ルーマニア・ランニングライフ★Romania Running Life★

ダーリンはルーマニア人、マラソンシューズ゛と共に過ごす首都ブカレストでの日々。東欧の神秘ルーマニアを探索中+ラン遠征。

メーデー~冷えたビールが取り持つご縁

2009-05-01 | ルーマニア・わたしの日常


先のエントリーからの続きです。
 
天気もいいし盛り上がる「BBQミチ&ビール」のイベント会場。ちょうどお昼時で、炭火で焼くミチの芳しさもお腹の虫をぐうぐう言わせます。マイダーリンはこんな日も午後から仕事。24時間365日体制なので致し方なし。会場をひとまわりしただけで「Have a good time !」と言い残し、仕事に行ってしまったのです。



一人残されたワタクシ・マドモワゼル、「ミチ&ビール」のタダ券もゲットしたことだし、BBQ屋台の行列に並んでみようかな~。後のほうは横3~4列でそれなりに並んでいるけれど、前に行くにつれて人の群れが膨らみ、BBQの「お渡し口」はこれまた人だかり。割り込みをせず、列の一番後ろについて「コンニチハ!」、とりあえず周りの人にご挨拶。一人だし、ちょっと恥ずかしかったりします。

で、並ぶこと、ものの数分で戦列離脱。ミチは合挽き肉のBBQ、中まで火を通すのに時間がかかるし、生焼けはこのご時勢、御免こうむります(=豚インフルエンザ!ルーマニアには未上陸でも、ね。)。

BBQ屋台はたくさん用意されているけれど、どの屋台も相当な人だかり。そこらあたりをぐるりと廻り、もう一度先ほどの屋台まで戻ってくると、私が離脱した後、さらに7~8人が並んでいます。でもこの列が一番、「ほっこり」(=穏やかに並んでいる)しているし、もう一度並ぼうかな~。

2度目に並ぶので、又一番後ろにつけると、さきほど並ぶときに挨拶しておいたおじさんが、「ここまでおいで、アンタ、さっき並んでいただろう。」と、手招き。ありがたく数人を抜いておじさんの元に到着、後ろの人たちは何にも言わず、認めてくれました。

おじさん、ひとりで何かしゃべってくれるけれど、余りにも早口なので付いていけません。分かった風をしてうなずくしかないです。そうしていると、おじさん、「ちょっとそこまで行ってくるから、この場所、確保しておいて。」と言い残し、列を後にしていきました。

まあいいや、さっき私を入れてくれたおじさんだし。ひとりになり待つことしばし。戻って来たおじさんの手には、飲みさしの「Timisoarana(ティミショアラナ)」(=ビールの銘柄)。あれ?ここのイベント会場は「Golden Brau(ゴールデン・ヴラウ)」のビールしか扱っていないはず(=チェック済み)。

「どこで買ってきたんですか?」~喉が渇ききったワタクシ、瞬時にお尋ねしてしまいました。日差しも強く気温も上がる中、おじさんの缶ビールには露が浮いています、つめたく冷えているに違いない!

「ここは混んでいるから、外の店だよ。公園を出て、道を渡って、その次を左へ曲がって・・・」~判りにくそうな顔をする私に、「よっしゃ、連れて行ったるわ。」(=大阪弁で話すわけはないけど→そんな感じでした)。

さらに隣の人に「ちょっとこの子とそこまで行ってくるから、この場所、確保しておいて。」、隣の人も「わかった、行っといで。」(=同じく、大阪弁で話すわけはないけど→そんな感じでした。)

冷えたビールを確保して公園に戻るとき、「あんた達、これから公園に行くの?BBQのタダ券、あるけど。」~もしかして売ろうとしているのかな、と一瞬構えたけれど、気前よく全部で3枚、もらいました。

「おひとり様、チケット5枚まで有効」のルールがあり、おじさんはすでに5枚を手にしていたので「3枚は全部あんたのものだよ」、先にもらった1枚とあわせて4人分のミチ・セット券がころがりこみました~こりゃ、待ち時間かかっても、是非ゲットしておうちに持って帰ろう!

勇んで戦列復帰。元の場所に並んでからプシュッと開け、おじさんに向かって「乾杯!」、勢いよく飲み始めた私に後の若い男の子、クスッと笑っていたみたい~そんなこと気にするマドモワゼルではありません、この際。

すっかりおじさんと意気投合、「どこから来たの?」「ここに住んでいるの?」「仕事は?」、日本で仕事をしている、と答えると「お給料、なんぼ?」(=いくら?、大阪弁で話すわけはないけど→そんな感じでした)。周りの人も混じってきて、これまたジャパンのプチ・プレゼン

このおじさん、もう一人おばさんとも仲良くなっていて、協力して列に並んでいるみたい。ずっと立ちんぼうは疲れるので、テーブルといすを確保して交代で並んでいるのです。おじさんはティムおじさん、おばさんはジーカおばさん、と言います。

