この記事を書いた後も更に状況は悪化。大幅に内容が変わっていますので、こちらもご参照ください。下はあくまで2008年11月現在の情報です。
このブログで世知辛い話題を取り上げるのは全く好きではないのですが、
メトに直接関係ある話題なうえ、残念な公式発表といえるものが出されてしまい、
素通りするわけにも行きませんので、さくっと触れておきたいと思います。
つい先日にも、NYCOの例をはじめ、(もともと厳しいのに)いよいよ嵐のようになってしまいつつある
オペラハウスの経営状態の話をいたしましたが、ついにメトでも徹底的な経費削減策が敷かれたようで、
それはついに来シーズンのレパートリーにまで及ぶこととなってしまいました。
オペラ好きの方にはよく知られているメトマニアックのサイトや、
ジーグリンデの日記というブログの記事をはじめとする複数のサイトを総合すると、
もともとメトの2009-10年シーズンに予定されていた演目と主なキャスティングは次の通りでした。
(このリストはあくまで色々なオペラヘッドの方々が、発表になっている歌手のスケジュールなどをもとに
推察したスケジュールであり、このスケジュール自体は公式にメトから発表されているわけではありません。)
/(スラッシュ)を挟んでいる歌手は別の日の公演で同じ役を歌うことを意味しています。
『トスカ』
レヴァイン指揮、ボンディ演出
カリタ・マッティラ、マルセロ・アルヴァレス、
ブリン・ターフェル(ターフェルについては降板が決定しており、
代わりに牛太郎 Uusitaloの名前が挙がっています。)
『フィガロの結婚』
ルイージ指揮、ジョン・レリエー/ルカ・ピサローニ、ダニエル・デ・ニース、
エマ・ベル/アネット・ダーシュ、イザベル・レナード、ボー・スコウフス/ルドヴィック・テジエ
『魔笛』
ゲニア・クーマイアー、ジュゼッペ・フィリアノーティ/マイケル・シェイド/マシュー・ポレンザーニ
クリストファー・モルトマン/ネイサン・ガン、
エリカ・ミクロサ/アルビーナ・シャギムラトーワ、
ゲオルグ・ゼッペンフェルド/フランツ・ジョセフ・セリグ/ハンス・ペーター・ケーニッヒ
『アイーダ』
ガッティ指揮
ヴィオレッタ・ウルマナ/ハスミック・パピアン、ヨハン・ボータ、
ドローラ・ザジック/マリアン・コルネッティ、カルロ・グエルフィ/アンブロージオ・マエストリ、
ロベルト・スカンデウィッツィ/オーリン・アナスタソフ
『セヴィリヤの理髪師』
ベニーニ指揮
ジョイス・ディドナート、ホセ・マニュエル・ザパタ、オーリン・アナスタソフ
『ばらの騎士』
レヴァイン指揮
スーザン・グラハム、ルネ・フレミング、ミア・ペルソン/クリスティーン・シェイファー、
クリスティン・ジグムントソン
『トゥーランドット』
マリア・グレギーナ/リーズ・リンドストロム、
フランク・ポレッタ3世(すごい名前、、)/ベン・ヘプナー、マイヤ・コヴァレフスカ
『ファウストの劫罰』
オルガ・ボロディナ、ラモン・ヴァルガス、イルダル・アブドラザコフ
『死の家から』
サロネン指揮、シェロー演出
ピーター・マッテイ、クルト・ストライト/ゴードン・ギーツ、ステファン・マルジータ、
ピーター・ホア、ピーター・ストラーカ、アレス・ジェニス、ウラディミール・オグノヴェンコ、
リチャード・ポール・フィンク、ウィラード・ホワイト、アンドレアス・コンラッド
『三部作』
ネゼ・セグイン指揮、パトリシア・ラセット、ゼリコ・ルチーチ、サイミール・ピルグー、
ジェニファー・チェック、ドナート・ディステファノ
