれてゐて
秋冷に眉といふものありにけり
たてのものを横にすひまわりの枯れて
長月となりたり靴の濡れる音
ものの名を忘れて白鳥の渡る
知らぬ間に四角となりし西瓜かな
十薬の枯れそめにけり氷河石
蜻蛉の闇を見てきたやうなかほ
おにぎりの角立てにけり今朝の秋
2000年よりNYに住む。主な登場人物: 道子(長女13歳) 町子(次女11歳) メープル(黒猫) リンデン(白猫) ティー(白黒) 欧介(44歳)
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