周りの人も実に辛抱強く、でもイライラもせずに並んでいます。どちらかと言うとわたしの周り、中高年の人が多かったです~社会主義の時代、食料は配給制、きっとこんな風にして列を作って何時間も並ぶこともあったのだろうな、と。

テーブル席を確保していたティムおじさん、「お~い、ふたりとも、こっちへおいで。(周りの人に)ちょっと離れるからココ、確保しておいて。」、気軽に言い残してジーカおばさんもわたしもティムおじさんのところへ。


おじさんが確保していたテーブルには数人の男性がやってきていて、ミチ&ビールの山。「一緒に食べよう、さあどうぞ。」、どこのどなたか存じませんが、お言葉に甘えてありがたくいただくことにしました。

この男性達、Tシャツではなく赤のポロシャツを着ていて、どうやらこのイベントの関係者のようです。ここでもまた話が弾み、みんな、日本のことを良く知っています。「エンペラー・ヒロヒト(天皇)」「エンペラー・アキヒト」」、「その奥さんはミチコっていうのよね。」とジーカおばさんも博学。

私のルーマニア語が英語混じりになっているのを聞いて、「あんた、英語、話すのかい。わたしは英語の先生なんだよ。」、年齢を聞いてみると57歳。「共産主義時代は、ロシア語を習わされたと聞いていますが。」~わたしも尋ねてみました。1960年から英語教育が行われていたそうです。なるほど。



ミチをたらふく頂きビールも進んで、ティムおじさんもノリノリ。手にしたタダ券はどうするのかなあ、と思っていたら、「さあ、そろそろ順番だよ。」、わたしたちは再々々度、戦列復帰。「列を確保しておいてくれてありがとう、ここ、僕たちの順番だよ。」というティムおじさんに周りの人も何も言いません。「おいおい・・」とつぶやきながら黙って入れてくれるのです。 



ジーカおばさんも5人前のタダ券を持っていて、飲み物もセットでゲット。「これ、持って帰るんだよ。」~みんな、考えることは同じ。ちゃんとビニール袋持参。わたしも買い物用にレジ袋とコットンのエコバッグを持っていたので、荷物が増えても安心。



空模様が少し怪しくなってきて、「雷が鳴ったら、高い木の下に逃げるんだよ。」「雨が降ったら、そこのトイレの中に逃げ込めばいい、ちょっと香りがよすぎるけどね。」~二人とも実におおらか。



そのうちに本当に雨粒が落ちてきて、それは土砂降りのにわか雨となり、イベント会場のほとんどの人は急ぎ足で公園前の地下鉄駅へ。用心深く傘を持っていたジーカおばさんにさよならを言って、一緒に駆けて来たティムおじさんとは駅構内の雑踏で離ればなれになり、私はそのまま家路へ。

「夜まで、このイベントは続くのさ。夕方からはディスコティックになるのさ。」と言って楽しみにしていたふうのティムおじさん、楽しい半日をありがとう。

今日の考察:
文中にも描きましたが、いつ順番が回ってくるとも定かでない列に、実に辛抱強く並ぶようす、特に穏やかに並んでいた中高年の人たちを見ると、ルーマニアが共産主義時代だったころの配給制がしのばれるのです。

その時代、秘密警察が暗躍する中、人々は協力しあって生活していた、といいます。列に並ぶときに「場所を確保しておいて。」と前後の人に言い残し、それが3時間以上に及ぶ順番並びの中でも認めてもらえるなかに、汲み取るものがあります。

二人の名前:
ジーカおばさんは、正しくはジョルジカ。「でもみんな、ジーカと呼ぶのよ。」と。「あと3年は働くわよ。」と現役。

ティムおじさんはノリノリで、お名前を尋ねるタイミングを逃してしまいました。最初に手にしていたビールが「ティミショアラナ」なのでここから私が命名。54歳ですがすでに年金生活。「仕事はきつかったから、50歳で退職したのさ。」と。お元気にお過ごし下さい。

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メーデーのお祝い~BBQとビール

2009-05-01 | ルーマニア・ブカレストの日常


5月1日のメーデー、ルーマニアでは社会主義の時代から「労働者の日」として祝日になっていて、街をあげてお祝いします。ここで欠かせないのが、バーベキュー・ミチ(スパイシーな挽肉細長団子のBBQ)とビール(mici si bere)。山でも海でも、ミチ&ビール。
 
イズボール公園に屋外特設会場が設けられ、バーベキュー・ミチがやってくるというので、天気もいいしマイダーリンとお昼ごろ、お出かけ。
 


地下鉄の駅を出るところから、ミチを焼くジューシーな香りが漂ってきています。公園に入ると、煙もくもく。たくさんの人が続々詰め掛けています。
 


赤のキャップやTシャツを着ている人が多いけど?~このイベントのスポンサーは「PSD」(=ソーシャル・デモクラティック党、赤色がパーティ・カラー)、午前中に会場で配られた様子。
 


大きな旗を持っている(持たされて喜んでいる?)子供も居て、今年秋の大統領選挙を睨んだ宣伝イベント。
 


うろうろしていると、超VIPに出会いました、党首さまです!「ほら、前に行って、何かしゃべってきたら。」とマイダーリンに押され、「日本から来ました、ミチとビールをありがとう、選挙戦、がんばって下さい!」~がっちり握手、前にはたくさんの報道陣がいるしTVカメラも控えています。またルーマニアのテレビに流れるかな、日本人?
 


