時間がそうであるように、人間の意識や生命を直接見ることはできない。
意識のクオリア(粒、質感)を強化しよう、といっても、イメージ(視覚化)できないとこまる。
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脳と心の量子論 (ブルーバックス) |
治部 眞里,保江 邦夫 | |
講談社 |
波のような動きをするものを、「波動」とか、「場」と呼ぶ。目に見えないからイメージしづらい。
"素粒子は、粒子でありながら、波であるという二面性を持ち、両方の面が同時に現れることはない"
といわれても理解しづらいが、心臓の鼓動をイメージするとわかりやすい。
波の本質は周期的に強くなったり弱くなったりする振動。
観測結果をグラフ化したオシロスコープのような波形を見て、
目に見える水の波に似ているがために、
波というとあのような姿で現れるものだと勘違いしてしまう。
(写真:「別冊Newton」より)
真空とは何か、を問う中で、
" 時空上の各点ごとに「場」があり、それに対応したポテンシャルエネルギーをもつ。" とあった。
~ "「場」とは" 時空の各点ごとにある量(値)が定められたもの "。
場には「重力場」や「電磁場」、さらには「物質場」までさまざまなものがある。
(一般相対性理論に出てくるアインシュタイン方程式は、重力場の中の各点で定められた量を数式で記述したもので、別名「重力場の方程式」と呼ばれる。「場」は大きさと方向を持つ「ベクトル場」と、方向を持たず時空の各点ごとに数(値)が導入されているだけの「スカラー場」とに分けることができ、深入りすると、この世界に存在する4つの力を統一的に理解しようとする統一理論にまで話が及ぶ。)
大自然のなかにあまねく存在している、目に見えない「波動」や「場」と呼ばれるもの。
目には見えないから、具体的な話にならず、神秘的なものとして片づけてしまいがちだが、、
私たちの周りの空間に拡がる「波動」や「場」を容易にイメージできる方法があった
空間を限りなく細かく分割していって、小さな粒をイメージする。
そして、空間を埋め尽くす小さな粒にベクトルポテンシャル(大きさと方向)を与えるための線を加えてやると、
このようになる。( ↓ )
ひとつひとつの空間の粒にあるベクトル・ポテンシャルの針はシュレジンガーの波動関数を表しており、
彼の名前をとって、エルヴィン計と呼ぶ。
針の向きは「波動場」のポテンシャル・エネルギーの方向を表わし、
針の長さの2乗は、素粒子がそこに存在する確率を示す。
素粒子の波動場をイメージするやり方として、これは実に分かりやすい、画期的だ。
光の粒を1個ずつスクリーンにぶつけても、粒子の痕跡しか残らない。
空間を埋めつくすベクトル・ポテンシャルの波動場(干渉縞)を見ようとするなら、何度も光子をぶつけないといけない。
干渉縞の濃淡は、光子がそこに存在する確率を示すことになる。
これで空間を埋めつくす「波動場」の持つポテンシャル・エネルギーの見える化が達成された。
幽霊のようなふるまいをする量子がこのような捉え方でイメージできる、、、目からウロコだった。
生命の不思議をどのように見える化するのか、については、またあらためて。
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