goo blog サービス終了のお知らせ 

@ kill time

見た!聞いた!読んだ!行った!食べた!
スポーツ観戦、映画鑑賞、旅行、読書、食べ歩き等の身近な話題を紹介します。

長岡弘樹/傍聞き

2012年05月03日 | 小説


長岡弘樹 著 「傍聞き」を読みました。




患者の搬送を避ける救急隊員の事情が胸に迫る「迷走」。

娘の不可解な行動に悩む女性刑事が、我が子の意図に心揺さぶられる「傍聞き」。

女性の自宅を鎮火中に、消防士のとった行為が意想外な「899」。

元受刑者の揺れる気持ちが切ない「迷い箱」。

まったく予想のつかない展開と、人間ドラマが見事に融合した4編。


4編からなる短編集です。

主人公はいずれも人を助けるような職業に就いている。

彼らが仕事上で巡り会った小さな謎が、それぞれラストに解き明かされるという展開です。

そのエピソードのひとつひとつが大変読みやすく、読み始めるとぐいぐいと惹き込まれます。

そして、最後は”なるほど!そう云う事だったのか・・・”と思わされるオチが待っています。

しかも、単なる謎解きでは終わらない人情味豊かな物語ばかり。

読後感は非常に爽やかです。

表題作で08年日本推理作家協会賞短編部門受賞。

ちなみに「傍聞き」は「かたえぎき」と読むそうです。

”直接面と向って聞かされるより、誰かに話しているところを、聞くつもりもなく、横で聞いた方が本当のことと信じやすい”ということを表した言葉。



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 佐々木譲/警官の血 | トップ | お台場 日本科学未来館 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。

小説」カテゴリの最新記事