『ホフマン物語』
レヴァイン指揮、シャー演出
ローランド・ヴィラゾン、アンナ・ネトレプコ、エリーナ・ガランチャ、ルネ・パペ
『影のない女』←演目自体が取りやめになり、『エレクトラ』に差し替えられました。
ルイージ指揮、デボラ・ヴォイト、リンダ・ワトソン、ジル・グローヴ、ジェニファー・チェック、
ロバート・ディーン・スミス、アラン・ヘルド、ダニエル・スーティン
『ヘンゼルとグレーテル』
アリス・クート/アンジェリカ・キルヒシュラーガー、マイア・ペルソン、
ドローラ・ザジック(魔女役!これは見たい!)、ドウェイン・クロフト/アラン・ヘルド
『カルメン』
(レヴァインの名前が挙がっているものもありますが微妙です)指揮、ボーン&エア演出
アンジェラ・ゲオルギュー、ロベルト・アラーニャ、
バルバラ・フリットリ/マイヤ・コヴァレフスカ、マリウス・クウィーチェン
『スティッフェリオ』
アンドレイ・ドバー(のろまな男)
『シモン・ボッカネグラ』
レヴァイン/ジャクソン指揮
プラシド・ドミンゴ(指揮でなく、歌で。ほっ。)、アドリアンヌ・ピエチョンカ、
ニコラ・アライモ
『ムツェンスク郡のマクベス夫人』←演目自体が取りやめになりました。
ぺトレンコ指揮
クリストファー・ヴェントリス、ウラディミール・オグノヴェンコ、ニーナ・シュテム
『連隊の娘』
ディアナ・ダムロー/二コール・キャベル、フアン・ディエゴ・フローレス
フェリシティ・パーマー、アレッサンドロ・コルベリ
『ラ・ボエーム』
ルイゾッティ指揮
アンナ・ネトレプコ、ローランド・ヴィラゾン、
ジェラルド・フィンレー/ジョージ・ぺティン、マッシモ・カヴァレッティ、
二コール・キャベル/ルース・アン・スウェンソン(ルース・アン姉さんをムゼッタで??えー!!??)
『アッティラ』
ムーティ指揮、アウディ演出
ヴィオレッタ・ウルマナ、ラモン・ヴァルガス、カルロス・アルヴァレス、
イルダル・アブドラザコフ
『鼻』
ゲルギエフ指揮、ケントリッジ演出
パウロ・ゾット(大丈夫か?!)
『ハムレット』
ラングレ指揮、コーリエ&ライセル演出
サイモン・キーンリサイド、ナタリー・デッセイ/マルリス・ペーターセン、
ジェニファー・ラーモア、ジェイムズ・モリス
『アルミーダ』
フリッツァ指揮、ジンマーマン演出
ルネ・フレミング、ローレンス・ブラウンリー、エリック・カトラー、
フアン・マニュエル・ザパタ
『さまよえるオランダ人』
大野和士指揮、牛太郎(ユーハ・ウーシタロ)、デボラ・ヴォイト、
ヨハン・ボータ/ステファン・グールド、ハンス・ペーター・ケーニッヒ
『ベンヴェヌート・チェッリーニ』←演目自体が取りやめになりました。
レヴァイン指揮
イザベル・バイラクダリアン、マルチェッロ・ジョルダーニ、カリン・デシェイエス、
ピーター・ローズ、ピーター・コールマン・ライト
『ルル』
レヴァイン指揮
マルリス・ぺーターセン、アンネ・ゾフィー・フォン・オッター、
ジェイムズ・モリス、ゲイリー・リーマン
『ヴェルサイユの幽霊』←演目自体が取りやめになりました。下の文章参考。
スラットキン指揮、アンジェラ・ゲオルギュー、トーマス・ハンプソン、ケイト・ロイヤル、
クリスティン・チェノウェス、ロデル・ロセル
ここしばらく、経済状況の悪化にともない、2009-10年シーズンに予定されていた
演目の数が減るのでは?とささやかれており、
削減される演目の数は4演目であるという具体的な数字までとびかう始末。(あくまで噂であり、
