#112 ジ・エイシズ「Take a Little Walk With Me」(Devil's Music/TV O.S.T./Sanctuary)
今月最後の一曲はこれ。ジ・エイシズのライブより、ロバート・ロックウッド・ジュニアの作品を。
ブルース界における名門バンドといえば、エイシズをおいて他にない、そう言い切れるくらいの存在だが、彼らのスタートは1951年にまで溯れる。
26年生まれのデイヴ(ベース)、29年生まれのルイス(ギター)のマイヤーズ兄弟が、ジュニア・ウェルズとともに結成した「スリー・デューシズ」がその原型であり、さらにドラムのフレッド・ビロウが参加して「フォー・エイシズ」に改名、オリジナル・メンバーが揃う。翌52年、ジュニア・ウェルズをやめさせ、リトル・ウォルターと合流。彼のバックバンド「ナイト・キャッツ」あるいは「ジュークス」という名で活動する。
「オフ・ザ・ウォール」「ミーン・オールド・ワールド」に代表されるチェス時代のリトル・ウォルターの名曲群は、彼らとのコラボレーションから生み出されたものなのだ。
しかし、ウォルターとルイスとの間に確執が生じ、バンドは空中分解する。ルイスは脱退し、残るふたりのメンバーは彼の代わりにロバート・ロックウッド・ジュニアを加えて、レコーディングなどの活動を続けたのである。
70年代に入って、ようやくルイスが復帰、エイシズは再スタートする。それまではアルバム単位のレコーディングなどなかった彼らだが、71年以降、3枚のスタジオアルバムを残している。
今日の一曲は、英BBCで放送されたブルース・ドキュメンタリー番組「Devil's Music」のサウンドトラックより。
ロバート・ロックウッド・ジュニアと一緒に活動していた縁で彼らのレパートリーに加わったこのナンバーは、聴いていただければおわかりいただけると思うが、要するにロックウッドの義父、ロバート・ジョンスンの「スウィート・ホーム・シカゴ」の改作だ。
典型的なミディアム・テンポのシャッフル・ビート。いわばブルースのテンプレートみたいな曲調だが、エイシズの各メンバーが見事に心地いいビートを叩き出している。
格別のテクニックがあるわけではない。でも、このシャッフルの絶妙なタイム感は、ルイス、デイヴ、フレッドの三人でなくては生み出しえないというのも確かだろう。
適当にしょっぱい歌声、カチンカチンとまとまったギター・ソロも、いかにもいかにもという感じで、グー!である。
ブルースとは味わいで勝負する音楽である、ということがよくわかる一曲。彼らのキャリアは伊達じゃないね。
今月最後の一曲はこれ。ジ・エイシズのライブより、ロバート・ロックウッド・ジュニアの作品を。
ブルース界における名門バンドといえば、エイシズをおいて他にない、そう言い切れるくらいの存在だが、彼らのスタートは1951年にまで溯れる。
26年生まれのデイヴ(ベース)、29年生まれのルイス(ギター)のマイヤーズ兄弟が、ジュニア・ウェルズとともに結成した「スリー・デューシズ」がその原型であり、さらにドラムのフレッド・ビロウが参加して「フォー・エイシズ」に改名、オリジナル・メンバーが揃う。翌52年、ジュニア・ウェルズをやめさせ、リトル・ウォルターと合流。彼のバックバンド「ナイト・キャッツ」あるいは「ジュークス」という名で活動する。
「オフ・ザ・ウォール」「ミーン・オールド・ワールド」に代表されるチェス時代のリトル・ウォルターの名曲群は、彼らとのコラボレーションから生み出されたものなのだ。
しかし、ウォルターとルイスとの間に確執が生じ、バンドは空中分解する。ルイスは脱退し、残るふたりのメンバーは彼の代わりにロバート・ロックウッド・ジュニアを加えて、レコーディングなどの活動を続けたのである。
70年代に入って、ようやくルイスが復帰、エイシズは再スタートする。それまではアルバム単位のレコーディングなどなかった彼らだが、71年以降、3枚のスタジオアルバムを残している。
今日の一曲は、英BBCで放送されたブルース・ドキュメンタリー番組「Devil's Music」のサウンドトラックより。
ロバート・ロックウッド・ジュニアと一緒に活動していた縁で彼らのレパートリーに加わったこのナンバーは、聴いていただければおわかりいただけると思うが、要するにロックウッドの義父、ロバート・ジョンスンの「スウィート・ホーム・シカゴ」の改作だ。
典型的なミディアム・テンポのシャッフル・ビート。いわばブルースのテンプレートみたいな曲調だが、エイシズの各メンバーが見事に心地いいビートを叩き出している。
格別のテクニックがあるわけではない。でも、このシャッフルの絶妙なタイム感は、ルイス、デイヴ、フレッドの三人でなくては生み出しえないというのも確かだろう。
適当にしょっぱい歌声、カチンカチンとまとまったギター・ソロも、いかにもいかにもという感じで、グー!である。
ブルースとは味わいで勝負する音楽である、ということがよくわかる一曲。彼らのキャリアは伊達じゃないね。