こんなおしゃれをしているおじいさんも居ますよ、3色のルーマニアカラー。
 


屋台でのお値段は、ミチ1.5レイ&ビール(500ml缶)2レイ。さらに会場でフリーチケットが配られています。が、この人だかり。とてももらえそうにないけれど、人の山に近づいていくと弾みで中に押し入れられ、係員の際に入り込み、目が合いました。

たくさんの人がチケットをもらいたくて手を伸ばしている中、わたしがよっぽどひもじそうに見えたのか(?)、係員のお兄さん、わたしの手の中に一枚、握らせてくれました~ラッキー!


 
マイダーリンもチケットをもらおうと人の山に近づきますが、とっても無理。午後から仕事もあるし、屋台で並ぶ時間もありません。「ジプシーも多いから、荷物に気をつけて、ゆっくり楽しんで。」と言い残して、仕事に行ってしまいました。
 


フリーチケットは一人前=「ミチ4個・ビール・ジュース」、これって10レイ(約350円)くらいのもの。BBQ屋台も黒山の人だかり。どうしようかな、並ぼうかな~一人になってしまったし、退屈かな~??
 


ここからわたしは4時間半をここで実に愉快に過ごし、4人前のミチ・セットを持って帰ったのでした~(大阪のおばちゃんぶり、発揮?!?)どうやってゲットしたのかは、次のエントリー「冷えたビールが取り持つご縁」で。
 
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オープン参加を直談判

2009-05-01 | ルーマニア・ランニング事情

 
明日土曜日は、ルーマニア・マスターズ連盟主催の10キロ&ハーフマラソン大会。でもこの大会、全ルーマニアの選手権大会なので、外国人は参加資格なし。これで引き下がるのはワタクシ、マドモワゼル、ちょっと残念。
 
マスターズの年齢枠(男子35歳以上・女子30歳以上)以外のルーマニア人選手がオープン参加していることを知っているので、外国人もオープン参加させてもらうべく、マスターズ連盟の会長さんに直談判。(マイダーリン、「ちょっとこの子を走らせてあげて。」などと身内の便宜を図ってもらうことを人に頼んだりすること、苦手なのです)
 
会長さんに年齢の近いニック(マスターズ60歳以上の部の登録)が英語を話すので手伝ってもらって&会長さんには何度もお目にかかっているし、即答で許可が出ました。

「どっちを走りたいの?10キロかい?ハーフマラソンかい?」
「ハーフマラソン、お願いします。」(~ペース走代わりのいい練習になります)
「ところで、ハーフマラソンの距離を知っているのかい?」

当たり前です、こちとら、ランナー暦14年目。「21キロと、9百7十5。」、あれ、微妙に単位を間違えたみたい、正しくは21キロと97.5メートル。975メートルではありません。

でも、私がルーマニア語で一生懸命答えるのを聞いて、会長さん、「良し!9・7・5、だな。」~いつもご挨拶はしますが、直接お話したのはこれが初めて。口頭試問に無事合格(?)し、初の外国人オープン参加を認めてもらえました。
 
目標はイーブンペースで1時間50分。距離表示がないのでペース配分難しそう。でも、がんばろ~っと。

一番上の写真、マスターズの陸上競技選手権大会。わたしはサポーター。

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花盛りのリリアック

2009-05-01 | ルーマニア・ブカレストの日常

 
先月の初めごろから街角でずっと楽しませてくれる紫と白のこの花。リリアック(liliac)と言います。公園や街区、ブロックハウスの前庭にも咲いていて、顔を近づけるとほのかな香り。
 


ある晩、近所に出かけていた弟さん、両手に余るくらいのリリアックを持って帰ってきて「はい、ヒロコにプレゼント!」~でもこれ、街区から手折ってきたもの。本当は駄目だけど、花泥棒は罪なし、と言うし。こんな心優しい弟さんなのです~サンキュ! (弟さんのイメージイラストはこちらから)
 
郊外から大量に採ってきて、露天商している人も。採ってくることも道端で物を売ることももちろん禁止だけど、買っていく人もいるし、町を巡回するお巡りさんも取り締まりません。それだけこの花がたくさんある、ってことかな?



アンティークマーケットで見つけた古びた額縁の中にもこの花。
 
今日から5月、メーデーのこの日はルーマニアでは祝日、週末にかかり3連休。山や海に繰り出す人、公園でのんびり楽しむ人、いろいろ。



このあと街区の紫色は藤棚に主役を移していきます。

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