また新演出のみにあてはまるものか、全作品に当たるものなのかも不明です。)
上の演目中、どれがその4つにあたるか、ということを予想したりする人もあらわれましたが、
11/13付のNYタイムズの記事によると、
とりあえず、『ヴェルサイユの幽霊』がリストラ対象に抜擢されたようです。
ただし、この演目では、新演出の費用(まあ途中まではもう進んでしまっているでしょうが、
一部だけでも、、ということでしょう。
ただし、永久に新演出をあきらめるわけではなく、
あくまで延期という風にゲルプ氏は考えている、という説もあります。)
をカットすることが目的のようで、
出演予定だったゲオルギューやハンプソンをそのまま立てて『椿姫』の再演に変更したようなので、
今のところ、上演される演目の数そのものは減ってはいません。
そして、『ヴェルサイユ』の残りのキャストはどうなるのか、、?ということは聞かないでほしい。
なぜなら、私にはわからないから、、。
また、ゲルプ氏は、”演目を交換することでコストのセーブにならないか検討中”、
また、再演ものも、”お金をかけないプロダクション(やだ~!こんな言葉、メトらしくない~!!)
で代替することも考えている”そうです。
さて、上のリストで、つい名前を見て一言漏れてしまったびっくりなキャスティングについては、
その言葉を( )の中に書きましたが、
中でも、ルース・アン姉さんがムゼッタを、そしてネトレプコがミミを歌う『ラ・ボエーム』、
これは数年前までなら逆のキャスティングだったわけで、こういうのを見ると、
ちょっぴり悲しくなるのは私だけでしょうか?
また、先日のタッカー・ガラでのマイクなしでの生声を聴くに、
とてもメトなんかでオペラを歌えるスケールがあるようには思えない、
”南太平洋な男”パウロ・ゾットが、ゲルギエフ指揮の『鼻』に出演するのが、
興味深くはありますが、大丈夫か~?と不安を感じさせます。
私個人的にとても観たく、絶対にリストラ対象にしてほしくないのが、
マシュー・ボーンとリチャード・エアが演出をする『カルメン』。
そろそろ、ゼッフィレッリの演出を取り替えてもいい頃だと、私も思う。
それから、ドローラ・ザジックが魔女役を歌うという『ヘンゼルとグレーテル』、この二本でしょうか?
私がなんだかんだ言わなくても、絶対にリストラ対象にならない安全演目は、
一部の歌のクオリティはとりあえず置いておくとして、
ネトレプコ、ガランチャ、ヴィラゾン、パペの『ホフマン物語』。
これはきっとこのシーズンのドル箱商品として、ゲルプ氏が死んでも離さない勢いで
しがみつくに違いありません。
現在の『セヴィリヤ』の演出で知られるシャーの演出も期待できると思います。
このリストを見る限り、一番どうでもいいのは『スティッフェリオ』(ヴェルディよ、すまん!)です。
後は選べない、、。
これはゲルプ氏にとっても辛い選択なことでしょう。
さて、以前からメトのサイトに、Ask Figaroというコーナーがあったのはご存知でしょうか?
架空のフィガロという人物(当然のことながらメトのスタッフ)が、
オペラにまだなじみの薄い観客のために、いろいろアドヴァイスをくれるコーナーなのですが、
なんと、このフィガロがヴィジュアル化されてしまいました(上の写真がそう)。
まるで、警視庁のピーポくん並みの扱いです。
しかし、ピーポくんと違うのは、全然かわいくないこと。こんな腹に一物ありそうなフィガロ、やだ。
しかも、この四角い顔は一体誰をモデルにしたんでしょう?
