昨夜は長男17歳が戻り、2ヶ月ぶりに再会しました。
・日本から戻りました!&長男17歳の成長と凸凹のある人生をたくましく生きる力を培うということ
そして今朝は、他州への旅へ、
長女15歳と次女13歳を送り出しました。
現地では親族が待っているものの、
2人のみの飛行機も初めてですが、
1週間以上親から離れるのも初めてのこと。
セキュリティーを通る背中を見送りながら、
しみじみと子供の成長を思いましたよ。
嬉しいことも、そうでないことも様々起こるでしょうが、
どんなことを思い出して欲しいだろう?
そう思うとき浮かんだのが、次の言葉でした:
「与えられている恵みをひとつひとつ思い出すこと。
何を差し出せるかにフォーカスすること。
(Count your blessings. Focus on what you can give.)」
きつい最中には難しいですが、覚えていてくれたらなあ、
そんな思いを込めて、旅立つ2人に伝えました。
←まあ、1週間強ですけどね。
「あなたにもできるんだよ」と中米の貧困層の生徒達に伝え続けるプロジェクト
今回長男は、3週間強、
「中南米の教育」についての研究チームのインターンとして、
中米のある国の貧困地区の中学生に、
プログラミングとロボティックスを教えていました。
この地区の子供達は、
3学区がひとつの学校に通い、とても校舎におさまりきらないため、
各学校順番に1日3時間通学するのみという学習環境にあります。
そうした状況にありながらも、
全国統一テストなどでトップ層に入る生徒達が選抜され、
無料でのワークショップが施されたのです。
(スポンサーは、米国大学や米国のリサーチセンターなどです)
米国の大学教授や博士課程在籍者が様々な研究に取り組む中、
ワークショップは、
今年の秋から米国の大学へ進学するこの国出身の女の子と、
長男を含む主に3人の高校生によって企画・遂行されました。
この女の子は、
ファースト・レゴ・リーグでこの中米の国代表として、
国際大会に進んだチームのキャプテン。
国際大会でも入賞したといいます。
(長男チームも小学6年生の時、国際大会へ進んだのですが、
米国の場合は、州大会を勝ち抜くことで出場が可能となる一方、
日本も含め他の国は、国全体の大会を勝ち抜く必要があります。
長男が出場した年には、日本が国際大会で優勝したんですよ。
最後は、「ファースト・レゴ・リーグ」の協力を得て、
競技会も催されました。
このプロジェクトの間、
スタッフによって生徒達に一貫して伝えられたメッセージが、
「あなたにも、できる。あなたにも、世界を変える力がある」です。
貧富の格差が激しい中米の途上国です。
米国の名門大学に進学することになっているこの高校生スタッフの女の子も、
この国ではトップ0.1%の富裕層に属しています。
トップの私立学校に通い、
家にはメイドや運転手が何人もいて、
お城のような家に住んでいます。
町に出るなら、警官に止められ、
賄賂を払って許してもらうような
「権力乱用」がまかり通っています。
この国出身のプロジェクト関係者の1人は、こんな話もしていたそうです。
町を歩いていた際、ナイフを持ったドラッグ漬けの2人組みに襲われ、
何度か素手で殴って攻勢し、
その3日後、その内の1人が内臓破裂で死んでしまったと分かった・・・。
普段の日常生活が、生きるか死ぬかの環境。
このプロジェクトは、
こうした環境の中、経済的にも底辺層にある生徒をサポートし、
新しい未来の担い手となる人材を育成しようというミッションに基づいていました。
この研究チームによる他の南米の国でのプロジェクトでは、
子供&青年達を「自分にもできる!」とインスパイヤーすることで、
いかに状況に変化を起こせるかが立証されているといいます。
確かに、未来の担い手の意識が変わるなら、未来は変わりますよね。
プロジェクトスタッフの中には、
こうした途上国出身の人々が多く含まれており、
スタッフ自らの体験を通した、
「私達にも、できるんだよ」というスピーチに、
泣き崩れる生徒も多くいたといいます。
長男を含む3人の高校生たちも、
今後3ヶ月ごとに、ロボティックスのワークショップに参加した生徒達と、
スカイプ等で話し合うことになっています。
また、長男は何人かの生徒達と個人的にもSNSで繋がったようです。
「私達にも、できる!」
という思いに、
参加者、そしてプロジェクトのスタッフが、
一丸となった3週間強だったようです。
*今回のプロジェクトは貧困層にありながら統一テストなどでトップに入る子のみが対象となっています。
限られた予算の中、「成果により繋がりやすいだろう」対象が選ばれたといえますが、
完璧からは程遠くあっても、何もしないよりは、とにかく始められるとこから始めるしかないですよね。
今後、より多くの生徒達にチャンスが与えられることを願っています。
「リソースと支援があれば、誰にだってできる」と掲げるNPOの始動
長男が友人達によびかけ、
創設に向け弁護士に会ったりと書類手続きを進めていたNPOも、
今夏の初めから「正式な組織」として始動しています。
今回の、この中米でのプロジェクトにも、
「協賛組織」として、米国大学やリサーチセンター共に、
このNPOの名前を並べてもらっていました。
また中米でのワークショップを率いた他の2人の高校生も、
新しくNPOのメンバーに加わったようです。
NPOのウェブサイトのフロントページには、
「誰もが革新できる(Innovation is for everyone)」という文字。
必要なリソースや支援を提供し、
STEM(Science, technology, engineering and mathematics)関係の活動をサポートするこの団体、
今回の中米でのプロジェクトと共に、
・周辺の中学校のロボティックチームの指導
・ドローン・クラブ等、様々なSTEMクラブの創設や運営の支援
などに、取り組んでいます。
長男のプロフィールには、
「僕は、もしリソースと支援が得られるのならば、
誰でも世界を変えられると信じています。
それが、僕が、この組織を創設した理由です」と。
「リソースと支援が得られるなら、
誰でも、状況を変えていける」
これは、長男自身が、様々な活動を通し、
多くの人々から多大なる支援やサポートを受ける中で、
心底、実感してきたことです。
今も、周りから助けられつつ、
少しでも、リソースや支援を与える側になれたら、
そうした願いが、このNPOの活動目的になっています。
今週も、
NPOメンバーやロボティックスのミーティングがあるようです。
「私達にもできる。私達にも変えられる」、
そうした「希望」をかき消す物事なんて、いくらだって溢れています。
それでも、抱き続けていくこと。
中南米の研究にあるように、
確かに、未来を担う子供&青年が、
「どうせ自分が何をしたって何も変わらないし」と思うか、
それとも、「自分にだってできる」と思うかで、
未来は、随分と変わってくるのかもしれません。
そんな希望を、少しでも、次世代へと伝えられる側に立てたらいいですよね。
自分にできる範囲で、できることをを少しずつしていきたいです。
さて、夏休みな日々が続きます。
みなさん、良い夏の日を!
おまけ:
・中米のワークショップ最後の競技会で渡された「スピナー」。
現地の「メイカースペース」の施設を使わせてもらい、
長男がデザイン制作したそうです。
←むちゃくちゃ忙しい最中にも、寝ずにでもこういうことに取り組むのが好き。
・中米プロジェクトのウェブサイトの長男のプロフィールには、
「コメディーショーをバックグラウンドに、
12時間ぶっとおしてプロジェクトに取り組むのが
僕のお気に入りの時間」という文も。
←寝る時間を確保するのが課題です。