”Ethiopia Super Krar”by Krar collective
何やらその起源には、古代まで遡るロマンティックな物語でも潜んでいそうなエチオピアの伝承楽器、クラールなる竪琴をメインに押したてた新グループ。ロンドン在住のエチオピア人コミュニティで誕生し、エチオピア各地の採集、レパートリーとしているそうな。
ティナリゥエンなどと比較して語られているようだが、なんだか私には河内音頭のファンキーな部分を切り取ってきてつなぎ合わせた、みたいなふうにも聞こえる音楽だった。
もとよりエチオピア音楽で使われている音階は似たようなものだし、以前から、かの国の大衆音楽と河内音頭の近似性は指摘されている。そのうえ、演奏の中心となるクラールの、プリミティブな竪琴ゆえに逆に演奏が可能なフレーズの積み重ねが生む独特のグルーブ感が、なにやら音頭めいた指向性をさらに高めた感じである。
クラールの、ある種、蒼古的な印象を残すメロディの爪弾きが中心となって織り成すリズミックな幻想。その古代史ロマンに酔いしれつつ夜は更けて行く。