っていうか、こんなイラストに金を使う余裕があったら、”お金をかけないプロダクション”とやらに
注ぎ込んでほしいもんです。
このブログで世知辛い話題を取り上げるのは全く好きではないのですが、
メトに直接関係ある話題なうえ、残念な公式発表といえるものが出されてしまい、
素通りするわけにも行きませんので、さくっと触れておきたいと思います。
つい先日にも、NYCOの例をはじめ、(もともと厳しいのに)いよいよ嵐のようになってしまいつつある
オペラハウスの経営状態の話をいたしましたが、ついにメトでも徹底的な経費削減策が敷かれたようで、
それはついに来シーズンのレパートリーにまで及ぶこととなってしまいました。
オペラ好きの方にはよく知られているメトマニアックのサイトや、
ジーグリンデの日記というブログの記事をはじめとする複数のサイトを総合すると、
もともとメトの2009-10年シーズンに予定されていた演目と主なキャスティングは次の通りでした。
(このリストはあくまで色々なオペラヘッドの方々が、発表になっている歌手のスケジュールなどをもとに
推察したスケジュールであり、このスケジュール自体は公式にメトから発表されているわけではありません。)
/(スラッシュ)を挟んでいる歌手は別の日の公演で同じ役を歌うことを意味しています。
『トスカ』
レヴァイン指揮、ボンディ演出
カリタ・マッティラ、マルセロ・アルヴァレス、
ブリン・ターフェル(ターフェルについては降板が決定しており、
代わりに牛太郎 Uusitaloの名前が挙がっています。)
『フィガロの結婚』
ルイージ指揮、ジョン・レリエー/ルカ・ピサローニ、ダニエル・デ・ニース、
エマ・ベル/アネット・ダーシュ、イザベル・レナード、ボー・スコウフス/ルドヴィック・テジエ
『魔笛』
ゲニア・クーマイアー、ジュゼッペ・フィリアノーティ/マイケル・シェイド/マシュー・ポレンザーニ
クリストファー・モルトマン/ネイサン・ガン、
エリカ・ミクロサ/アルビーナ・シャギムラトーワ、
ゲオルグ・ゼッペンフェルド/フランツ・ジョセフ・セリグ/ハンス・ペーター・ケーニッヒ
『アイーダ』
ガッティ指揮
ヴィオレッタ・ウルマナ/ハスミック・パピアン、ヨハン・ボータ、
ドローラ・ザジック/マリアン・コルネッティ、カルロ・グエルフィ/アンブロージオ・マエストリ、
ロベルト・スカンデウィッツィ/オーリン・アナスタソフ
『セヴィリヤの理髪師』
ベニーニ指揮
ジョイス・ディドナート、ホセ・マニュエル・ザパタ、オーリン・アナスタソフ
『ばらの騎士』
レヴァイン指揮
スーザン・グラハム、ルネ・フレミング、ミア・ペルソン/クリスティーン・シェイファー、
クリスティン・ジグムントソン
『トゥーランドット』
マリア・グレギーナ/リーズ・リンドストロム、
フランク・ポレッタ3世(すごい名前、、)/ベン・ヘプナー、マイヤ・コヴァレフスカ
『ファウストの劫罰』
オルガ・ボロディナ、ラモン・ヴァルガス、イルダル・アブドラザコフ
『死の家から』
サロネン指揮、シェロー演出
ピーター・マッテイ、クルト・ストライト/ゴードン・ギーツ、ステファン・マルジータ、
ピーター・ホア、ピーター・ストラーカ、アレス・ジェニス、ウラディミール・オグノヴェンコ、
リチャード・ポール・フィンク、ウィラード・ホワイト、アンドレアス・コンラッド
『三部作』
ネゼ・セグイン指揮、パトリシア・ラセット、ゼリコ・ルチーチ、サイミール・ピルグー、
ジェニファー・チェック、ドナート・ディステファノ
『ホフマン物語』
レヴァイン指揮、シャー演出
ローランド・ヴィラゾン、アンナ・ネトレプコ、エリーナ・ガランチャ、ルネ・パペ
『影のない女』←演目自体が取りやめになり、『エレクトラ』に差し替えられました。
ルイージ指揮、デボラ・ヴォイト、リンダ・ワトソン、ジル・グローヴ、ジェニファー・チェック、
ロバート・ディーン・スミス、アラン・ヘルド、ダニエル・スーティン
『ヘンゼルとグレーテル』
アリス・クート/アンジェリカ・キルヒシュラーガー、マイア・ペルソン、
