今、ここで(Now ,here) by 中村真生子

自分探詩(じぶんさがし)& 山陰柴犬かれんとの日々

風よ、雨よ

2011-04-30 10:01:19 | 自然・植物

風が吹く。

悲しみの声を

上げているかのように・・・。

雨が降る。

苦しみの涙を

流しているかのように・・・。

風よ吹け。

雨よ降れ。

悲しみが消えるまで・・・。

苦しみが和らぐまで・・・。

そして

まだ来ぬ春をつれて来い。

Photo

忘れな草(ムラサキ科)

copyright Maoko Nakamura


月灯かりの記憶

2011-04-29 18:41:19 | 自然・植物

その写真は

いつも通っている

国道沿いの風景だったり

身近にある

森や草花のものだった。

なのに

月の光に照らされた

その風景は

見る人を遠い世界に誘った。

すべてのものが

月と星の調べを奏でていた。

太陽のもとでは

かき消されて聴こえない

微細な光の調べを・・・。

見慣れた風景の

鮮やかな裏切りに

ひどく戸惑い、安らいだ。

「光・季・彩」by Ringen in ジュピタリアンヒル

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ライラック(モクセイ科)

copyright Maoko Nakamura


水仙が咲く幸せ

2011-04-28 12:24:04 | 自然・植物

あぜ道で

庭の片隅で

かぐわしい香りととも

春を告げてくれる花、水仙。

そして

皇居でも

被災地でも・・・。

さりげなくそばで

咲いてくれる花、水仙。

温かいまなざしで

いつも

見守ってくれている人のように・・・。

Photo

水仙〈ヒガンバナ科〉

copyright Maoko Nakamura


あなたに咲いた花

2011-04-27 10:23:55 | 

数ある蕾の中で

南側の枝の

中ほどから咲いた木香薔薇。

たくさんの人の中で

あなたに咲いた花。

そのやさしい色の花は

周りの人の心にも

やさしい色の花を咲かせた。

いつもの空間に

たくさんの花があふれ

互いにその幸せを愉しんだ。

花盛りの

木香薔薇のように・・・。

たくさんの人の中で

あなたに咲いた花。

あなたが咲くことで

たくさんの人に咲かせた花。

最初に咲いた

木香薔薇のように・・・。

Photo

木香薔薇〈バラ科・中国原産〉

copyright Maoko Nakamura


溶け合う光(身土不二)

