maidoの”やたけた”(ブログ版)

ジジイの身辺雑記。今日も生きてまっせ!

喜愛香港-053 深水捗-2 西九龍中心

2004-04-29 16:23:55 | 虚々実々-喜愛香港

地下鉄B出口付近から拡がる屋台は健在ですが、90年代の香港土地バブル以降スクラップ&ビルドが急激に進んで、相当数のビルが新しくなったり、高層化しました。
しかしながら新しいビルの隙間隙間に、不法設置の檻みたいなベランダを道に張り出した昔の安物高層住宅がしぶとく生き残っていて、街はマンダラ模様。
このベランダが道路に落下する事故が実に多いんです。

地震が無いのを良い事に、もともとのビルの造りがかなりええ加減。
大々的に鉄骨で組んだベランダをその頼り無い壁面に後から無理やり取り付ける、これは恐ろしいでっせ。
香港政庁や市政府は撤去を躍起になって呼びかけていますが、効果は無いみたいですねぇ。
時々、違法ベランダの設置工事中にベランダが丸ごと落下して、工事をしていた職人が死傷する事故が報道されます。
とても撤去どころか、新設の取り締まりもままならないようです。
最近は、その死傷した職人が黒工(大陸からの不法労働者)のケースが多いんですね。
不法労働者が不法設置のベランダの違法行為をする、なんてのは念が入り過ぎでんがな・・・。
おまけに果たして不法労働者が職人といえるだけの技術を持っているのか?これは甚だ疑問ですなぁ。

さすがに地元の人は良く知っていて、ヤバイ建物のところでは歩道を通らないで車道に出ます。
人が通らない所は理屈抜きで、同じように避けるのが大事な心得です。
もう一つ、歩道が濡れている所は絶対に近寄ってはいけません。
一番多いのは洗濯物のしずくですが、運が悪いと頭から汚水をぶち撒けられる事が有ります。
ビルが古くなると水周りが傷んで、うっかり流しに流すと下の階がビシャビシャ、下の住人が殴り込んで来る事は必定。
窓からぶち撒けた方が気楽、先ず下手人と特定される事は無い。
万一通行人が駆け上がって来てもしらばっくれる手もある。
そういうビルはベランダが降ってくる可能性も高いんですよ。
少し見慣れると、遠くから建物の雰囲気で何となく判るので、前だけでなく上下左右をまんべん無く注意していれば大丈夫。

南昌街の道を塞さいでいた不法占拠の工場は立ち退きを喰らって、道路も数年間は本来の姿を取り戻したんですが、今度は公認で臨時街市(仮設市場)が道の中央に出現。
そういう運命の道やったんですなぁ。
再開発の波に呑まれたとはいえ、深水捗は深水捗。
相も変わらず群がっている流動小販(ラウドンシウファン=移動屋台)は無許可のもぐり。
市政局の小販管理隊が出動すれば蜘蛛の子を散らすようにワラワラッと逃げ散ります。
「付いてる車輪は伊達やないで!」と路地を猛スピードで逃げ回って、壮絶な鬼ごっこを展開、まぁその勇ましい事。
小販管理隊が居なくなれば、どこからとも無く湧き出して、何事も無かったように元通り営業を再開するしたたかさはさすがですなぁ。
営業許可を取っているので逃げ回る必要が無い北河街の長沙灣街東(山)側の食べ物屋台の群れ、 西(海)側の古本市。
鴨寮街の電気製品主体とはいえゴミみたいなものから家具まで扱う中古品店街。
元州街の遣手オバちゃん、怪しげなCDを扇子みたいに広げて立売してる古惑仔(チンピラ)。
ライトバンのい荷台を店舗に、何時でも逃げられる体勢でで店開きをしている、どう見ても盗品臭いカーオーディオ等の自動車部品屋が最近増えましたね。
小売卸何でも来いの問屋で忙しく働くパキスタン風の男逹の群れ。
大通りで真昼間から堂々と流し目で客を引くドキドキする衣装の出稼ぎの菲妹、泰妹ちゃん。
見事なまでに得体の知れないパワフルかつ猥雑な喧騒が朝から深夜までワ~ンとこもっています。
やっぱり深水捗を知らずに香港の下町は語れませんねぇ。