ドローラ・ザジック(魔女役!これは見たい!)、ドウェイン・クロフト/アラン・ヘルド
『カルメン』
(レヴァインの名前が挙がっているものもありますが微妙です)指揮、ボーン&エア演出
アンジェラ・ゲオルギュー、ロベルト・アラーニャ、
バルバラ・フリットリ/マイヤ・コヴァレフスカ、マリウス・クウィーチェン
『スティッフェリオ』
アンドレイ・ドバー(のろまな男)
『シモン・ボッカネグラ』
レヴァイン/ジャクソン指揮
プラシド・ドミンゴ(指揮でなく、歌で。ほっ。)、アドリアンヌ・ピエチョンカ、
ニコラ・アライモ
『ムツェンスク郡のマクベス夫人』←演目自体が取りやめになりました。
ぺトレンコ指揮
クリストファー・ヴェントリス、ウラディミール・オグノヴェンコ、ニーナ・シュテム
『連隊の娘』
ディアナ・ダムロー/二コール・キャベル、フアン・ディエゴ・フローレス
フェリシティ・パーマー、アレッサンドロ・コルベリ
『ラ・ボエーム』
ルイゾッティ指揮
アンナ・ネトレプコ、ローランド・ヴィラゾン、
ジェラルド・フィンレー/ジョージ・ぺティン、マッシモ・カヴァレッティ、
二コール・キャベル/ルース・アン・スウェンソン(ルース・アン姉さんをムゼッタで??えー!!??)
『アッティラ』
ムーティ指揮、アウディ演出
ヴィオレッタ・ウルマナ、ラモン・ヴァルガス、カルロス・アルヴァレス、
イルダル・アブドラザコフ
『鼻』
ゲルギエフ指揮、ケントリッジ演出
パウロ・ゾット(大丈夫か?!)
『ハムレット』
ラングレ指揮、コーリエ&ライセル演出
サイモン・キーンリサイド、ナタリー・デッセイ/マルリス・ペーターセン、
ジェニファー・ラーモア、ジェイムズ・モリス
『アルミーダ』
フリッツァ指揮、ジンマーマン演出
ルネ・フレミング、ローレンス・ブラウンリー、エリック・カトラー、
フアン・マニュエル・ザパタ
『さまよえるオランダ人』
大野和士指揮、牛太郎(ユーハ・ウーシタロ)、デボラ・ヴォイト、
ヨハン・ボータ/ステファン・グールド、ハンス・ペーター・ケーニッヒ
『ベンヴェヌート・チェッリーニ』←演目自体が取りやめになりました。
レヴァイン指揮
イザベル・バイラクダリアン、マルチェッロ・ジョルダーニ、カリン・デシェイエス、
ピーター・ローズ、ピーター・コールマン・ライト
『ルル』
レヴァイン指揮
マルリス・ぺーターセン、アンネ・ゾフィー・フォン・オッター、
ジェイムズ・モリス、ゲイリー・リーマン
『ヴェルサイユの幽霊』←演目自体が取りやめになりました。下の文章参考。
スラットキン指揮、アンジェラ・ゲオルギュー、トーマス・ハンプソン、ケイト・ロイヤル、
クリスティン・チェノウェス、ロデル・ロセル
ここしばらく、経済状況の悪化にともない、2009-10年シーズンに予定されていた
演目の数が減るのでは?とささやかれており、
削減される演目の数は4演目であるという具体的な数字までとびかう始末。(あくまで噂であり、
また新演出のみにあてはまるものか、全作品に当たるものなのかも不明です。)
上の演目中、どれがその4つにあたるか、ということを予想したりする人もあらわれましたが、
11/13付のNYタイムズの記事によると、
とりあえず、『ヴェルサイユの幽霊』がリストラ対象に抜擢されたようです。
ただし、この演目では、新演出の費用(まあ途中まではもう進んでしまっているでしょうが、
一部だけでも、、ということでしょう。
ただし、永久に新演出をあきらめるわけではなく、
あくまで延期という風にゲルプ氏は考えている、という説もあります。)
をカットすることが目的のようで、
出演予定だったゲオルギューやハンプソンをそのまま立てて『椿姫』の再演に変更したようなので、
今のところ、上演される演目の数そのものは減ってはいません。
そして、『ヴェルサイユ』の残りのキャストはどうなるのか、、?ということは聞かないでほしい。
なぜなら、私にはわからないから、、。
また、ゲルプ氏は、”演目を交換することでコストのセーブにならないか検討中”、
また、再演ものも、”お金をかけないプロダクション(やだ~!こんな言葉、メトらしくない~!!)
