生石高原・紀伊の風

紀州和歌山の季節と自然のフォトページ

和歌の浦・星と風と[Ⅱ]

2011-12-29 | 季節は今

和歌の浦は広い…今回は新和歌浦地区の旅館街からのスタートです。
この旅館街の少し西からは西浜地区となり田ノ浦、雑賀崎の漁港があります。そこまでは海辺の遊歩道が整備されてます。子供の頃はその漁港辺りは校区の違いから異国でした(^^
戦後、栄えていた旅館街も次々と廃業、倒産が続き、1~2軒を残すのみとなりました。同級生の両親が営んでいた、料理旅館も今は跡形もありません。その友人の部屋に毎日のように“たむろ”していたのが、昨日のことのように思い起こされます…この廃屋も“岡徳楼”の屋号で新和歌浦では屈指の観光旅館でしたが、見る影もありません。“槿花一朝の夢”の如しです。冬空に輝くオリオンは殊更冷たく感じます。

   http://blog.goo.ne.jp/kinsan130/d/20071008 (一朝の夢・つゆ草)

        

いつ頃出来たのか分らない灯台…今は灯が燈ることもなく…

和歌浦漁港は星空を撮るには余りにも明るい…しょうがないので、その灯かりを利用して…和歌浦の港も専業の漁師さんも殆どなくなりシラス漁を残すのみでしょうか?子供の頃は怒鳴られたこともありましたが、船着場でこぼれたシラスを拾い集め“小アジ釣り”に興じたものです。豊漁時には獲れたてを手の平に乗せてくれたり、大きなサバを放ってくれたり…あの頃の漁師さんの活気に満ちた姿が思い浮かびます。
この船は四国、九州から養殖ハマチなどの活魚運搬船です。関西市場への中継港として利用されてます。港の様子もすっかり変ってしまいました。

漁港に隣接の片男波海水浴場の砂浜に椰子らしい木が植えられてます。ハワイの写真とは随分異なります。kinsan的には“白砂青松”の方が好いのですが… 

生石高原からも見えた製鉄所の赤い光です。 

オリオン座は5:00am頃には西に沈んで見えなくなります。 

今月の23日から早朝の空には月が出なくなりました。前回、積み残した和歌浦の海岸線の星空のご紹介をしょうと…毎日空の様子を覗ってたのですが、なかなか天候に恵まれず…挙句はX'マス寒波!昨日まで途中で引き返した(^^朝を含めて、4日しか徘徊することが出来ず…のうえ、風と寒さは生石高原顔負けでした。

いろんなことがあり過ぎた2011年も残すところあと3日…です。二十四節気では「冬至」の次候「麋角解」(びかくおつ)麋角は大きな鹿の角ですが、鹿の角が落ちるのは晩秋のころです。この場合はカモシカらしい? 

 

帰り際には東の空が白んで来ます。12月に入ってこのように晴れ渡る日は殆どなかったのですが…お正月もこのような天気となれば…(^^)…です。そして、この一年間ありがとうございました。皆さま方には良いお歳となりますよう…!


西日 夕日 和歌の浦

2011-12-21 | 季節は今

冬型の気象特有の西空です。氷雨が零れたあくる日は、こう云った雲が流れ北西の季節風が吹き荒びます。背を丸め、首をすくめて行き交う人々…

季節風が治まれば、ポッカポカの小春日和…西日を受ける浮雲が美しい… 

和歌浦の海の向うは淡路島…その山並みに夕日は姿を隠します。明日もまた晴れるでしょう。右の黒いマッスは妹背山(観海閣)…

    http://blog.goo.ne.jp/kinsan130/d/20100112 (わが町和歌浦)

    http://blog.goo.ne.jp/kinsan130/d/20100217 (和歌浦状) 

明日22日は“日南のかぎりを行いて 日のみじかきのいたりなればなり”「冬至」の初候「乃東生」(だいとうしょうず)です。乃東は夏枯草(かこそう)を云い“ウツボグサ”の別称です。また、夏に咲くウツボグサが地中から芽を出す時節ですが、今時期に芽を出し夏に咲いて枯れ尽きる草花の総称でもあります。明日は柚子風呂にカボチャを頂き、厳寒の季節を乗り切って下さい(^^

    http://blog.goo.ne.jp/kinsan130/d/20090707 (ウツボグサ)

そして、本日までは「大雪」の末候「けつ魚群」(けつぎょむらがる)“けつ魚”は中国、朝鮮の河川などに生息する魚と云うことです。さしずめ和歌川では“イナ”(ボラの仔)でしょうか。適温の水域には真っ黒になるほど群れてることがあります。それを狙ってアオサギ、ダイサギたちがじっと浅瀬で待ち構えます。上空にはミサゴが急降下で水中にダイブ…ご馳走をゲットします。

    http://blog.goo.ne.jp/kinsan130/m/201003 (ミサゴ)

        

和歌川に浮かぶ妹背山…歴史のある島の散策道にセンダンの黄色い実、満開のユッカ(リュウゼツラン科)の足元には繁殖が期待のアシ(葦)たちが、玉津嶋神社の木々に懸かった西日に輝きます。 

寡黙な“アオサギ”も“ユリカモメ”の余りの傍若無人な振る舞いに堪らず、大きな羽で威嚇?“あっちへ行け!” …と、聞こえてきました(^^

 

冬雲は雨や雪をもたらします。綺麗な茜色に幕を引くように…沖の島も間もなく隠れてしまいます。 

 

        

高津子山のウンと南に夕日は沈みます。この展望台に戻るのは立春の頃か?


