おじいちゃんのメガネ(2)

2019-12-31 09:31:32 | 童話
今日はお兄ちゃんと一緒に歩いて行くではなく、おじいちゃんのメガネの自転車でいくので、何も持っていかない。

やっと小川に着いた。
『やぁ、メダカやフナがいっぱいいる。メダカ君、フナ君、今日はお家に連れて行ってあげないよ、また今度ね。』
僕は小川でメダカ君とフナ君に会ったので、今日はもう帰ろう。
『メダカ君、フナ君、バイバイ。』
おじいちゃんが僕の所にきて
『新聞を読むからメガネを使うよ。』
『うん、いいよ。』

何日か後でおじいちゃんのメガネが壊れてしまった。メガネの鼻に当たる所が1個取れてしまったのだ。
『このメガネは古いから仕方が無いなぁ、新しいのを買ってこよう。』
と言っておじいちゃんはメガネ屋さんへ行った。
おじいちゃんは帰ってきて
『レンズを新しいフレームに付けたので、これをあげるよ。』
と言って僕に古いメガネをくれた。
『わぁ、ありがとう、大切にするね。』

おじいちゃんのメガネ(1)

2019-12-30 07:54:00 | 童話
僕は自転車で公園へ行った。
坂を登る時はハアハアと大変だったが、丘の上にある公園は見晴らしが良くて気持ちがいい。公園を3周したらかえろう。帰りは下り坂なのでラクチンだ。

そこへ、おじいちゃんが帰って来た。
『またおじいちゃんのメガネで自転車ごっこをしているのかい? メガネのガラスは汚れるから、ガラスにさわったらダメだよ。』
『うん、ガラスじゃない所を持っているから大丈夫だよ。』
おじいちゃんは優しいので全部がダメだとは言わない。

『さっきね、自転車で丘の上の公園に行ってきたんだよ。』
『悠太君は、まだ三輪車も上手く乗れないから、自転車は来年買ってあげるね。』
『うん、まだ三輪車を押してもらっているから、自転車は来年でいいよ。』
明日、自転車で何処へ行こうか、と考えていると楽しくなる。

おじいちゃんの円いガラスのメガネ、おじいちゃんに借りた僕の自転車。
そうだ、明日は近くの小川に行こう。
少し前にお兄ちゃんと一緒に行った小川だ。
この小川は、水が僕のヒザの高さまでしかなく、ゆっくりと流れているから安全なんだとお兄ちゃんが言っていた。
その小川にはフナやメダカがたくさんいて、僕の家でも水槽に入れて育てている。

丘の上でゴロゴロふわり(6)

2019-12-29 09:22:00 | 童話
『お姉ちゃん、湖の上のずっと高い所に白い大きな羽の有るおじいさんがいるよ。白いヒゲの長い人だよ。』
『本当だ。誰なのかなぁ。』
『おじいさん、あなたは誰ですか?』
『私はこの湖の精だよ。みんなが湖を汚さないように見守っているんだよ。』
『僕達がこうして浮かび上がることができるようになったのは、おじいさんがしてくれたの?』
『そうだよ。良い子で頑張っているから、遊びを一つあげたんだよ。』
『そうなんだ。湖の精のおじいさん、ありがとう。僕とお姉ちゃんは、いつまでも良い子にして、勉強や運動を頑張るよ。』
『そうだね、頑張れ。』

君もこの丘に来て、ゴロゴロゴロ、ゴロゴロゴロと転がると、湖の精のおじいさんが遊びをくれて浮かび上がると思うよ。
君もおじいさんに浮かび上がることができるようにしてもらったら、僕に教えてほしい。
そうしたら一緒に浮かび上がって遊ぼうね。

そして、もう家に帰る時間になったので、また4人で一列になって駅まで歩き、そして電車で帰った。
『お姉ちゃん、すごかったよね。ふわふわと浮かんでいたんだよね。』
『そうよね、すごかったわよね。』
お父さんとお母さんも電車の中で
『不思議ね。』
『そうだね、どうしてなのかなぁ。』
とお話をしていた。お父さんが
『あの丘は何か特別な力の有るパワースポットなのかなぁ。』
と言った。だけど僕は
『違うよ、湖の精のおじいさんがやってくれたんだよ。』
と小さく言った。

それから、僕達は家の中でゴロゴロと転がってみたが浮かび上がらない。
お姉ちゃんと手をつないで転がってみたが浮かび上がらなかった。
僕は今度また、あの丘へ行った時に、どれくらいの高さまで浮かび上がる事ができるのか、試してみようと思っている。

またいつ、あの丘に連れて行ってくれるのか楽しみにしている。
     おしまい

丘の上でゴロゴロふわり(5)

2019-12-28 11:16:12 | 童話
美味しいおにぎりを食べているとお母さんが、
『危ないから、あの木より高く浮かび上がったらダメよ。』
と言ったので、僕とお姉ちゃんは、お母さんの言うとおりにした。
お昼ご飯が終ったらまた浮かび上がって楽しんだ。もうゴロゴロと転がらないでも、普通にしていてフッと息をすると浮かび上がるようになった。

僕は不思議なことに気がついた。お父さんとお母さんは僕達が浮かび上がっているのが見えているが、他の人は見えないみたいで、普通のとおり家族でピクニックを楽しんでいる。

僕達は近くの少し高い木に浮かび上がって、湖を眺めていた。
『お姉ちゃん、高い木の上から湖を見ると、下で見るよりきれいだね。』
『そうね、きれいね。』
『あっ、小さな子供が湖のすぐ近くにいる、危ないよね。』
『そうよね。お母さん、小さな子供が一人で湖のすぐ近くにいるわよ。』
『あらそう。危ないわよね、教えてあげなくっちゃ。』
『もしもし、あなたの子供さんが湖のすぐ近くへ行っているわよ。』
『あらっ、大変。ありがとうございます。』
『お姉ちゃん、あの子が湖に落ちなくて良かったね。』
『そうね。』

丘の上でゴロゴロふわり(4)

2019-12-27 06:26:44 | 童話
僕達は子供しかできない楽しい遊びだと思い、2人でいつまでもゴロゴロふわりと浮かび上がっていた。
今度はお姉ちゃんと手をつながなくても浮かび上がることができるようになったので、僕とお姉ちゃんは別々にゴロゴロふわりと、何度も何度も浮かび上がって楽しんだ。
だけれど、立ったままでピョンと跳んでも、走って行ってピョンと跳んでも浮かび上がることができない、ゴロゴロと転がる時だけが浮かび上がることができたのだ。

僕とお姉ちゃんは、浮かび上がるのが段々高くなっていった。
お母さんが
『あまり高く上がると危ないわよ。』
と言ったが何度も転がっていると、1mくらいまで浮かび上がるようになった。
そこから降りる時、最初はドスンと降りていたので足が痛かったが、両手を広げて降りるとゆっくりと降りることが分かったので、少し高く浮かび上がっても安全になった。
だけれど、お母さんは心配みたいだ。
『お昼にするわよ。降りて来なさい。』
とお母さんが僕達を呼んで、楽しいお昼ご飯にした。