で代替することも考えている”そうです。
さて、上のリストで、つい名前を見て一言漏れてしまったびっくりなキャスティングについては、
その言葉を( )の中に書きましたが、
中でも、ルース・アン姉さんがムゼッタを、そしてネトレプコがミミを歌う『ラ・ボエーム』、
これは数年前までなら逆のキャスティングだったわけで、こういうのを見ると、
ちょっぴり悲しくなるのは私だけでしょうか?
また、先日のタッカー・ガラでのマイクなしでの生声を聴くに、
とてもメトなんかでオペラを歌えるスケールがあるようには思えない、
”南太平洋な男”パウロ・ゾットが、ゲルギエフ指揮の『鼻』に出演するのが、
興味深くはありますが、大丈夫か~?と不安を感じさせます。
私個人的にとても観たく、絶対にリストラ対象にしてほしくないのが、
マシュー・ボーンとリチャード・エアが演出をする『カルメン』。
そろそろ、ゼッフィレッリの演出を取り替えてもいい頃だと、私も思う。
それから、ドローラ・ザジックが魔女役を歌うという『ヘンゼルとグレーテル』、この二本でしょうか?
私がなんだかんだ言わなくても、絶対にリストラ対象にならない安全演目は、
一部の歌のクオリティはとりあえず置いておくとして、
ネトレプコ、ガランチャ、ヴィラゾン、パペの『ホフマン物語』。
これはきっとこのシーズンのドル箱商品として、ゲルプ氏が死んでも離さない勢いで
しがみつくに違いありません。
現在の『セヴィリヤ』の演出で知られるシャーの演出も期待できると思います。
このリストを見る限り、一番どうでもいいのは『スティッフェリオ』(ヴェルディよ、すまん!)です。
後は選べない、、。
これはゲルプ氏にとっても辛い選択なことでしょう。
さて、以前からメトのサイトに、Ask Figaroというコーナーがあったのはご存知でしょうか?
架空のフィガロという人物(当然のことながらメトのスタッフ)が、
オペラにまだなじみの薄い観客のために、いろいろアドヴァイスをくれるコーナーなのですが、
なんと、このフィガロがヴィジュアル化されてしまいました(上の写真がそう)。
まるで、警視庁のピーポくん並みの扱いです。
しかし、ピーポくんと違うのは、全然かわいくないこと。こんな腹に一物ありそうなフィガロ、やだ。
しかも、この四角い顔は一体誰をモデルにしたんでしょう?
っていうか、こんなイラストに金を使う余裕があったら、”お金をかけないプロダクション”とやらに
注ぎ込んでほしいもんです。
一応お勉強も始め、それなりに音楽も嫌いでなくなってきました。(変な表現で申し訳ありません)
余り聞かない演目なので、収益が・・・。心配です。
東京のウィーンフィルのコンサートでも少しですが空席がありましたし、先日の別のコンサートではS席がスッコーンと空いて、その後ろの列から埋まるという現象も。メトの入りそのものは悪くないのでしょうか?
初めてメトで見た「トゥーランドット」の煌びやかなセット・「ファウスト」の賑やかなセット。新演出では舞台の上が簡素になるのでしょうか?
