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思想界の巨人、と呼ばれる吉本隆明さん、このブログ3回目の登場、です。
(思想界の巨人、って仰々しいですが、今なら吉本ばななさんのお父さん、といった方が通りがいいのかもしれません。
どちらもご本人的には嫌がられそうな気がします。)
今日は、午後から読書、に耽ってしまいました。
茶道の本2冊に、ゴルフダイジェスト、そして、この真贋。
(8/30に試験があるのに~(-。-)y-゜゜゜)
前にも書きましたが、同時代を生きていないので、理解しづらいテーマもあるのですが、
人間の本質、をつこう、と考え抜いてる方で、ときどき膝を打ちたくなります。
実に親しみやすい雰囲気のひとで、本の中での語り口と重なるところがあって、
あまり興味のないテーマですが、インタビュー映像をクリップ。
本は、明るさは滅びの姿、という一節から始まります。
その節で、吉本さんが、
自分のもっとも好きだと言っていいくらいの言葉です、と紹介しているのが、
太宰治の右大臣実朝に出てくる逆説的な物言い、
「平家は明るい。明るさは滅びの姿であろうか、人も家も、暗いうちはまだ滅亡せぬ。」
戦前・戦中・戦後と、様々な物事を経験し、考え続けてきたひとが、
もっとも好きな言葉、だと言うと、そこに何があるんだろう、と思ってしまいます。
曰く、
”無意識のうちに答えが決まっている価値判断は、無意識のうちに人の心を強制します。
暗いからだめだ、という単純な価値判断を持っていると、そうではない自分を発見した時に、自分を追いつめる結果になってしまう。
善悪2つのモノサシしか持っていないと、人間は非常に生きづらさを感じるものなのです。”
自分の中のモノサシ、引き出し、というのは、考えるに値するいいテーマだと思っていたので、
冒頭から惹き込まれて、そのまま一気に通読してしまいました。
相槌を打つような箇所がいくつもありました。
ひとつ抜き書きしておきます。
「あらゆるものに利と毒がある」
情念の移り変わりや感覚の素晴らしさに惹かれて現実離れしたものが好きになっていく人はよくいます。
たしかに、高度な感覚や心を持ち得ることで、人間として良くなるという観点もありますが、
その一方で、毒がまわっていることにも注意しなければなりません。
何かに熱中する、ということは、そのことの毒も必ず受ける、とうことです。
何事においても、いいことばかりではなく、毒の方もきちんと言わなければならないと思っています。
また自分自身の問題として、時にはどういう毒が自分にまわっているかということも
冷静に考えることをしないと、大きく間違ってしまうこともあるのではないでしょうか。
もっとも、僕にしても、物事の二面性を注意深く考えるようになったのは、ようやく人生の後半になってからですが。
(↓)何かを掴もうとするかのように、手が宙を動きながら話されているのがいい、と思いました。
吉本隆明ファシズムを語る
(↓)以前書いた、吉本隆明さんについての記事です。
http://blog.goo.ne.jp/lifelongpassion/e/06867bb3d10488196df986f9c6090679
http://blog.goo.ne.jp/lifelongpassion/e/4024ad8dfe328aeda9f58b1a0d336987
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