NEST OF BLUESMANIA

ミュージシャンMACが書く音楽ブログ「NEST OF BLUESMANIA」です。

#265 ロニー・ウッド&ボ・ディドリー「Who Do You Love」

2013-04-28 12:04:30 | Weblog
#265 ロニー・ウッド&ボ・ディドリー「Who Do You Love」(Live At The Ritz/Victory MUsic)

ストーンズのギタリスト、ロニー・ウッドとボ・ディドリーの共演ライブ盤(87年)より。ボ・ディドリーの作品。

このふたりについては説明不要だろう。ロックンロールのパイオニア、ボ・ディドリーと、彼に強い影響を受けたロニー・ウッドの師弟共演である。

きょうの一曲は、そのライブのラストを飾る7分余りの大熱演。ボ・ディドリーのあまたある作品の中でも、とりわけカバーバージョンの多いナンバーだ。

たとえば、ストーンズ、ヤードバーズ、クイックシルバー・メッセンジャー・サービス、グレイトフル・デッド、 UFO、ブルース・プロジェクト、ドアーズ、ゴールデン・イアリング、ロニー・ホーキンス&ザ・バンド、ボブ・シーガー、ロリー・ギャラガー、サンタナ、ドアーズ、ジョージ・サラグッド、ファビュラス・サンダーバーズといった具合。60~70年代のロックバンドは、一度は演奏したことがある、そんなスタンダードなのだ。ボ・ディドリーには他にも「I'm A Man」「Road runner」といった同様の定番曲がいくつもある。

日本では英米と違ってボ・ディドリーの人気は今ひとつなのだが、これらバンドのいずれかのカバーバージョンを聴くことで、彼の存在を知った、なんてリスナーは多そうだ。筆者も、CCRの「Before You Accuse Me」を聴いて以来、彼の名前を覚えたものだ。

さて、異様なまでのハイテンポで演奏されるこの曲のどこに、多くのロックミュージシャンたちを引きつける魅力があったのだろうか。

曲の構成は非常にシンプルだ。ほぼワンコードでひたすらアップテンポ、そして歌詞も単純明快で、後半はずっと「Who Do You Love」の繰り返しに終始。これゆえに、麻薬的とさえいえる強力なグルーヴが生まれているのだ。

そう、メロディの魅力というよりは、ビートの牽引力が、この曲のすべて。

彼が作るジャングル・ビートの曲にしてもそうなのだが、とにかく聴いているだけで体が動き出してしまような、ダンサブルなリズム、これがボ・ディドリー流なのだ。

ワンコードながら爆発的にヒットしたレッド・ツェッぺリンの「胸いっぱいの愛を」などは、この流れで生まれてきたナンバーといえるね。

なお、曲中のドラムスはボ・ディドリーが叩いている。熱唱しながらのパワフルなドラミング、お見事のひとことである。

ボ・ディドリーは2008年に79才で亡くなっているが、晩年まで枯れることなく、トレードマークの四角いギターとともに、生涯ロッカーを貫いた。

オーディエンスを「ノセる」ことにおいて右に出るもののない稀代のロッカーと、その愛弟子。ふたりの生み出す、このうえないビートに打ちのめされてくれ。

この曲を聴く

音曲日誌「一日一曲」#1~#100 pdf版もダウンロード出来ます

音曲日誌「一日一曲」#101~#200 pdf版もダウンロード出来ます

本家はこちらです

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 1年前の記事シリーズ 162 | トップ | 4月28日(日)のつぶやき »
最新の画像もっと見る