かけっこ 学校は靴のかけっこ(1)

2017-12-24 09:36:05 | 童話
学校は靴のかけっこ。
大きな靴、小さな靴、赤い靴、ブルーの靴、いろいろな靴のかけっこだ。
あれ、みんなかけっこをやめて並んでいる、おとなしく並んでいる。
そうか、朝礼だ、校長先生のお話でみんな並んでいるのだ。

こんどはまたかけっこを始めたぞ。だけど、ゆっくりのかけっこだ。
みんな教室に向かっている。もう運動場にはだれもいないや。みんな教室に行ったのだ。
この教室も、あの教室も、靴が並んでいる。じっとしている。

あれ、この教室の靴がみんな外に出てきた。
そうか、一時間目は体育の時間だ。
ほらっ、先生が石灰でみんなの走るコースを書いている。
全部の靴がピョンピョンととびはねだした。準備体操だ。
みんなが並んだぞ。ピョンピョン、ピョンピョン。
ピストルのあいずでスタートだ。
ブルーの靴が早い、赤い靴も早い、白い靴はもっと早い。
白い靴がゴールした、一着だ。二着は赤い靴だ。
ピストルのあいずで次の組のスタートだ。
白い靴、灰色の靴、赤い靴、みんな早いや。
あれっ、前の組にくらべると靴が少ないや。どうしてだろう。どの組も同じ数だのに。
あっ、はだしだ、はだしだ。早い、早い、靴の代わりにはだしが走っている。
はだしが一着だ。次は赤い靴だ。そして白い靴、灰色の靴。
次々とピストルのあいずで走っている。
みんな走り終わった。みんなハァハァいっている。
みんながんばった。
みんな早い。