信州山里だより

大阪弁しか話せないの信州人10年目。限界集落から発信している「山里からのたより」です。

オカンの誕生日

2008年04月21日 23時01分33秒 | Weblog
勤めに出るとどうしても自由になる時間が少なくなり、山里の自然の繊細さや人の営みを伝えにくくなります。前回のブログは、その典型的なもので、行事の紹介だけに終わりました。
時間の流れ、自然の微妙な移ろい、ムラの変化や行事、都会の違いなどなど一つ一つ、一瞬一瞬が珠玉の名品で感動的ですらあります。それらを皆さんに少しでも伝えられたらと両手ですくっているのですが、指の間からこぼれ落ちてしまったり、表現力がなかったり、で…。そのもどかしさに、ため息のつきっぱなしです。ほんの少しでもこの感動を伝えられたらなあ。

ま、一般的にはブログは時系列に書くものです。でも時としてこぼれ落ちたものを拾うこともありますので、時間が行ったり来たりすることがあります。

今日は1週間近く前の4月15日の出来事について。
この日はオカンの誕生日でした。それも大きな記念の誕生日。いろんな人からお祝いの品やメッセージを受けて嬉しそうでした(で、何もしなかったワタシはだんだんと肩身が狭くなる一方)。

さて写真の、バラの花束。
花束がこんなにキレイに見えたのは初めてでした。いいもんですねえ、女性は花束を喜ぶというのが理解できます。
オカンに記念写真を撮っておこうと言ってカメラを構えたのですが、花束を抱えたまま背を向けて、
犬に「ロクちゃん、きれいやろ」、猫に「ハッちゃん、どう?」なんて言うもんだから、仕返しに
「ロク、お母さんキレイやわ、て言ったり」「ハッちゃん、バラが『負けたわ』て言うてる、て言ったり」なんちゃって。

仕方なく花だけの写真を撮りました。

この1週間

2008年04月21日 00時18分34秒 | Weblog
前回は12日の『総役員会』の報告でした。それから1週間。再就職して3週間近くなりましたが、ブログを書くリズムがまだできていません。できるだけ早く、仕事・農作業・ブログのリズムを作りたいと考えています。
『信州山里だより』ですので、とりあえず1週間の行事を箇条書きに。

4月6日は『道普請』でした。降雪や積雪、除雪作業によって荒れた道を直していきます。土除きや邪魔な竹木の伐採など。これには90歳であろうと100歳であろうと出席する義務があり、欠席の場合は『出不足金』を支払わなくてはなりません。半日作業では2,000円。この頃から野良で人を見かけるようになります。私は炭焼き小屋の前で、3人で2時間ばかりおしゃべり。オカンも別のところでおしゃべり。
翌4月7日(月)はJAで農家組合長の会議。各区の組長は、自動的に農協のこの任務を割り振られます。私は仕事の関係で遅れて参加。
いろんな取り決めごとがありましたが、一番大きな仕事は、組員に対して今年度のコメの作付け、出荷についての計画書を配布し、記入してもらってから回収すること。コメの減反割り当てなどに関連している重要なものだそうです。私は表向きにはコメを作っていないので、この用紙は配布されません。

4月10日(木)は『りんご部会』の総会。
『ヤマノブ』ブランドのリンゴの生産や販売の戦略が示される重要な寄り合いです。農協の技術員からも個人的に電話をくれていたのでぜひとも出席したかったのですが、残念ながら欠席。直売を中心とする私は、農協の進む方向とは違った進み方をしているので影響はないものの、出席はしたかった。

12日(土)は前回報告した『総役員会議』

4月13日(日)。千曲(旧の更埴)のアンズの花の見ごろですが、わが地域は『Y神社 春季祈念祭』(通常は『春まつり』と言う)。『五穀豊穣』『地域安全』等々。春は「お願い」、秋祭りは「感謝」ということ。
『S組』組長なので、初めて社殿に上がってお祭りする者の一員となり、詳しく報告する価値のあるものですが、文字通り残念ながら割愛。お神楽(といっても獅子舞のようなもので、島根のようなものではない)の奉納や、青年団のような『七清水会』という団体が、地区全部で十数人の子どもたちのために、おでんやおもちゃを売る店も出していることも記しておきます。
神主さんは千曲の某神社から来ていただき、その費用は2.5万円。2週間後のお寺の大般若祭に来ていただくお坊さんは5~10万円。「神社の方が安いなぁ」とは氏子総代の某さんの弁。この実感のこもった言い方が面白かった。
写真の左、杉のこんもりしたところが『Y神社』。2本の幟がはためいています。氏寺から神輿が出発し、写真では比較的平坦に見えますが、なかなかどうして。登りは歩くだけで息が切れそうになります。ここを昔は担いで、今は軽トラに乗せて。昔は急な階段を担ぎ上げて、今は車のまま神社の境内まで。今の人間はやわくなったと言いますが、若者がいないのです。
すべての儀式が終えれば公民館に行って『なおらい』(※)に参加。今は飲酒に関しては自主規制が厳しく、あまりおもしろくも楽しくもないなぁ、という感じです。
(※)『なおらい』とは酒・肴が出てイッパイやること。

