flow Trip -archive-

「漂い紀行 振り返り版」…私の過去の踏査ノートから… 言い伝えに秘められた歴史を訪ねて

八名郡 馬越城

2007-11-28 00:00:29 | 城郭・城下町
(愛知県豊橋市石巻本町)
 旧馬越村鎮守、素盞鳴神社には、幾つか棟札が残っている。
最古は永享九年(1437)と、寛正三年(1462)の為守右馬尉の名が見えるものがあり、次に延徳三年(1491)左近次郎、左近五郎(これらは牧野氏か)がある。その他、永正五年(1508)森刑部大夫、永正十六年(1519)鳥居を寄進した際の大檀那西郷信数(信員)、享禄五年(1532)境内牛頭天王社を寄進した際の地頭西郷孫四郎藤原信員等があり、また、西郷弾正左衛門信貞入道昌安(松平昌安)の名の棟札も存在する。これら人物がこの地の領主、及び馬越城に何らかの関係があったものと考えられる。
 
 私がこの辺りをまわり始めた昭和53年頃、付近の住民の方々に聞いたところ、馬越大池から上がった鉄塔の建っている辺りが城跡と伝わっているということであり、その場所に向かったことを思い出す。
 改めて今回上がってみると、沢伝いに上がり、鉄塔管理登山道等殆ど変わっていない様子だった。ただ、隣接する日名倉山が砕石によって小さくなり、その部分だけは面影がなくなっていた。
  
 鉄塔の付近は比高60mの尾根上で、地図上で確認しても周辺と比べ平地面積が広く、郭跡が存在したのかもしれないが、鉄塔建設によって改変されており、遺構から判断することができない。背後の斜面を念のため踏査したが、人為的なものは見出せなかった。また、日名倉山にも何らかの施設が存在した可能性もあるが、残念ながら採石によって今は確認することはできなくなってしまった。
 
(関連記事:西川城 高井城 萩平山城 堂山砦 弾正砦 五葉城 高城砦 嵩山城 左京殿城 和田城

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 幡豆郡 徳永城 | トップ | 上田城 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