【地図】
エスカレーターで上がると、周りの連中に包み込まれるように飲茶屋に雪崩れ込んでしもた。
体育館ぐらいの広い部屋にテーブルがぎっしり。
ワ~ンと人声がこもって、ワゴンで料理を売り歩く呼び声が、まぁ騒がしい事。
見回したら満席。
4人ずれが席を立ったので、あたふたと向かったら、さすがにハシッコイ香港人に先を越された。
入り口へ戻りかけたら直ぐ横のテーブルが開いたから、ホイホイと席を確保。
シャキシャキしたお姉さんがやって来て、先ずはお茶の注文ですわ。
普耳(ポーレイ)と寿眉(サゥメイ)を夫々頼んで、先ずは一服。
ティーポットの中を見たら、感心にもケチらずに茶の葉っぱを入れてるねぇ。
一煎目はとっとと飲まんと出過ぎるし、本当の味は二煎目から。
小鉢にお茶を入れて、箸、蓮華、皿と綺麗に洗って、最期はテーブルの上のガラ入れにジャァーと捨て、紙ナプキンで拭いて、準備完了。
ネクタイを締めてないと入れてくれんような高級店で、こんな事したら張り倒されるけれど、中級以下では常識。
屋台ではせんのは何でかな?料理の方がもっとやばいから、食器をきれいにしても無駄やからかいな?
さぁワゴンいらっしゃい。
「ンゴォタィ(呉睇=見せて)」
「ンゴォマン(呉聞=匂いを嗅がせてんか)」
「コゥオ(おくれ)」
これだけ言えたら上等やんか。
中々来んなぁ・・。
こうなったらコッチから呼ばんといかんなぁ。
「ニィピン、ニィピン!(ここ、ここ!)」
モウモウと湯気が上がったワゴンを押しておばちゃんがやって来ました。
スープの鍋を4種類積んでますなぁ。
2種類貰ろて、半分っこしょうや。
同じテーブルに座っているのは最初のメンバーと入れ替わって、私らと同じくらいの年恰好の夫婦と若い兄ちゃん3人組。
スープのおばちゃんが切っ掛けで、続々とワゴンがやって来出した。
このテーブルは今から食べるんや!というのが判ったんでしょうなぁ。
カシワ色々、肉系、揚げ物各種、煮込み料理、次から次と、来るは来るは。
チャーハンだけでも6種類も有りますねんで・・。
相席の連中が美味そうなのを取ると、ツイツイつられてしまうんです。
その上兄ちゃんが、自分が食べてるのを指差して、「好食!(美味しい!)」いうて親指立てて誘惑しますねん。
確かに教えてくれたんは全部美味しかった。
料理をとると伝票にワゴンのおばちゃん連中が何やら記号みたいな殴り書きをして行くんですが、どう眺めても読めん。
向かいの兄ちゃんに見せたら、香港人でも読めんらしい。
しかし、食いながら喋るから騒がしい事この上なしですなぁ。
お茶が無くなったから、蓋を開けて、お湯入れてんかのサインをしたら、何処で見張ってるのか、間髪を入れず大きなヤカンでお湯を差しに来てくれるんですわ。
隣のおっちゃんが3個入りの万頭見たいなんを押してよこした。
ん?と顔を見ると「食べてみ!」という身振り。
「えらいご馳走さん」と食べたら熱い!けど美味い!「好食!(美味しい!)」いうたら大声で万頭のワゴンを呼んでくれた。
これは又仰山種類が有るなぁ、8つ蒸篭の塔が立ってて、全部違う種類かいな!
何ぼ何でも全種類は食べられへん。
適当に3種類とって、おっちゃんにお返しのお裾分け。
大概お腹一杯になったなぁ、と思ったら今度は甜点心(甘いお菓子)の屋台が来て又食べてしもて、もぉ入らん。
何種類食べたか判らんほど食べ狂うて、伝票持ってカウンターへ行ったら、間違いちゃうか?というほど安かった。
最近の小洒落た飲茶と違って、期待通りの甘いものは甘く、辛いものは手加減無しに辛い、正しい飲茶でしたね。
「ニワトリの足先豆鼓煮込みトンガラシたっぷり」がカミさんと協議の結果No.1でした。
あとは皆んな同列No.2、外れなし。
目黒のサンマや無いけれど、飲茶は元郎でっせ!
ここからは路線バスで、野越え山越え上水(ションスイ)へ向かいます。
2003/12/30