気ままに戯言 ・・・

日々の出来事であったり、見聞きしたものへの感想であったり、時には不動産の知識や裏話であったり、気ままに書き綴ります。

そんなモンでしょ!

2016年12月05日 | 業界裏話
 夕方、お世話になっている同業のT社長が事務所へお越し下さいました。T社長、だいたい1ヶ月に1回くらいの頻度で顔を見せられますが、毎回毎回、幾つかの売物件や賃貸物件の資料をお持ち下さり、「これ、お客さんがいたら紹介して!」と置いていかれます。もう既に70歳を超えられているので、40年以上に亘る御商売の経緯から顔見知りのお客さんは沢山いて、いろいろ売却を頼まれるにも関わらず、ネットは不得手だし積極的な販促活動もしませんから、依頼された物件もその殆どは “人任せ” となってしまうようです。元付ですから売主さんからの手数料で充分、と考えておられるのでしょうね。とても羨ましい限りです。

 私はそうやって御紹介頂いても、元付ではありませんので一部の物件を除いてあまりネットに載せることはありません。条件の合うお客さんがおられた時に御紹介しているだけですが、それでもこの10年ちょっとで賃貸を含め30件以上を成約に結び付けているでしょうか? 結構相性は良い方だと思っています。だからこそ、未だこうして新規物件が出てくると都度お届け下さるのですが、実はT社長の物件、困ることが一つだけあるのです。それは、売買物件についてのみですが、いつも販売価格が定まっていないのです。「相場でいいよ! 相場!」という調子ではっきりせず、お客さんに紹介する側としては非常に困ります。

 いつも已む無くこちらから「それでは〇〇〇〇万円くらいでどうでしょう?」とお聞きすると、「いいんじゃない! そんなモンでしょ!」とまことファジーな御返事。いつぞやは、そうやって言った金額でお客さんに御紹介し申し込みを得ると、最初こそ「いや~~! さすがだねぇ~! 早速了解をもらうヨ。」と笑顔で申込書を受け取り、それから凡そ1週間・・・、「やっぱりこの金額じゃダメだって!」と言われる始末。(や、やっぱり・・・て?)・・・「そんなモンでしょ!」と言ったのはどこのどちら様?・・・こういうことがあるから困るのです。その時には申込者から散々文句を言われ(長く付き合いのあるお客様だったから良かったものの)、平身低頭で謝ったという過去もあります。

 どちらかと言えば “昔風” のやり方なのでしょうか? 恐らくデータを元に査定金額を算出したり、売主さんとの細かな打ち合わせもないまま引き受けてこられるのでしょう。まあ、今ではそれが分かっていますから、御紹介頂いた物件についてこちらの判断で申込みを頂くようなことはしておりません。希望金額は一度持ち帰って、了解を得た後に再度希望者さんと交渉をすることにしています。ネットにあまり掲載できないというのは、こういう理由も実はあるのです。自社元付物件でしたら決してこんなことはありませんので、やはり一線を画して取り扱わざるを得ません・・・失礼ながら。


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