ルーマニア・ランニングライフ★Romania Running Life★

ダーリンはルーマニア人、マラソンシューズ゛と共に過ごす首都ブカレストでの日々。東欧の神秘ルーマニアを探索中+ラン遠征。

トメスク選手から若手育成へ

2008-08-21 | ルーマニア・ランニング事情
 

ルーマニアのラン仲間とトメスク選手のことで盛り上がっています。ルーマニアではコンスタンティナと名前で呼ぶのが一般的、または愛称でPusaと呼ぶ人も居ます。彼女自身はトレーニングの拠点がアメリカなので、ルーマニアのラン友はなかなか直接会う機会も無いそうです。
 
一人、昔、トメスクと一緒のチームだった、というのはブカレストNo.1ベテランのステファン。「そのときのコーチは彼女の才能を見抜けなかった、だから彼女は別のチームに移ったんだ。」と。
 
1990年代までは彼自身も年間を通じて職務免除を受け、ハイレベルをめざしてトレーニングをしていたそうです。今年40歳になった彼は、今ではマスターズのレベルで活躍、マスターズ世界選手権でブロンズメダルを2度、獲得しています。マスターズの年代別記録も持っています。
 
また、ルーマニア選手権で彼女と一緒に走った、という女性ランナーもいます。彼女はいまやルーマニア・マスターズの長距離ナンバーワン、いま37歳。
 
でも、マスターズといえば「生涯楽しく同年代の人と競技する」がモットー。5歳刻みの年代別クラスわけの中で競技します。オリンピックのレベルとは別次元のものです。

今回ルーマニアの女子マラソンメンバーは全員30歳代、リディア・シモン選手もこの10年間以上世界のトップクラス。ルミニッツァ・タルポシュ選手も2007年4月のウィーン・シティマラソンでマラソン初優勝を飾った選手。このときの記録は今回とほぼ同じ、2時間31分台。そんな中でも最年長、38歳のベテランのトメスク選手、今でも世界の第一線、息の長さに敬服です。
 
ただ、心配なのは若手が育ってきているのか?ルーマニアでは国家をあげてスポーツ選手を育成しています。が、社会主義時代に国威掲揚をかけて育成するシステムになっていたスポーツ選手、また貧困から抜け出すためにオリンピック体操選手を目指して娘を体操教室に通わせる親、そんな構図がなくなり、国家養成選手の待遇も変わってきています。

「若手が育っていない。」と指摘されても、「国はスポーツのために予算を廻さなくなった。」と嘆きが聞こえてきます。設備や環境や育成システムが整うこと、これも大事なことなのです。

システムが根幹から変わってしまう社会主義崩壊から19年、ルーマニアの獲得メダルは金4、銀1、銅3。これは多いのか少ないのか?こんな指摘もあります。
>旧共産圏の国、ウクライナ(11位)、ベラルーシ(16位)、ルーマニア(17位)などは、経済力は低くてもメダルランキングの20位以内に入ってきている。



社会主義の時代には、公園でジョギングをしていると「そんな暇があったら、家の片付けでもしなさい。」と言われるほど、市民レベルへのスポーツ行政の取り組みは皆無だったといいます。まずもってみんなが気軽にスポーツを楽しめるようになって欲しいものです。この国のランニングブームはまだまだ、底辺拡大から

一番上の写真はルーマニア陸上競技連盟のエンブレム。
2枚目は、ヨアンダ・バラシュ陸上競技場での一枚。この公認スタジアムは一般による一時利用も出来ます。


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