蒲田耕二の発言

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ホワイト国外し

2019-08-08 | 政治
あきれたね。

政府は2日、韓国をいわゆる「ホワイト国」から除外する閣議決定をした。ところが日経ビジネスによると、この決定にはどうも実効性がないらしい。

優遇措置から外れたことによって、韓国への輸出はこれまでのような包括的な許可ではなく、1件ごとに個別許可が必要になるとされる。しかし、実際には特別一般包括という枠組みがあり、簡単に言うと、輸出企業がこの資格を取得すれば従来どおり個別審査なしで輸出できるんだそうだ。

そして、輸出企業の多くが既に資格取得済みなんだと。つまり、韓国向けの輸出には、なんの変化もないってことじゃん。

それならなんで、ここまで日韓関係をこじらせる必要があったのか。元徴用工問題の報復ではないと言いながら、なんで参院選前に大々的に打ち上げる必要があったのか。

韓国側に反日の口実を与えただけではないか。日本側には、なんの実利もなく。

というより、韓国の不買運動が広がり、観光客が減った分、不利益の方が大きい。

日本政府は本当に外交がヘタ。後先考えずに尖閣を国有化して中国の反日デモに火をつけた旧民主政権と同じ……とか初めは思ったが、いや違うね。このこじれは、おそらく安倍が綿密な計算で意図したものだ。

対中対ロ対北朝鮮の安全保障上、日本と韓国が決定的に離反する事態はアメリカが許さない。だから日本は、韓国経済を本当に破綻させるような措置を採れない。しかし、韓国に対してこれまでのように優柔不断な態度を続けていると、自民の支持率が危険なほど下がってしまう。参院選で負けてしまう。

そこで考え出した苦肉の策、と言うより起死回生の妙手が、一見、堪忍袋の緒が切れたような「ホワイト国外し」だったんでしょうな。

御用メディアには徴用工判決の報復と書き立てさせ(半導体用3品目を輸出規制したとき、背景に徴用工問題があると世耕経産相はハッキリ述べていた)、朝日や東京のような表向き反政府系のメディアとブルーンバーグほかの海外メディアにもそう思わせ、あたかも韓国経済に大打撃を与えるかのような誤解を世界に拡散して文政権の反日スタンスを刺激する。

で、ネトウヨは大喜び。バンザイ、アベぴょんようやったネ、と拍手喝采。

文は日本の悪口を言いまくって支持率を上げ、それに比例して日本の嫌韓感情が高まり、安倍の支持率もさらに上がる。お互いウィンウィン。ひょっとして、安倍と文はウラで手を結んでるんじゃないかと疑いたくなる。

いずれにせよ、日本政府は韓国に対し、またも根本的な問題解決には当たらず、表面的なポーズでお茶を濁したってことだ。「ホワイト国外し」が実は他愛ない茶番だったと分かったとき、ネトウヨ諸氏はどう反応しますかね。

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