それはそれで悪いことばかりではないのでしょうが、ヨーロッパで見られるように、セットがソファーだったり、階段だけだったりは
いやー、本当に予測不能ですね。
おっしゃるように、演目カットを考えている理由が理由なので、
収益が出る演目なのか、というのも、大きな要因になってくると思います。
このリストは本文でも書いたとおり、公式のものではないので、
100%正しいとはいえませんが、演出家の名前が入っているものは、
新演出であるように見えます。
ただ、『ヴェルサイユ』については、演出家の名前が入っていないので、既存演出かな、と思ったのですが、
NYタイムズの記事では新演出のコストをカットしたい云々ということが書いてあって、あたかも新演出であるような印象を持ちました。
実のところはどちらなのか、よくわかりません。
トスカ、ホフマン、カルメン、ハムレットあたりは
新演出ものの中では堅そうなので、
そうすると、『死の家から』、『アッティラ』、
『鼻』、『アルミーダ』が残りますね。
最後の三つのどれかは特にやばそうかな、、と思いますがどうでしょうか?
それ以外の作品では、同じ稼働率という理由で、
『影のない女』、『スティッフェリオ』、『ベンヴェヌート』あたりにあやしい匂いが漂っていると個人的には思います。
『トゥーランドット』は、新演出ではなく、
ゼッフィレッリの演出がそのまま使用されるのではないかと思いますので、あのきんきらきんがまた見れると思います。
『ファウスト』は『劫罰』の方で、今年のルパージの演出を継続して使用するはずです。
「魔笛」に予定されているのはクーマイヤーとございますがひょっっとして私の好きな、キユーマイヤー??メチャ日本語読みです。
彼女もメトに出ていたなんて。来年もいつ行こうか悩みそうです。
でも、チケットが戻ってきたのか、売れていないのか
土曜日にTVで、「リゴレット」を放送しました。ダムラウの美しい歌唱が光りました。丁度4月のチケットを購入していたので、「誰が歌うんだ?」と見たら、彼女。2回見れるのですが、未だ1回しか取ってない。慌ててチケットの売れ行きを見ましたら殆ど空いています
「ガラ」で皆さん燃焼しつくすのでしょうか。1月と4月のメンバーが合体すれば人気が出たのかもしれませんね。TVでは、日本語訳もなかなかでフローレスが、とても上品なマントバで、本当は1番「メトがしたかったんだろうな」と思いながら見ていました。しかし、イマイチ、ジルダの気持ちがわからないのです。私も1人っ子です。父の気持ちは、痛いほど感じて育ちましたから・・。その辺をクルザックと演出家がどの様に表現するのか?マドカキップさんの鋭い観察を期待しています。
クーマイヤー=キューマイヤー、きっと同一人物ですね。
私は彼女はまだ実演で聴いたことがありませんので楽しみです。
メトはとにかく有名歌手をつれて来る作戦ですので、
歌手目当てで見たい!となると、ほとんどひっきりなしに見たい公演が出てきてしまいますね。
ダムラウ(私は普段ダムローと表記してしまってます)は、
技術はすごくある人なんですが、
いまいちパンチのある公演に出会えないでいます。
技術に神経が行ってしまってあまり冒険してくれないのが唯一の、
しかし大きな不満です。
『リゴレット』は私の大好きな作品の一つ。
おそらく今年も演出はメトでは歴史ある演出の一つになってしまったシェンクのもののままだと思います。
このプロダクションは何度も見た事がありますが、
カレイヤ以外、この作品では初めて聴くことになる人がほとんどのキャスティング。
私も楽しみです。
しかし、今、メトのサイトを見て愕然、、。
一番楽しみにしていたルチーチが、リゴレット役を降りてる、、。
そんなあああああーーーーっ!!!
今、録画したドレスデンの「リゴレット」を見ているところで、ルチッチがリゴレットなのですが、もうすぐMETで歌うんだよね~と思っていたのでビックリです!
