蒲田耕二の発言

コメントは実名で願います。

仲間割れ

2023-05-22 | 国際
中国もしたたかだねえ。ロシアからの原油輸入量が前年比9%増なのに、支払額は27%減だそうだ。つまり3割以上の買いたたき。欧米の経済制裁で青息吐息のロシアに対して、情け容赦なく足元を見ている。

クレムリンではプーチンが、さぞかしハラワタの煮えくり返る思いをしていることだろうね。むふふ。

かつて、同じ体制下で兄弟同然の仲と見られていた中国と旧ソ連が、国境を巡って突如、紛争を始め、実は近親憎悪に近い関係だと判明したのは、つい半世紀前のことだった。

あのころの2国関係は、どっちかというとソ連が共産圏の大親分、中国はその舎弟ってイメージだったが、いまや力関係は逆転。なんとかウクライナで勝ちたいロシアが、懸命に中国に色目を使っている。

旧ソ連時代の復興を夢見るプーチンは、その点でも悔しくて夜も眠れないことだろう。

ウクライナ侵攻がどういう形で終わるにせよ、戦後の中国とロシアがふたたびいがみ合いを始めるのは間違いないのと違うか。そもそも中ロが表面上、仲良しの振りを始めたのは、ここ十数年のことでしかないし。

一方、国内では長年蜜月を続けてきた自民と公明に、選挙区を巡って仲間割れの兆し。こっちも維新の伸長や国民民主の与党すり寄り(ヘドが出る)で力関係が変わったようで。

昨日の友は今日の敵。
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AI

2023-05-14 | 文化
AIの進歩、止めどなし。ついに人間の脳内を読むことまで成功したそうだ。

オレはワリと新しもの好きなので、こういう事態に生理的反発を覚えたりすることはない。それでもこれは、パソコンが出現したりスマホが普及したりといったこととはちょっと次元が違うような気がする。AIが人間の心の中を覗き込みだしている。

ニュースを読んで、反射的に思い出したのが韓国映画の名作『オアシス』だ。ヒロインは重度の脳性マヒを患っていて、うまく言葉を発することができない。家族にほとんど見捨てられ、同様に家族に疎まれている前科持ちの青年と心を通わせ合っている。二人が愛し合っているところを女性の家族が見つけ、青年にレイプの疑いが掛かる。

警察の取り調べに家族が適当に返事をし、ウーウーと懸命に否定するヒロインの声は無視され、青年は無実の罪で収監されてしまう。

誤った調書作成の因になったのは、前科者に対する警察の先入観と家族のヒロインに関する知識、すなわち過去データだった。人間の脳内を読む基礎も、AIが学習した過去データである。

AIの脳内イメージ解読は将来、病気などで意思疎通ができなくなった患者の治療に役立つ、と記事は伝える。しかし、過去データに基づくAIの情報は、個々の患者の意思をすべて正確に伝えるものだろうか。人間は一人ひとり、考えが異なる。

オレなんか、植物人間になってベッドで無意味に生き続ける気はないから、AIに勝手に延命治療を指示されるなんて真っ平だ。

ちなみに、画像生成AIの Stable Diffusion に "『椿姫』のヴィオレッタを演じるマリア・カラスのポートレート" を描かせてみた。出来上がってきたのは、二目と見られない肖像画だった。大きすぎる鼻やアーモンド型の目などカラスの身体的特徴を捉えてはいるが、全体としてゾッとするほど醜く品がない。アーティストの気品など、薬にしたくもない。アートに品格をもたらすものはデータではなく描き手の品性であることを、改めて確認した。
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