4月15日(火)は『S農家直販』の総会。私も直売所のメンバーの1人ですので参加すべきだったのですが、委任状と農薬の使用についての誓約書を提出して、欠席。
この日あたりは『高遠さくら』の見ごろ。今年は行きたかったのですが…。最寄の「伊那北」駅まで臨時電車も出るのですよ、1便だけですが。

4月18日(金)は『Y公民館』で「土砂災害危険区域指定説明会」が開催。
長野市からの説明会なので出席する予定だったのが、急遽行けませんでした。
事前にもらっていた地図を見ると、いやはや『Y区』の多くが指定地域。わが『S組』は全域。わが家に限って言えば、Yの字のとおり母屋を中心に3方に崩落する危険性あり、と。つまり母屋が3方向に引き裂かれるカタチです。樹木をすべて伐採したとすると、ちょうど犀川に突き出た岬の先端に母屋があるので、さもありなん、と思うようですが、全然。善光寺地震でもここは被害が無く、近隣では一番がっしりしたところに建っているそうで、まずは崩落の心配はなし。某古老の話。「Y区が崩れても、あんたとこは大丈夫」と。
私は幼少の頃から地理が好きでしたし、犀川流域には温泉・冷泉が点在しているので、なぜなのかという地理的興味から参加したかった。

4月19日(土)
午後から、オカンと2人で下仁田ネギの植え付け約80本(まだまだ欲しい)。ネギも地域特有のもの(松本1本ネギやそれを改良した松代1本ネギなど)があるし、またそれらも植えたいのですが、このネギは実にうまい。で、まずは下仁田を、という訳。これは群馬県下仁田が主産地で、ここ信州でも人気です。関西ではどうでしょうか。
そうそう、今年から植え付け方を変えてみました。これは雑誌『現代農業』に載っていたもので、千曲の人が考え出した方法。
いろんな人が、いろんな工夫をしているのに感心しながら、真似たのですが、うまくいくかどうか。
200本の植え付け予定を途中でほっぽりだし、19:00からの安協の会議に参加。
安協とは『長野南交通安全協会 S分会 Y支部』で、私は『S組』の代表として参加。やることは交通安全に関する活動で、例えば春や秋の交通安全週間には横断歩道などに立って街頭指導を行ったり、区内の市道、農道などに一旦停止の白線を引いたり、ガードレールの清掃をしたり、道路に覆いかぶさってくる竹や樹木の伐採など。
活動費は、各家から徴収する500円で賄います。今年は昨年度の残りがあるので、いまのところ徴収の予定はないそうですが…。
そうそう、この安協では一切アルコールは出ません。当然と言えば当然ですけれど。
家に帰って溜まっていたブログを書くつもりが、BSで黒澤明の『用心棒』、続いてジョン・レノンを見てしまって24時を過ぎてしまい、大反省です。

そして本日は『S組』の「山の神」。
午前中に運転免許証の更新に行き、帰宅後すぐに、どんどん大きくなってきている葉ネギ、エンドウ、キヌサヤのまわりの草抜き。葉ダイコン、小松菜、シュンギクを播種。ホウレンソウ、ニンジン、ダイコン、サニーレタスその他数種類播きたかったのですが、14:00「山の神」の集まりへ。
この行事も『Y区』で5組あるうち、2組しか続いていないそうです。
わが『S組』の「山の神」さまは『熊野大権現』。
『S組』公民館の前に5色の吹流しを掲げ、窓には北アルプスの嶺嶺が枯れ木越しに聳え立ち、所々にはヤマザクラが彩りを添えている風景に時折目を移しながら、組の人たちと酒を酌み交わしつつ地域の歴史や日々の出来事のよしなしごとを語り合うゆったりとした時間を共有しているこうした集まりは、経済の世界では0(ゼロ。無価値)。けれど本当に豊かな生活だなぁ、と実感します。
数々の話題、いつかまた。ともかく、もう眠い。

あっ、そうそう。訂正です。前回で『ザゼンソウ』と書いたのは『ヒメオドリコソウ』の間違いです。ゴメンナサイ。これは忘れたらあかんので。


第1回 総役員会

2008年04月13日 07時14分56秒 | Weblog
(今夜は『Y区 総役員会議』。新体制になって最初の会議でした。帰宅が11時過ぎで、その後軽く食事をしパソコンに向かい始めたのが24時前。アップは明日になりそうです)


会議の参加者は、区長、副区長、組長、氏子総代代表、信徒総代代表、植林委員長、消防団部長、監事(監査のようなもの)の計12人。

会議の内容は、
①区長会の報告 ②20年度『Y区』の基本方針について ③年間の行事日程 ④区所有財産の使用料や、出不足金(※)の取りまとめ 等々でした。
(※)夫役に不参加の時に支払うお金。主に道普請や区有林作業に不参加の場合、1日作業の場合は4,000円、半日作業ではその半額を支払わなければならない。ある一定の年齢により免除される夫役もあれば年齢に関係なく課せられるものもあります。

