「宋家の三姉妹」原題:『宋家皇朝』
(1997年 日中合作)
監督:メイベル・チャン
出演:マギー・チャン/ミシェール・ヨー
ヴィヴィアン・ウー
20世紀初頭の中国で波乱の人生を送った三姉妹の姿を描いた大河ドラマ。
神保町にある岩波ホールの冊子を読み返してみると、金像奨6部門受賞って、97年に香港でそんな沢山の賞を取ってたのかと思ってしまう。(活字の量も多くて勉強になる…。)
これに書いてある衣装担当のワダ・エミのぼやきが面白い(笑)。
今ならツイッターで「レイン・オブ・アサシン」の衣装をつぶやいてくれないだろうか。
孫文は、ウィンストン・チャオである。
最新作「1911」でも孫文役をやるそうで(もう1本『夜・明』にも孫文役で出演)孫文俳優として何本もの映画に出演するなんて彼はどんな性格で、どんな俳優なのだろう。
三姉妹は、長女の靄齢(あいれい)は財閥と結婚、次女・宋慶齢は孫文と結婚。三女・美齢は蒋介石と結婚と、中国にとってこの姉妹はとてつもなく大きな存在なんですね。
日本人も絡んだりするような伝記物というか歴史を描いた映画というのはこんな時代だからいま観るのが面白いと思う。(だから映画館なんかで上映されれば客の入りも凄いことになるのだ・・と思う。)
ウィンストン・チャオが子供の頃の三姉妹に会う。こんな小さいのに将来結婚することになるなんてね。
この子たちの母親がどっかで見たことあるなと思ったらエレイン・ジンじゃないの。(「野獣たちの掟」がとてもなつかしい・・。)
まぁそれにしても父親・チャーリー宋という人はまだ子供の姉妹をアメリカへ子供たちだけで行かせるなんて危険なことをしたのだろう。でも、チャーリーさん。孫文以上に熱演してる!
やがて辛亥革命が成立してチャーリーさんがはさみを持って弁髪を切るシーンが出てきます。髪を切り落とした人々がすごい事になってましたが(時代が変わるんだぞという象徴的な場面。でも『少林門』の譚道良を思い出したりして^^。)、こんなシーンは映画じゃないと見れないですね。
私が見たのは字幕版でしたけど、日本語吹替のビデオも存在してたというかあったのね。(マギー・チャンとかミシェール・ヨーを誰がアテたのだろうか?ちょっとだけ興味が・・。)
とにかくマギー・チャンが孫文を”おじさま”って呼ぶんですよ。
この映画の孫文を中国のリンカーンなんて呼び方あってユニークですが、この映画では素敵なおじさまを演じているウィンストン・チャオが良く映ると思います。
3人の女優たちが熱演しているのですが、男3人(孫文・蒋介石・孔祥煕)がどんな計画を立て何をやろうとしていたのか。女優3人の持ち味を活かしてそれぞれの役(革命に燃える男たちを支えるという存在)を演じることが出来ていたのはとてもよかったなと思います。
映画公開から6年。美齢は2003年10月23日、ニューヨーク自宅で106歳で亡くなりました。映画では美齢の最後は描かれませんでしたけど、姉妹が引き裂かれてしまう運命を描いた映画でした。監督のメイベル・チャンは香港返還のときに自分自身を見つめ直してこの「宋家の三姉妹」を作ったのです。そうすることによりまだ知らなかった中国を理解したそうです。日本人には理解しがたい部分がありますが、こういったドラマも必要なのではないかと思います。
メイビルチャンは好きな女性監督のお一人です。スーチーとレオンライの「ガラスの城」はアレックスとのコンビ最高傑作だと思います。
最近のサンドラ ンとサイモンヤムの共演作も観たいな~と思っています!
話は変わりますが「海洋~」も香港版で見ましたが、良い作品です、泣けました!祝!日本公開。
ジェイコブ チョンの作品群もハートフルで好きですね。
メイベル・チャンもいいですよね。
「トレースオブアドラゴン」を撮っていたり、「七小福」なんかにも参加してますのでジャッキーとも関連がありますよね。
サンドラ・ンの映画はアレックスとのコンビの『歳月神イ兪』ですね。どうなんでしょう?まだ見てないんですが、是非見てみようかなと思います。
あと、『海洋天堂』はハートフル・ムービーなんでしょうね~。シネスイッチ銀座のチラシをもらって来ましたけど、印象はなかなか良かったです。ジェット・リーの映画も楽しみです。