さてその街に大規模な商業センターが出来ました。
出来た当初は回りの道はゴジャゴジャ、いかにも場違いな感じで驚いたんですが、大したもので、数年経つと周辺がコロッと変わりましたねぇ。
ガラス張りの大きな円柱状の9階建ての建物で、真中は最上階まで広い吹き抜け。
中に入っているテナントはありとあらゆる種類の見事なまでのゴッチャ混ぜ。
最上階には大食堂とスケートリンク、ゲームセンター、ミニ遊園地。

そして吹き抜け部分にジエット・コースター!
これが半端や無いんですねぇ、料金15HK$は決して高いことおません。
見ているとスピードはたいした事が無いようですが、何しろ9階の高さ、下はスットントンの空中。
そこを逆落としに下ってビルの壁面スレスレをかすめるのですから、体感スピードは凄いでっせ!
おまけにスケートリンクの上や、隣のフードコートの頭上を轟音を立てて走るんですよ。
大阪にもフェスティバル・ゲートという、ヨレヨレになった第三セクターの中に似たようなのが有るんですが、奇を狙って建物の中を突き抜けさせたのは良いけれど、一番大事な高度とスピード感が無いんですわ。
子供だましの到底絶叫型とは呼べん代物。
規模といい、思いっきりの良さといい、完全に負けてます、というか勝負にもなれへん。
第三セクターでここまではようせんのも無理は無いんですが、そもそもアミューズメント系に前例主義の事なかれ主義で遊び心の無いお役所が噛んで上手い事行く筈があるかいな!
その点ここのは「ようこんな物を許可したなぁ・・」と思うほど突き抜けてますねぇ。

(左)下から見上げると空中に支えもなく線路がとぐろを巻いています。
(中)別名「Dragon Center」と言うだけあって龍のデザイン。これがなんとも凄みの無い間抜けな龍なんです。椅子に登って手を伸ばせば届きそうな高さで、フードコートの頭上を遠慮会釈なく走り回ります。間に金網も何も無いんですよ!
(右)その素っ呆けたのが間抜け面のままで空中を疾走すると、似合わんだけに妙に恐ろしい。おまけに線路は複雑に絡んでいて、支えが極端に少ないんです。強度的にはちゃんと計算して有るんでしょうが、走るのを見ているとビヨンビヨンと撓んでます。

ドラゴン・ジェットコースターが轟音を立てて走る吹き抜けの下の1階は広場になっています。
自動車の展示会、ファッションショウ、物産即売会等何時も何か催し物が開かれています。
節日(勿論クリスマスやイースターも節日の仲間)の前にはそれにちなんだディスプレイが飾られます。
クリスマスツリーもセントラル(中環)辺りでは如何にも西洋っぽいんですが、尖沙咀、佐敦、油麻地、旺角と北へ行くにつれて、段々中華味になるような気がするんですがね。
「歓迎光臨聖誕祭」てな幕を張られて赤地に金の「福」のデコレーションがしてあると、天辺の星が人民解放軍のマークに見えてくるんですよ。
中秋節の前には直径2M、高さ7~80cmの巨大月餅が展示されて、目方当ての投票が行われます。
見事当れば巨大月餅を貰えるんだそうですが、どう考えても1トン以上は有りまっせ。
貰っても始末に困るでしょうなぁ。

実は「西九龍中心」は館内撮影禁止。
そんな事とは露知らず、写真を写すだけ写して、帰り際に入り口にデカデカと書いてあるのに気がついたんです。
結構、警備員風の人の前で知らん強みで大きな顔して写してたんですが、余りにも大ぴらに写してるので、許可でも取ってると思ったんでしょうかねぇ。

次回下町めぐりは海を渡って香港島の北角(パッコック)へでも行きますか、

2004/04/29

喜愛香港-054 北角(パッコック)-1

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