『Y区』の基本方針といっても、この1年間に取り組む理念や運動方針というものでなく、従来から引き継いでいる基本的な取り決めの確認、と言うものです。区費、出不足金、公民館やコピー機の使用料、防犯等の管理、役員手当てなどを決めているもので、その再確認といったところでしょうか。

で私が、長期不在で区費などを徴収できない場合の取り扱いをどうすればいいのか、未収でいいのかと質問しました。というのは、向かいのおばあちゃんが1月のはじめに出て行って、まだ帰ってこないからです。
すると返ってきた回答は、「民生委員に聞くなりそのほかの方法で、本人の今いる場所や家族または親族の居住先を探しだして請求し、徴収する。これが組長の仕事」ということでした。民生委員に聞く? で少々血がのぼり、さらに組長の仕事?それはちょっと違うんじゃないか、ということで少々やりとりしたのですが、これが昔から続いてきたやり方だそうです。

自治会もあった都市部や新興住宅地にずっと住んでいた私にとって、何か釈然としない気持ちが胸の底に残っています。ここに住んで丸4年近くになりますが、初めての違和感です。
今これを書きながら、『区』や『組』の捉え方が都市部の『自治会』や『班』ではなく、もっと強い行政的な権力をもっているものなのかな、などいろいろ考えます。 ともかく『???』です。

で、そのあと少々酒盃があって、終わったのが23時でした。
この4月は行事が目白押しで、日曜日は全部、土曜日も2日間ふさがり、明日は『Y』神社の春祭り。スーツ姿で社殿に参列です。


文字ばかりでツマンナイ、と言う声が聞こえそうですので写真を1枚。
昨年預かったリンゴ園から道向かいのよそ様のリンゴ園を写しました。つぼみも割れて今にも展葉しそうなリンゴの木はともかく、生えている雑草の種類が違っているのがわかりますか?
手前は昨年から1度も除草剤をまかなかったわが園の雑草です。向かいの園地には頂部が紫色の、春の七草とは違う『ホトケノザ』がびっしりと生えています。たった1年で生えてくる雑草の種類が随分違うのですね。
少し離れたところに丸3年間除草剤をまったく使わなかった私のリンゴ園がありますが、もっと違った雑草で、もっと生き生きしています。これはこれで、コマッタちゃんですが。

お向かいは今日(12日の土曜)、除草剤をまいていました。そう、大変なんですよ、草刈りも…。

花の信州へ

2008年04月12日 10時08分51秒 | Weblog
今朝6時過ぎ、玄関を出てふと見上げると、家のサクラが2~3輪咲いているではありませんか!
里(サト)では3、4日前に開花宣言が出されましたが、山(ヤマ)ではまだだなぁ、と思っていた矢先、雨は寒かったものの、このあったか陽気でむせられて咲き始めました。
ここに来た時に植えたウメは今、満開。

サトのコブシ並木も満開。更埴(今は千曲市)のアンズも咲いて、高遠のコヒガンザクラももうすぐ。
通勤途上の犀川に沿った木々からは「きみどり」や「ひわいろ(鶸色)」「わさびいろ(山葵色)」「もえぎ(萌黄)」そして「若草色」その他その他…さまざまな色の芽がびっしりと。まるで淡い緑のベールを樹冠にかぶっているかのようです。

北アルプスだけが真っ白く、強くなった光を浴びた枯野の風景が広がる早春の風景は大好きですが、この芽吹きの季節はなぜか心が浮き立ちます。

我が『S組』ではもう動いている7時過ぎ、配布物を配りにムラを回りましたが、どこもかしこも芽吹き始めています。

今日は朝から嬉しい日です。

※サト、ヤマ。長野や篠ノ井を中心とする善光寺平をサトと呼び、その周辺の中山間地をヤマと呼んでいます。勿論我が家はヤマにあります。

(動画、6時過ぎに撮影したものですので若干暗いです。音はラジオと鳥の声です)

春うらら

2008年04月11日 00時01分16秒 | Weblog
サクラ 咲ク」の便りがあちこちから聞かれる4月。ここ信州も春めくのかなと思いきや、なんのなんの1日、2日と連続でずっと雪。春はまだ先、と思っていたら5日の土曜はころっと変わってポカポカ陽気。日差しも柔らかいです。
この陽気に誘われて、オカンと庭でティータイム。犬のロク、母猫のハチちゃんもお相伴にあずかろうと寄ってきます。傍ではヤギのナナちゃんが食事中。
暖かい、のんびりした田舎暮らしのひとコマです。
今回は写真ではなく動画を載せてみようと努力したのですがダメでした。またにします。

これは4月5日(土)のこと。アップするのがすごーく遅れています。申し訳ないです。