『The Highly Sensitive Child』 by エレイン・アーロンを参考に。
「育てるのが難しいHSCもいれば、
より易しく感じるHSCもいるものです」
とアーロン氏。
感情表現や自己主張が激しいタイプだったり、
柔軟性が弱かったりと、
HSCと一言でいっても、
様々な性質や性格があるようです。
「子供の時分というのは、特により多様なんです。
大人になるほど多様性が薄れてきますが」と。
これは、アーロン氏も言うように、
大きくなるにつれ、良くも悪くも、文化的社会的な「鋳型」に、
よりはまっていくということもあるのでしょうね。
アーロン氏は様々なHSCの事例をあげるのですが、
読んでいても、この子達全てをHSCとくくれるんですか?
とちょっと不思議になるほど。
アーロン氏自身が言うように、
「完璧な心理学的分類なんてない」
ということを思い出していきたいですね。
その子にとって役に立つのなら、
大いに活用していこう、
そんな姿勢でいいのだと思っています。
では、多様なHSCの中で
「育てるのが難しい&易しいHSC」について。
アーロン氏は、以下の2点に言及しています。
1.ロールモデルを見直す
「難しい場面で、身近な大人が、取り乱し爆発していたら、
それは子供もそう反応したらいいと身に着けていきますよね」、
とのこと。
確かに。
特にHSCといった、周りの出来事に敏感な子ほど、
影響を受けやすいのでしょう。
でもまあ、親も失敗を何度か通りつつ、
子供と共に成長していくんですよね。
完璧からは遠くとも、
変化していく姿を見せてやりたいです。
あと、同じHSCに見え同じ環境にいる子でも、子供によって、
吸収力抜群のスポンジのように周りのネガティブ面を身に着けていく子と、
それほどネガティブ面に影響を受けない子がいるなあというのも、
私自身感じてます。
2.感情を抑え込み「いい子」になりやすいHSC
育て難いHSC:
「子供の特性を受け入れ、
子供が必要とするときに頼りになり、
責任感ある親ほど、
皮肉的なことに、HSCが小さな時分には、
より問題を起こし、育てるのが難しいと手を焼く場合があります」
とアーロン氏は言います。
これは
「HSCが日々強烈に感じる、
怒り、ワイルドな興奮、欲求不満、痛み、恐れ、圧倒などの感情を、
自由に表現してもいいと感じているからなんです」と。
そして、
「感情を表に出してしまえば、
どう向き合っていくかといったスキルも、
身に着けていくことができます」
としています。
つまり、小さな時分にごねたり感情を爆発させ育て難いと感じる子ほど、
後々安定していく、ということですね。
育てやすいHSC:
「一方、必要な時に頼りにならず、
本人自身でいっぱいいっぱいのような親や、
強烈な感情を不快に感じるような親の下では、
HSCは、親に受け入れられるために、
自らの気持ちを隠し、問題を起こさないようにします」とのこと。
そして、
「すると、突き上げるような感情に向き合う術を、
学ぶ機会を失ってしまうんです。
そしてたいていは大人になってから、
様々な形で表に出てきます」と。
育てやすいと感じる子は、自らの感情を隠していることがあり、そうした場合は、
大きくなるにつれ、様々な問題を抱える場合がある、というんですね。
まあ、「強烈な感情」を心地よく感じ歓迎する親もほとんどいないとは思いますが、
こうした子供の心の動きを理解し、
感情の爆発も、その子が感情に向き合う術を身に着けていく過程なんだなあ、
なんて思うと、向き合う側もちょっと余裕が持てますね。
これは、『虹色教室通信』でも、
たびたび主催者の奈緒美さんが書かれてます。
小さな頃に、大人から見た「いい子」や「できる子」にさせようとすると、
後々大切になるような、その時点で学べることを学べないと。
HSCの場合は、
特に、親の様子に敏感ですから、
自分の感情を抑え込み、
親の期待に必死でこたえようとする、
となりがちなんでしょうね。
幼い頃の感情爆発には、
ひとまず「良い悪い」は横に置き、
抱っこして背中トントンしたりユラユラして、
まずは感情を受け止めてやること。
感情が落ち着いたら、
少しずつ、「良い悪い」も受け入れられるようになっていくんですよね。
我が家も、家の外ではあまり手を焼かせない子達でした。
すると論理的には、
外でできているということは、できないわけじゃないでしょ、
なんで私の前ではしないわけ、ムカッ、
ともなるわけです。
それでも、「文脈」を見て、
ああ、かなり無理してたんだなと、
気づいてやりたいです。
「いい子」であることを求められる場には、
必要でない限り行かないというのも、
HSCの小さな時分には、
ひとつの手かもしれません!
それではみなさん、楽しい週末をお過ごしください!