生石高原・紀伊の風

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新春生石高原

2008-01-08 | 季節は今





1月5日午前7:11→18分 



 生石高原も新しい年を迎えました。草原保存会のNPOが運営する「山の家おいし」も1月5日から通常営業です。高原を散策して冷えきった体を、薪ストーブと熱いコーヒーで温めてくれる有難い存在です。

 越年寒波で早朝の登山道の凍結が心配でした。しかし道端に雪こそ残ってましたが、通行止になることも無くいつも通りに登ることができました。草原ではススキの根元で雪が凍り、霜が土を盛り上げてます。




  「寒九の水」

 6日は二十四節気では「小寒」の初候「芹乃栄」水辺に芹が芽を出すとする時節です。そして7日には「春の七種」をお粥にして頂き、一年間の無病息災を祈ります。

 古来より寒中の水は薬になると言われ、特に小寒から九日目の水を「寒九の水」と呼ばれこの水で餅を搗いたり酒を造ったり、また服薬に特効があるとのことで、汲み置かれてたいへん重宝されました。

 生石高原にも神社やそこまでの道沿い、硯水湿原と3箇所の美味しい水飲み場があります。なお冬の生石神社の水は凍ってることが多いのでご注意を。

 また「寒九の雨」と言うのもあって、その日の雨は豊年の兆しとの言い伝えもあります。

 新年の今は、毎日1分づつ昼の時間が長くなり、もうすぐ2分毎となります。日毎に長くなりつつある一日を体感できるのも初春の慶びでしょうか。
 日差しが明るくなっても、寒さはこれからが本番。今年も一定の周期で寒波がやって来ますが、その冬景色の山野にあって、一つ、一本の僅かな春の兆しに目を凝らすのもこの時節のもう一つの歓びなのかも知れません。


  
   「ヒカゲノカズラ」日影葛  「フユイチゴ」冬苺

 日影の葛はヒカゲノカズラ科のつる性シダ植物です。大きなコケと思われがちの多年草で、日本全土に分布します。日の当たる場所を好み「日陰葛」より日影(太陽の光、日差しの意)の方が適当と思われます。「オオカミノアシ」「ムカデカズラ」の別称があります。


  
 南向き以外は未だ残雪があります。倒木の上をどの子が遊んだのか、真新しい足跡が残ってました。途中にはイノシシが食べ物を求めて激しく掘り返した大きな跡が幾つもあります。動物たちにとっての厳しい季節を実感します。


  
   「ヤブコウジ」藪柑子

 残雪の間から藪柑子が覗いてました。冬苺、藪柑子は次のアドレスで・・・

http://blog.goo.ne.jp/kinsan130/d/20071225
  


 生石神社の森の登山道より西側の潅木の林です。ツルリンドウ、ヤブコウジ間もなくの早春にはスミレを楽しむことができます。ここからあと少しで頂上です。「フ~ッ!」


  
   「キカラスウリ」黄烏瓜 ウリ科 多年性つる草本、雌雄別株。

 カラスウリの3倍ほどの大きな実で、重くて黄色です。枯れ枝にぶら下ってるようすは、ミカンか小さいカボチャに見間違えます。それなりのボリウム感いっぱいです。

 根は栝楼根(かろこん)と呼ばれ、解熱などの生薬になります。また天花粉を作る澱粉もこの根から採ります。有田川町方面へ少し降った道沿いの雑木林にありました。

 何年かに一度は南国紀州にも雪が積もります。標高の高い山間部では何日も雪が残ります。とは云っても北国のように毎日の生活に影響を及ぼしたり、見渡す限りの白銀の世界ではありません。むしろその珍しい光景や風情は童心にかえらせてくれますが、何しろ南国育ち、その対処に戸惑います。