初冬のダム湖

2011-12-14 | 季節は今

 

        

9月の大水害後、はじめて椿山ダム湖(日高川町美山)へ来ました。先月には日高川町中津からダム下流の日高川を見ながら美山に入ったのですが、濁流が荒れ狂った爪痕に唯々唖然となりました。その水害から3ヶ月…椿山ダムから上流の日高川流域は、それほど大きな被害が出なかったと云うので久し振りに…

     http://blog.goo.ne.jp/kinsan130/d/20110405 (春のダム湖) 

春の水辺の美しさを忘れられずに…でしたが、湖面は流木、ゴミでいっぱい…水辺も泥土、流木などの堆積物で、前回の面影どころか様相が一変です。せめてもの救いは流れる水が美しいことです。しかし、これも多量の雨が降ったりすれば、泥土が混ざって濁るのはあきらかです。

 

堆積した泥土にはシカの足跡が無数にあります。日の出前から広いダム湖周辺をうろついてますが、2度、大きな奴と出会いました。そいつが驚いて、いとも簡単にガードレールを飛び越えたのには、羨ましいやら… 

        

放射冷却で川霧とまでなりませんがモヤってます。淡いブルーの中からカモ独特の鳴き声にかん高いシカの声… 

山越えの遅い朝日が顔を出すのはそろそろです。何日間水没してたのでしょうか…精彩のない葉をつけた木々は復活しょうと懸命なのが伝わってきます。 

        

この木の幹にはこれよりも太い流木がもたれてます。水辺の大きな木のてっぺんまで流れ来たビニール袋などが絡み着き、水位のもの凄さを物語ってます。今日はそのような綺麗でない場面より、以前のように美しいダム湖の情景を探し求めました。

水害以降、日高川流域の温泉をはじめとする施設は軒並み客足が激減してます。道路も復旧し何の問題はありません。どうか、懸命に頑張る方々の応援を兼ねて、こちらの温泉、お食事などに来て頂き、売り上げにご協力願えれば…と、思います。

         美山温泉 愛徳荘  0738 57-0241     

湖に流れ込む日高川支流です。雨が少ない冬期は川底が道となって谷の奥へ誘ってるようにも思われます。行って見たい気分になります。この奥は鬼が出るか蛇がでるか?いや、はたまた金塊かも?(^^ なんて…想いを馳せてます。

季節は進んで「大雪」(たいせつ)の次候「熊蟄穴」(くまあなにちっす)クマが冬篭りに入ると言われる時節です。寒いと言っても紀州は暖かい方です。山中のクマさん、未だうろついてるかも知れません。

        


2011 師走の高原

2011-12-07 | 季節は今

 

師走となりました。この日も星空を撮りながら山頂を目指します。本日は生石山頂付近の夜明け直前から、日の出時間帯のご紹介です。その頃になると小さな星も消え、明るいものだけとなります。真っ黒だった空も青いのが分るようになります。
そのような時間帯を東雲(しののめ)とも言う…俳句のT先生に教わります。和歌山市方向では街灯かりに混ざって製鉄所の溶鉱炉からスラグ(鉱滓)をとり出してるのか空まで赤く染まります。赤いのが消えると更なる静寂がやって来ます。

 しの‐の‐め[東雲] よあけがた、あけがた、あかつき、あけぼの、暁天

前回より今回は靴下2枚にヒートテック、ホカロン多数に、あるだけの重ね着(^^の重装備?で望みましたが、足元には霜もなく、風が止むと呪縛が解けたように動きもスムーズ…でも、まァ、冷たいのには変わりがありません。 

日の出時刻は6:50am 月の入りは1:45am、月の無い早朝の星空は明日、明後日で終わりでしょう。東の空は画像よりもっと暗いように思うのですが、チョッと明るい?
山並みには厚い雲がかかり、その上はPカン…こりゃ、面白くないなァ…

…♪しののめの ストライキ さりとはつらいね てなこと おっしゃいましたかね~…(´`

しょうが ないのでもう一度西向き…星もすっかり消え、冷たく感じる街灯かり…右は和歌山市、左は有田川、湯浅、広川町です。

日の出の頃には何とか流れ雲…どういう訳か太陽の上で雲が消えます。いつもの場所には小さな雲海…まァ、考えてみれば綺麗な星空に朝焼けとは欲張り過ぎ…

“雪いよいよふりかさねる 折からなればなり” 二十四節気の「大雪」(たいせつ)初候「閉塞成冬」(へいそくしふゆとなる)高原の“枯れ尾花”は冷たい北風でかさかさと乾いた音をしきりに立ててます。天地の気が塞がり、まさに真冬となりました。

あの山頂から降りただけで暖かい雰囲気…朝日に映えるススキの山頂は美しい…もっと早くあの雲が来てれば…気まぐれな雲が恨めしい…と、毎回見上げてます。 

        
       「ツルシキミ」 蔓樒  ミカン科、常緑小低木  雌雄別株

    http://blog.goo.ne.jp/kinsan130/d/20110504 (蔓樒の花)


       「ヤブコウジ」 藪柑子  ヤブコウジ科、常緑小低木

    http://blog.goo.ne.jp/kinsan130/d/20080108 (雪の藪柑子)   

        
          「フユイチゴ」 冬苺  バラ科、蔓性常緑小低木

     http://blog.goo.ne.jp/kinsan130/d/20091013 (冬苺の花)                    


  「ヘクソカズラ」 屁糞葛  アカネ科、蔓性多年草  別称 ヤイトバナ他  

    http://blog.goo.ne.jp/kinsan130/d/20110919 (屁糞葛の花)    

        
           「ノコンギク」 野紺菊  キク科、多年草

こんな厳しい寒中に!…健気?不憫?…見慣れた筈の花に足が止まります。
…頼むから!…来年は君たちの季節に普通に咲いてくれ…