これは一種のギフト(贈与)だと思います。
高校時代の同級生が、Route90というバンドで「hidden door」というファースト・アルバムを
8/15に全国発売することになりました。
フランス人はパブリックとプライベートのあいだで秘密の小部屋を作るのが好きだといいますが、
タイトルの「hidden door」もそんなニュアンスがあって、なかなかいい感じ。
隠れ家とか、秘密基地とか、そういうのいいなぁ、おもしろそうで。
私も早速Amazonから予約購入しましたけど、
うーん、このHPのessayのコーナー、いいです。どんな曲、サウンドが鳴っているのか今から楽しみです。
http://r90bluez.fan-site.net/
( ↓ ) 発売は8/15、少し先ですが下のamazonのページから予約購入できます。僅か1500円ちょっと。
晩夏にブルースが匂うロックサウンドはきっと合うと思う。
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HIDDEN DOOR |
ROUTE90 |
ブルースを、古くからの黒人ブルースのままで聴くと、ルーツが違う日本人には馴染みにくい部分があるかもしれないですが、
住むところや環境は違えど、" blue "は人類共通の、感情でもあるわけです。
このブルーや、ブルーの反射作用についてはこれまでにいくつか取り上げてみました。
~ 私のブルーなどは比較にならない。くそみたいなものだ。
ランディ・ニューマンの不条理なブルーをのみこんでしまうような歌。
(ブルー)
~ " ああ、きみ。だって神様がそうお創りになったのだよ。"
(逃れることのできない矛盾の反射作用について)
~ ブルースっていうのは、喜怒哀楽、すべてをひっくるめたことをさしているんだ、という気がします。
(なんで、人がこれをブルースっていうのか分かった)
~ Blusing Side of Life , Day by day 、 日々 人生のブルースを奏でる、渋すぎ。
(渋く深くさりげなく♪ ~ジェニー レン/ フットプリンツ)
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日本の文脈 |
内田 樹,中沢 新一 | |
角川書店(角川グループパブリッシング) |
ウチダ先生が「贈与」する態度の大切さについて鋭い指摘をされていました。
みんなが今の社会システムから自分はどういう利益を引き出せるのか、どういう権利を行使できるのかだけを考えるようになって、そのシステムを支えるためにどんな仕事があるのかを問わなくなってしまう。
政治や民主主義の根っこは本来「贈与」して下支えするものであって、まるで昔から自然物のようにあったものだと思ってしまうと、劣化して、うまく機能しなくなる。
~ 医療や教育、芸術といった活動の核心部分にあるのは、本来、身銭を切った献身的な活動による「贈与」である。
マネーの力は非常に強いけども、ビジネスはその周辺部にある「おこぼれ」の部分にとどまっているべきであって、
禁域、サンクチュアリ(聖域)として保全しておかないといけない部分がある。
少々脱線しますが、キリスト教について言及した部分は、なるほど、そういう見方があるのか、と思いました。
キリスト教というのは、いろいろ問題はあるにせよ、長い間よいこともたくさんしてきました。
それは、イエスキリストという人が自分の生命を犠牲にして捧げたという、ものすごい贈与がまず最初にあるからなんです。
教会へ行くとイエスキリストの磔刑(たっけい)像があって、
「私はあなたがたに贈与しましたよ」というメッセージが伝達され続けている。
起点に贈与があって、それが見える形で存在していることがヨーロッパのダイナミックな歴史をつくり上げた源になっている。
ひとを元気にする「贈与」(ギフト)とはそういうものなのだと思いました。
純粋なサンクチュアリの部分を持っていて、それを素直に表現するということはなかなかに出来ることではない。
逆にそういうものは、なかなか無いものだから、ひとを元気にする。
エクリチュールにも色々ありますが、時勢に適応してスマートにふるまっているだけのエクリチュールは、
時勢の檻に入っているようなものだということに、少なくとも多少、自覚的でいることは大切なことのように思います。
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