おしゃべり畑(1)

2021-07-31 09:15:09 | 童話
僕が学校へ行く途中には畑が有り、いろいろな種類の野菜が植えられています。
夏の暑い日の朝、学校へ行く時にその畑から話し声が聞こえてきました。
『昨日は晴れていて暑かったので、お水を飲みたいね。』
『そうだね、畑の土がカラカラになってしまったからね。』
『畑の持ち主さんに頼んでみよう。』
『ねぇ、持ち主さ~ん、お水をちょうだい。』
すると畑の近くの家の中から
『ちょっと待っててね、すぐお水をあげるから。』
と聞こえてきました。
そして、また畑から
『ナスビやキュウリがたくさん実ったよ、みんなで食べていいよ。』
と聞こえてきました。
すると、畑の近くの家の中から
『いつもありがとうね。』
と声が聞こえてきました。

秋のすがすがしい日の朝、学校へ行く時に畑から話し声が聞こえてきました。
『今年もおいしい柿の実がたくさん実ったから、たくさん食べていいよ。』
『栗もたくさん実ったから、栗ご飯にするとおいしいよ。』
すると、畑の近くの家の中から
『そうね、では今晩は栗ご飯にするわね。そして、デザートは柿にしようかしら。』
と声が聞こえてきました。
秋はたくさんの実が実るんだね。

僕はどっちかな?(3)

2021-07-30 08:58:32 | 童話
家に帰るとお母さんが『あらっ、おかえり。』と言ったので、僕が『ワンワン』と言うと、タロウは『ただいま。』と言いました。
タロウが居ない時は普通なのに、タロウが居る時は僕が犬になっているのは変だなぁと思いました。そして、このまま、僕が犬でタロウが人間になってしまうのかなぁと思いました。

ある日、タロウの『ワンワンワン』と言う声でお昼寝から目がさめました。タロウの方を見ると、タロウが人間の僕になっていて、『ワンワン』と言っていました。そして、僕の姿を鏡で見ると犬のタロウになっていて、人間の言葉を話していました。

あれっ、いつの間に反対になったのかなぁ? そして、お外へ行くと、近所のおばさんが『タロウは今日も元気ね。』と言ったので、僕は『うん、元気だよ。』と言いました。

人間になったタロウは毎日お母さんに注意されます。
『ちゃんと歯をみがきなさい。顔を洗ったら顔をブルブルッしないで、タオルで拭きなさい。お風呂ではよく洗うのよ。お野菜も食べるのよ。』
人間になったタロウが注意されなくなったある日、僕とタロウはお昼寝の夢の中で『ワンワン』、『なぁに』とお話しをしている時に目がさめました。

今度は、タロウが『ワンワン』と言って、僕が『なぁに。』とお話しをしました。
今は夢の中なのかどうか、僕は分かりません。
そして、僕とタロウは、また今度交代するか分かりません。
分かっている事は、僕とタロウは、いつまでも仲良しだという事です。

おしまい

僕はどっちかな?(2)

2021-07-29 09:17:31 | 童話
スーパーマーケットの入口でお母さんが『タロウはお店に入れないので、ここで待っていてね。』と言うと、タロウは『うん、わかった、ここで待っているね。』と言いました。
僕は『ワン』と言ってお母さんと一緒にお店の中に入って行きました。

お母さんと僕がお店から出てくるとタロウが『早かったね。』と言ったので、僕も『ワンワンワン。』と言いました。
そして、お店から出てきた時に僕はお昼寝から目がさめました。

僕がタロウに『ワン』と言うと、タロウも『ワン』と言ったので、僕は夢の中と違うなぁと思いました。
ある日、僕は寝そべっているタロウに寄り掛かってお昼寝をしました。
そして、僕は体が重たくて目がさめると、タロウが僕に寄り掛かっていたので、僕は『ワン』と言いました。するとタロウが『なぁに?』と言いました。
あれっ、前の夢の時と同じだなぁ、と思いました。

タロウが『何して遊ぶ?』と言ったので、『今日は駆けっこをしようよ。』と言いたかったが『ワンワンワン』と言いました。また夢の中と同じだと思いました。
そして、僕とタロウは公園へ行き、駆けっこをしました。タロウが『早くおいでよ。』と言ったので、僕は『ワンワン』といってタロウを追いかけました。
近所のおばさんが『二人とも元気ね。』と言ったので、僕は『ワンワンワン』と言いましたが、タロウは『そうだよ、二人とも元気だよ。』と言いました。

僕は夢の中ではないのに変だなぁと思いました。

僕はどっちかな?(1)

2021-07-28 09:21:14 | 童話
僕の家には大きな犬がいます。色は白で名前はタロウです。
僕とタロウは仲良しで、いつも僕がお昼寝する時は、寝そべっているタロウに寄り掛かって寝ます。
時々、体が重たくて目がさめるとタロウが僕に寄り掛かって寝ています。その時僕はタロウに『ワン』と言います。するとタロウは目がさめて立ち上がります。

今日もタロウが僕に寄り掛かっていたので、僕は『ワン』と言いました。するとタロウが『なぁに?』と言いました。
僕は『僕に寄り掛かっていると重たいから起きなよ。』と言いたかったのですが、『ワンワンワン。』と言ってしまいました。
『わかった、わかった、起きるよ。』とタロウが言いました。

僕は、お母さんが作ってくれたクッキーを、タロウと一緒におやつの時間に食べようと思って『ワンワン』とタロウに言いました。するとタロウが『おやつを食べるの?』と言ったので、僕はなんだか変だなぁと思いました。
おやつを食べ終った時に、お母さんが『お買い物に行くけれど、一緒に行く?』と言ったので、僕は『ワン』と応えました。するとタロウが『僕も一緒に行く。』と言いました。
お母さんは『はいはい、では3人で行こうね。』と言いました。

20センチの巨人(6)

2021-07-27 09:17:52 | 童話
そして、みんなが勉強をしている時には、巨人さんは箱の穴から僕達が勉強をしているところを見ていました。
体育の時間は箱から出て体育館でみんなと一緒に体操をし、給食は僕のを、わけてあげて、みんなと一緒に食べました。

それから、下校時間になったので、みんなとバイバイしました。
『巨人さん、バイバイ。』
『巨人さん、またね。』
『巨人さん、今度いつ来るの?』
『巨人さん、楽しかったね。バイバイ。』
『みんな、バイバ~イ。』
家に着いて、僕が宿題をしている時に、巨人さんは僕の宿題を見ていました。
そして、巨人さんが本の中に帰る時間になったので、また物干しさおをつたって帰って行きました。

『巨人さん、バイバイ。』
『今日はすごく楽しかったよ。バイバイ。』
『そう、良かったね。バイバ~イ。』
巨人さんは本の中の巨人なので20センチですが、僕は大きいので本の中には入れません。
だから、巨人さんが本の中から出て来た時に一緒に遊びます。

  おしまい