なぜ!?
3月の12日からは「誰も降りてはならぬ」禁止令を・・・
娑羅さん、
昨日は、ルチーチが出演するはずだった前半の日程がすべてTBAになっていましたが、
今見ると、シーズン初日(観に行きます)はフロンターリに決定してしまったようです。
初日と日程の後半のフロンターリをのぞいては、
いまだTBAです。
日が迫っているのに一体どうするつもり?!
もう私はルチーチのリゴレットを楽しみにしていたので、
大ショックです。
今年はマントヴァが3人のテノールで歌われるので、
それぞれチケットを買ってありますが、
これ、全部リゴレットがフロンターリだったら、
がっくりです。
ゆみゆみさん、
恐ろしいですよねー。
いきなりですからね。(だってもう初日10日前ですよね。)
がっくりです。
本日その事業仕分けを審議する会議が行われて全体のうちの前半戦が終了したそうです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091119-00000619-san-pol
まず今回の事業仕分けによる予算削減は新国だけではなくスポーツ分野や開発分野からも削減されるらしく、
さらにそれでも足りないと分った国は独立行政法人に与えた基金の無駄な部分を返せと言っているらしいです。
(実行するぶんにはいいですけど)
この一大事は民主党が公約に掲げている「子供手当て」や「高速道路無料化」などを実行のための予算を確保するためのようなもので選挙前は予算はあると明言していたくせにいざとなれば結局これですよ・・・
そもそも事業仕分けって無駄な事業や類似性のある事業の見直しをすることですよね。
それでただでさえ金の入らない新国や国立大学の研究やスポーツ関係の予算から搾り取るなんておかしいですよ(怒)
まあこれはまだ”案”の段階ですしメディアを通しての話題ですから実際は国が何を意図しているのかは不明ですが、
オペラへッドとして新国の予算が減らされるなんて聞いたらカチーンと来るのは当たり前ですよね?
もしこれが実行されて来シーズンのマクヴィガー演出のトリスタンが四角い黒い部屋にソファーが一つなんて地味な舞台装置になったらそれこそストライキですよ(笑)
(自分に政治経済の詳しい話なんて分りませんのでそれは違う!という意見もバッチコイです。)
添付して頂いたリンクだけだと、
特に新国の名前は出ていないように思うのですが、
別にそういうニュースが出たんでしょうか?
これを読む限りは、この計画には、
事業の内容が重複しているものを削るなど、
いくつかの条件、クライテリアがあって、
新国は必ずしもそれにはあてはまらないように個人的には思うのですが、、。
だって、大体、日本には他にオペラに特化した劇場がないじゃないですか。
けれども、また、新国は新国で、国の援助をあてにするメンタリティは
少しずつでも変えて行く必要があるかもしれませんね。
世界のメジャーな歌劇場すらお金のやりくりには苦労し、
色々工夫している時代ですから、、。
それから、なんと言っても観客です。
劇場でかかる公演を見せてもらう、という姿勢だけではなくて、
出来る範囲内でサポート出来ることをする、
それをしてはじめて、自分たちの劇場という認識が出てくるんだと思います。
それから、仮に入ってくるお金が減少した場合、
劇場側はどういう風にその痛みをアロケートするか、
つまり、どこを削るのか、どこのクオリティを下げるのか、
慎重になる必要があると思います。
私は例えばメトで言うと、
くだらない広告費や今の経済状況には見合わない新演出の多さを調節することで
そういう部分を吸収すべきで、
スタッフの収入をカットすることよりも、
まず、そちらを先にやるべきだと思っています。
というのは、裏方、オケ、合唱、
こういう部分のクオリティが一旦下がってしまうと、
それを元に戻すのは本当に大変な作業になると思うからです。
こちらでどうぞ。
http://www.cao.go.jp/sasshin/oshirase/h-kekka/pdf/nov11kekka/3-4.pdf
鳩ぽっぽはオペラよりミュージカルや宝塚の方がお好きらしい?