maidoの”やたけた”(ブログ版)

ジジイの身辺雑記。今日も生きてまっせ!

10-学生食堂-U.S.A.1964-No.10-再録

2022-04-15 17:45:47 | 虚々実々-U.S.A.-1964

安いどころか、

学生食堂へ行こうとしたら、先生から「ちょっと、お話ししよう」と引き止められました。
「お話し」出来たらしたいんですけどね、何しろ英語がねぇ~。
案ずるより何とやら、さすがは教育者、チョコット私の英語を聞いただけで、コチラの程度が判ったのか、簡単な単語を駆使して質問してくれました。
全部とまでは言わないけれど、半分くらい理解できます。
ア~、皆こういう英語を喋ってくれたら何とかなるのになぁ。
日本の高校教育に興味があるらしく「どういう事を習うのか?授業の進め方、生徒の反応、態度その他諸々何でも違いに気付いた事を教えて欲しい」と言うんですねぇ、(多分、そうやないかなぁ?と....)
異国に来てまで、居残りかいな?と思ったけれども、何だか真面目で人の良さそうな先生。
日米友好の一助にでもなれば遥々来た甲斐もあると言うものです。
一生懸命、破れかぶれで単語を並べて、後は貴方の推理力が頼り。
この先生、私が言うのも何ですけれど、相当優秀でした。
片言にも程遠いような私の英語を聞いて、確認の為だと思うんですが、してくる質問が YES か NO で済むくらいにまとまってるんですね。
私の答えが YES ならば、それで良し、NO の場合は「それならば、こうですか?」と聞き直してくるの内容が、驚くほど的確なんです。
「アレ、私かなり英語喋れるのかな?」と錯覚するくらい。
良く考えたら、相手の1/10いや1/100も喋ってないんです。
「私は午後の授業は無いから、昼を食べながら、ゆっくりお話しましょう。かまいませんか?」
かまうどころか、この先生とお話ししてると、何だか会話が上達しそう。
3人で学生食堂というには余りにも、立派で綺麗な平屋の別棟へ行きました。
外も中もいかにもアメリカっぽい、爽やかで華やかな配色です。
ズラーっと透明なケースが並んで、バットや鍋に入った様々な料理が並んでいます。
全部食べてみたいけれど、とても1回では無理、4、5回はかかりそうです。
肉だけでもカシワ、ブタ、ウシ、不明、を揚げたり、煮たり、焼いたりとその種類の多い事。
サラダも負けずに種類豊富、ドレッシングが又何種類も有るので、組み合わせると途方も無い種類になります。
食い意地が張っているから、こういうのを見ると、気分が高揚して元気になります。

正体不明のものが多いので、先生とコラリアの後ろについて同じ物を貰うことにしました。
困った事に、二人が違う物を選んでくれるんですよ。
どちらかに絞れば良いんでしょうが、もし選ばなかったほうが美味しいと残念なので、両方貰ってたら、トレィの上は満載状態。
もっとも先生は以外に小食、コラリアの方も、あの身体からは信じられない程の小食だったので、助かりました。
さすがに、先生が選んだ毒々しい鮮やかな緑色のゼリーらしき塊はパス。
コラリアが選んだ巨大なパイは私も取りました。
最終、先生の1.5倍位の量になってしまいました。
料理の列の最後が支払い。
「貴方達は私のゲストです」と先生、どうしたものかと、チョット口ごもっていたら、コラリアが「ありがとう」私も「ありがとう」、昼ご飯を先生にオゴッてもらった!
驚いたのは、水は当然としても、コーヒーは飲み放題、無料なんですね。
もっとも、麦茶みたいな薄いコーヒーですから、あまりコーヒー豆も要らないんでしょうね。
それと、パンの種類が少ないんです、日本でよく食べる四角の食パンが無くて、小さなロールパンと、なんだか薄茶色のボソボソしたパンだけ。
その代わり、ドーナッツ、パイ、ケーキが夫々数種類。
見ていると、皆さんパンはあまり食べていない様子です。

食べながら話していると、既に授業が始っているだろうに、かなりの人数の学生がたむろしてガヤガヤと喋っています。
先生も別に注意するでも無いので、これが普通なのか知らん?
時々顔見知りの生徒が先生に声を掛けるんですが、まるで友達あつかい。
「三歩下がって....」などという習慣は無いんでしょうね。
味は美味しかったですねぇ。
支払いの時に覗いたら、日本より総じて安いみたい。
これは今後心強いぞ、いざとなれば学校を探して、そこの学食で食べればエエんや!

何やかや話している内に今要る場所の位置関係がおぼろげながら判ってきました。
北に突き出たサン・フランシスコ半島の先端がサン・フランシスコ市、
今居る所は半島の湾に面した東側。
サン・フランシスコ空港は、泊めて貰っているロジャーさんの所のサウス・サンフランシスコ市とサン・マテオ市の中間に位置しているそうです。
何とサン・マテオは市の名前だけでなくサン・フランシスコ市を除く半島一帯はサン・マテオ・カウンティ(郡?)だそうです!隣のサンタ・クララ・カウンティ、湾の東側のアラメダ・カウンティとでサンフランシスコ湾を取り囲んでいるんだそうです。
他の交換学生達は、訪問地のこういう基礎的な知識を日本で既に聞いてるんでしょうね。
しかし、全く予備知識無しに飛び込む方が、印象が鮮やかだと思います。
ハイ、半分は負け惜しみです。

「日本では先生の給料はどのくらいか?」と訊かれたけれど、はて?知りません。
代りに、大卒初任給とアルバイトの日当を答えたけれど、判かってくれたかしら?
アメリカでは、何と給料は1週間単位で幾らと決まっているらしい。
1週間ごとに貰うのか、1月分をまとめて貰うのか、聞いたけれど、どっちか判らんかった。
その程度での事も理解できないような語学力で、良くぞ2時間以上も喋ったのには、呆れますね。

校庭側の壁は全面ガラス、見覚えのあるドロシィーの自動車が走ってきました。
コラリアが飛んでいって手を振っています。
食堂に入ったかと思うと、ケーキ、ソフトクリーム、コーラの中ジョッキくらいは有りそうな紙コップを二人でトレーに山盛りにして運んできました。
小学生くらいの女の子が一緒、ドロシーの娘さんの「キャッシーちゃん」だそうです。
小学校によって連れてきたそうです。
スクールバスを利用している子供と、親が自動車で送り迎えしている子が半々くらいだそうです。
アメリカやなぁ!
早速ご挨拶して「友達!」と握手。
友達第二号も女の子!

左から、
コラリア、エフィ、ドロシィー、
前の女の子がキャシィー

キャシィーははにかんで、中々話してくれません。
しばらくすると、ポツポツ、その後はまるっきり同年代の友達扱い。
キャシィーの話す英語が、今までで一番判りやすいんです。
リサの言葉は多分幼児語だったのか? この高校訪問で助かった事は、先生とのやりとりを横で聞いていたコラリアが、英語片言以前の日本人と話すコツを覚えてくれた事。
私が理解していないと思うと、まるで英々辞書のように、簡単な単語を駆使して説明してくれるんです。
さすがに飛び級でスタンフォードに入るくらいですから、頭が良くて、機転が利くんですね。
キャシィーよりも判りやすく、こちらの言う事も一生懸命理解しようとしてくれるので、格段に会話が楽になりました。(と言っても大した事は話してないんです...。)

そうそう!このお方がロジャー・ハンソンさん

2003/03/09:初出
2022/04/15:再録

U.S.A.64-11
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