信州山里だより

大阪弁しか話せないの信州人10年目。限界集落から発信している「山里からのたより」です。

シカ・イノシシ・ニワトリ

2014年04月03日 22時58分30秒 | Weblog
2014年04月03日(木)記

日曜日の区通常総会の折、久しぶりにノブオさんに会いました。
小さなムラとは言いながら、戸数は少ないけれど都会に比べると面積はずっと広く、それに彼はまだ勤めているのでめったに会うことはできません。言葉を交わすのは神社の元旦祭以来でした。

1月1日以降のある日、シカのほとんど丸一頭分を貰った時があって、彼からは以前に「手に入ったら欲しい」と言われていたので電話したら留守で、その時応対した奥さんが「まだ、そんなこと言ってるんですか。いいですいいです。今でも休みごとに鉄砲かついで、ずっと家にいないんですから。ウチの人、獲ってきたら要りますか」と。(文字で書くとキツそうですが、私とは親しくしゃべる間柄です)

で総会後に、最近よく行ってるんだな、という趣旨のことを話すと、鉄砲以外に狩猟の免許も昨秋取ったという。「だから、仕掛けにかかったらすぐにズドンとできるようになった」と、奥さんとは真逆の様子でした。で私は冗談に「それじゃ『Y区ジビエ研究会』を作ろう。な、会長!」「いやいや、それは勘弁してほしい」というような会話を楽しみました。


さて今日のお便り。

地区のイノシシ、シカの昨年4月から今年3月9日までの駆除確定数が発表されました。
以下の通りです。
シカ   24年度は15頭 25年度は68頭(+7頭)
イノシシ 24年度は23頭 25年度は49頭(+7頭)
(カッコ内は11月15日~2月15日の「勢子猟」による捕獲数。この期間は積雪のため「ワナ猟」はできない)

平成24年度に比べ25年度の駆除数が飛躍的に伸びています。
これはいろんな理由が考えられますが、農作物の被害があまりに大きくなってきたため農家が狩猟免許、特に「ワナ免許」を取る人が多くなってきたからでしょう。その背景には「背に腹はかえられない」と、農家の意識の変化があるように思います。

シシやシカに田んぼや畑を荒らされるのは日常茶飯事で、私の組の9世帯のうち2世帯は田んぼを作るのを辞めてしまいました。2世帯はいずれも兼業農家です。収入の手段を別に持つ人からやめていくのは当然と言えば当然ですが。
でも、辞めたところはてきめんに荒れ果ててしまっています。わずか2年目でその斜面はシシ、シカで崩れはじめてきます。

私は狩猟に関するお便りを書くときはいつも、「自分は卑怯だな」ということを思い知らされます。
「シカケ免許を取る。取る」と言いながら取らないし、「鉄砲をあげるから猟友会に入れ」と言われても固辞し、シカケにかかったシシ・シカのとどめを刺すところは絶対に見ない。かといって、肉は遠慮なく貰う。むしろ所望するほうだ。

ニワトリもタマゴを産まなくなってきたけれど、これを「潰す」ことができないので、エサだけはせっせと毎日与えている。飼いはじめに連れ合いから「名前を付けてあげようよ」と言われて、「名前を付けたらカシワにして食べれなくなる」といって付けなかったくらいのに。

家畜はペットと違って「経済動物」だからと、その違いは重々分かってはいるのですが、それに加えて野生動物が頭をよぎる。
http://www1.ocn.ne.jp/~tekitoni/020820.html