2011-04-26 10:23:58 | 食べ物

お抹茶の

一つ一つの泡に光が宿り

虹色に輝いていた。

目には見えないけれど

ここでいつも

この光に包まれている。

北には北の

南には南の

東には東の

西には西の

それぞれを包む

それぞれの光・・・。

そこで暮らす人が

そこで取れたものを食べることで

身体の中で

光がスーッと溶け合う・・・。

私たちはきっと

光も一緒に食べているのだ。

Photo

金のなる木〈ベンケイソウ科〉

copyright Maoko Nakamura


未来への遠足

2011-04-25 11:13:55 | 遊び・歳時

春の遠足か

たくさんの子どもたちが

川沿いの道を

海に向かって歩いている。

爽やかな風の中を

友と肩寄せ合いながら・・・。

傍らで

芽を吹いたノイバラが

明日をそっと夢見ている。

もうすぐ

花を咲かせるのだと。

カモメのように

しなやかで真白い花を・・・。

子どもたちが歩いている。

友と肩寄せ合いながら

それぞれの未来に向かって・・・。

真白いキャンバスに

それぞれの夢を描きながら・・・。

Photo

ゲラニウム〈フウロソウ科〉

copyright Maoko Nakamura


義母の命日

2011-04-24 10:53:57 | 

結婚が決まった時

「うちのTが結婚するのよ」と

すごく喜んでいたと

後から人づてに聞いた。

直接見なくても

その光景が

目に浮かぶような義母だった。

「子どものころは

旧姓が角田だったから

〝つんちゃん〟と呼ばれていたのよ」と

思い出話をしてくれたのは

いつだったのか。

今日はつんちゃんの命日。

仏壇に香りのよい水仙を飾ろう。

Photo

水仙

copyright Maoko Nakamura


ご縁の庭

2011-04-23 14:33:57 | 自然・植物

想えば

何百何千

あるいは何万と作られた

苗や球根のうちの一つ。

あるものは地元で

あるものは他県で

あるいは海外で作られた・・・。

そんな苗や球根たちが

小さな庭に

肩寄せ合って咲いている。

自分らしさを愉しみながら・・・。

想えば

何百何千

あるいは何万と作られた

苗や球根のうちの一つ。

そんな苗や球根たちが

小さな庭で

ご縁の花を咲かせてる。

互いの花を愛でながら・・・。

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八重桜

copyright Maoko Nakamura


さりげなく確実に…

2011-04-22 10:43:57 | 気持ち

喜んでもらうことを目標にしたら

喜びであふれるだろう。

幸せになってもらうことを目標にしたら

幸せであふれるだろう。

愛を伝えることを目標にしたら

愛であふれるだろう。

誰よりも先に

まず自分自身が・・・。

そしてあふれた想いが

周りを染めていく。

春の大地が緑を取り戻すように

さりげなく確実に・・・。

Photo

チューリップ(バレリーナ)

copyright Maoko Nakamura


慈悲まんじゅう

2011-04-21 10:54:00 | 物語

あるところに

悟りが開けなくて

苦しんでいたお坊さんがいました。

熱心にお題目を唱えたり

偉いお坊さんに

教えを乞うたりしましたが

心穏やかになれませんでした。

ある日寝ていると

夢に仏様が現れて

「毎日あんこの入ったおまんじゅうを作り

村人にあげなさい」と告げられました。

といっても

小豆もなければ粉もありません。

お坊さんは檀家へ托鉢に行き

小豆と粉を分けてもらうと

見よう見まねでまんじゅうを作りました。

最初はうまく作れませんでしたが

次第に上手になりました。

村人は「ありがたいおまんじゅう」と

感謝していただき

作り方を教えてもらいました。

そのおまんじゅうは村の名物となり

お坊さんもともに働きました。

お寺は檀家の人で賑わうようになり

気がつくと

苦しみはどこかへ行っていました。

そんなある日

お坊さんが

縁側でまんじゅうを食べていると

うっかり庭に落としてしまいました。

そこへ鳥が飛んできて

おまんじゅうを食べてしました。

そして

こんな歌を歌いました。

「皮が悲しんでいたなら

あんこになって入りましょ。

そうして悲しみをともにしましょ。

あんこが苦しんでいたら

皮となって包みましょ。

そうして互いを慈しみましょ」。

お坊さんは思わず鳥に手を合わせました。

そしてそれからも

村人のために力を尽くしましたとさ。

Photo

花桃

copyright Maoko Nakamura


与えあう「気」

2011-04-20 08:54:08 | 気持ち

気は巡る。

天から地へ地から天へ

外から中へ中から外へ。

気は巡る。

春から夏へ夏から秋へ

秋から冬へ冬から春へ。

気は巡ることで

万物にいのちを与え

万物のいのちを育む。

気は巡る。

あなたからわたしへ。

わたしからあなたへ。

勇気、元気、やる気・・・。

持っている気を与えあい

そして人は互いを育む・・・。

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オキザリス

copyright Maoko Nakamura


焦点と力点

2011-04-18 14:54:00 | 気持ち

振り返ると

自分を囲む世界の中で焦点が定まらず

その都度、力点を変えながら

見えた世界を押していた。

それが世界のすべてであるかのように。

小さな私の世界は

押すことで少しは大きくなったのであろうか。

しかれど壁は厚く堅く

むろん突き抜ける方法など未だ知らず・・・。

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クリスマスローズ

copyright Maoko Nakamura


文章の味見

2011-04-18 14:23:59 | 食べ物

出来上がった文章を食べてみる。

塩加減はまあまあだが

何かが少し物足りない。 

「そうだ!」と思いついて

戸棚から秘伝の「語録」を

取り出して加えてみる。

もう一度味見をすると

メリハリは付いたが

「語録」が効きすぎて

素材の味がかすんでしまった。

少しセロリとトマトをたしてみよう。

それとも加えるべきは玉ネギなのか。

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クリスマスローズ

copyright Maoko Nakamura


ご縁という緯糸

2011-04-18 13:03:59 | 

トントントン・・・。

おばあちゃんは機を織っていた。

張った経糸(たていと)に

杼(ひ)に巻き付けた緯糸(よこいと)を

右側から通してトン

左側から通してトン・・・。

そうして反物を織っていた。

トントントン・・・。

人は人生を織っている。

自分という経糸に

ご縁という緯糸を

右側からもらってトン

左側からもらってトン。

そうして誰もが織っている。

一期一会の人生を。

トントントン・・・。

あなたとのご縁にありがとう。

素敵な緯糸をありがとう。

*杼(ひ)は、緯糸を巻いた舟型の器で、

 経糸の間に緯糸を通すたのに使われる。

Photo

モネフィラ

copyright Maoko Nakamura