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『日本語継承センター』にて「文化を伝えるプログレッシブ教育」トレーニングを受けることになりました

2017年05月08日 | 子育て全般

週末に『日本語継承センター』を見学してきました。

土曜日の午前に、「日本語継承教育」が施されていて、

毎週100人近くの生徒さんが通っています。

 


「日本語継承教育」って何?

 

日本語を母語として教える「国語教育」でも、

日本語を外国語として教える「日本語教育」でもなく、

日本語を継承語として教えることを「継承語教育」というんですね。

 

「国語教育」:

生まれたときから家庭&家庭外でも、

日本語をシャワーのように浴びる環境に育ち、

学校などで、学習言語として日本語を深めていく。

日本で育って国語として日本語を学ぶ場合などですね。

 

「日本語教育」

日本語以外を母語とし、

日本語を第二・第三言語として学ぶ。

 

「継承語教育」:

日本人の両親や片親を持ち、

家庭などで日本語を聞きながら育つけれど、学習言語は現地語。

現地語で培った知識や能力を、

日本語力の発達や日本文化の理解に生かす。

 

 

我が家は現地語で生活し、

上の2人以外は日本へ行ったことがないですから(この夏初めて訪ねます)、

日本の教科書を用いた「国語教育」はとてもとても追いつきません。

言語的には「外国語として日本語を習う」ぐらいでも丁度いいのですが、

母の私は日本で生まれ育ったのだし、

自分たちのルーツを引き継ぐといった意味の込められた「継承語教育」が、

今おかれた状況にぴったりです。

 

ということで、

開校されている土曜日午前にアクティビティーのない次女と三女と共に、

出かけたというわけです。

 

 


教室の扉を開けると・・・

年齢や日本語レベルを考慮して分けられた

小学校1年生から高校3年生までの7クラス。

 

ツアーをしてくださったスタッフの方に連れられ、

教室の扉を開けると・・・

 

生徒さんたち、あれやこれや夢中で作ってました。

 

・風船にぺたぺたと新聞紙を貼り付け「ちょんまげ頭部作り」。

・紙を折ったり飾りつけたりと「かぶと作り」。

・真っ白な布にフィンガープリントでペタペタと鱗を描き「こいのぼり作り」

・来月の学芸会に向けて仮面などの「小道具作り」。

 

教科書はなく、

作ったり、調べたりとプロジェクトをしながら、

周りと交流しつつ、「日本語や日本文化」を学んでいくんだそうです。

 

学校紹介にも、

「プログレッシブ教育に基づいています」という文字。

 

 

 

「プログレッシブ教育」とは?

「プログレッシブ教育」とは、

19世紀後半に、「伝統的な教育とは異なる教育を!」

と生まれた教育学のムーブメントです。

 

『虹色通信教室』で奈緒美さんが紹介していたペスタロッチ氏もフレーベル氏も

こうしたムーブメントの担い手ですね。

・自ら学ぶ子が育つ教育とは?(ペスタロッチとフレーベルに学ぶこと)

 

 

「プログレッシブ教育」は以下のような「共通した質」を持っているとのこと。

以下、Wikipediaから抜粋です

 

“・「する」ことによって学ぶ。「ハンズ・オン(実践実地)プロジェクト」、「探検学習(expeditionary learning」」、「体験学習(experiential learning)

・テーマに沿ったカリキュラム(『日本語継承センター』も学期ごとの全校テーマがあるそうです)

・企業家精神を統合した教育

・問題解決力と批判的思考を重視

・グループワークと社会的スキルの発達促進

・知識のまる暗記に反し、学習のゴールを理解と行動とする

・コラボレーティブで協力的な学習プロジェクトを行う

・社会的責任と民主主義のための教育

・個々の個人的なゴールからなる高度に個別化された学習

・コミュニティーサービスプロジェクトを日々のカリキュラムに統合する

・将来の社会でどんなスキルが必要とされるかを問うことにより教科の内容を選択する

・教科書よりも、多様な学習材料を用いる。

・生涯学習や社会的スキルの重視

 

 

私自身、

これまで書いてきた内容からも伝わると思いますが、

こうした「プログレッシブ教育」のスタンスに

とても共感します。

「21世紀型スキル」や「21世紀型能力」を育むのにも、

適していますよね。

 

こうした教育のあり方を、

「日本語や日本文化の継承教育」に生かそうと尽力されている先生方やセンタースタッフにお会いできて、

感慨深かったです。

 

そして、

クラスでプロジェクトしたり作ったりと没頭する生徒さんたちを前に、

しみじみ思いました。

 

「こうして日本文化を伝える試みの、

『世界バージョン』をしたいんだよなあ」と。

 

世界の多様な文化を、

「作る」ことやプロジェクトを通し「ハンズ・オン」で探索し、

体験するカリキュラムです。

 

 

トレーニングをしていただくことになりました

ということで、話はとんとんと進み、

トレーニングしていただくことになりました! ← 猪突猛進

 

教科書はありませんし、

このセンターで用いられているカリキュラムは、

全て、創設以来15年近くかけセンターのスタッフによって培われたものだそうです。

 

ベテランスタッフの方々を仰ぎつつ、

コアから細部にわたり、全身全霊で学ばせていただきます。

 

来月初めまでのトレーニングがスムーズに進みましたら、

夏休み明けの秋頃から、センターにて教えることになるかもしれません。← これはまだ未定

 

もし、教えることになっても、

週1の午前のみですから、センターでの体験を生かしつつ、

こつこつと「世界バージョン」を築いていきたいなと思っています。

 

新しい生徒さんたち、

センターの先生方そしてスタッフ、

新しい学びの場との出会いに、

心躍りつつ。

 

みなさんにお伝えできる力を、

そして子ども達が伸びる環境づくりを

磨いていきますね。

 

築かれていく道に感謝を込めて。

みなさん、今日もよい日を!


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