ミーハーのクラシック音楽鑑賞

ライブ感を交えながら独断と偏見で綴るブログ

N響のカリンニコフと「田園」

2016-05-22 23:53:07 | N響
一昨日(20日)NHKホールで開かれたNHK交響楽団第1836回定期公演を聴いてきた。指揮はネーメ・ヤルヴィ。

【演目】(※はアンコール曲)
カリンニコフ/交響曲第1番ト短調
  〜 休 憩 〜
ベートーヴェン/交響曲第6番ヘ長調「田園」
《19時00分開演 20時40分終演》

1曲目。今年はカリンニコフ生誕150周年。学生オケやアマオケではよく演奏されるが、プロオケでは滅多に演奏されない不思議な曲。ということで、音楽経験者にはよく知られているのに、そうでない人には馴染みが薄い曲である。では、どうしてこの曲が学生オケやアマオケに好かれるかといえば、弦と管の一体感や高揚感が思いっきり味わえるからだと聞いたことがある。曲調的にはチャイコフキーに似ているが、それでもチャイコフスキーとは違った甘美さや幻想さが特徴の曲であり“隠れた名曲”だと、私は思っている。

さて、その演奏であるが、弦は滑らかにして艶やか。カリンニコフの持つ色彩というか色気をうまく奏でていて素晴らしい。しかしながら、トランペットとトロンボーンが妙にハウリングしているように聴こえて、今ひとつピリッとしない。これはホールのせいなのかもしれない。滅多に演奏されない曲なのだから、できればサントリーホールで聴きたかった。

2曲目。これまで聴いた「田園」のなかでも最もゆっくりしたテンポの演奏。と言って、緩んでいるわけでも弛んでいるわけでもない。「田園」特有の明るい音色をスムーズに奏で上げていく。第2楽章の森での鳥のさえずりや第4楽章の嵐にしても若干のアクセントを効かせているものの、全体としては極端なこともせず穏当な中庸的演奏だった。それでも柔和な音色は十二分に楽しめた。