生石高原・紀伊の風

紀州和歌山の季節と自然のフォトページ

すみれの高原

2009-04-28 | 季節は今






この日の生石山頂(870m)から見た東向きの山並みは圧巻でした。苦節3ヶ月?(^^ 登れども登れども雲天か雲一つ無い快晴と云った両極端で、東方向の風景が絵にならない日ばかりでした。そして、とうとう“ヤッたァ~ッ!”と叫びたくなる、めったに見ることの出来ない情景に出くわし、寒いのも忘れ見惚れてしまいます。感動♪

西の空は青空ですが東は薄雲が広がり朝日は望めません。しかし、そこに棚引く朝霧は適度な密度で、奈良県の大峯山系まで幾重にも続く山々をはっきりと描き出してます。これぞまさしく紀伊山地の姿です。(^^ 時間の経過と共に美しい山並みはゆっくりと変化し、全く飽きることのない生石高原山頂でした。

季節は「穀雨」の次候「霜止出苗」(しもやみ なえいず)霜はもう降りなくなり、苗代の稲の苗も生長する時節です。そう云えば、5月2日は“八十八夜”、5日は“立夏”となります。あれほど春の到来を歓んでいたのに早くも初夏です。(^^ でも、これからが生石高原の“春”で、ワラビ、イタドリなどの山草を求める人たちをよく見かけるようになりました。

明日(29日・昭和の日)は紀美野町、有田川町共催の“生石高原、山開き”の行事が行われます。もちろん登山される方々の安全の祈願です。フラットなススキ草原とは云え、山の自然を侮ってはダメです。…急激な気象変化、随所にある岩々…特に子供たちには、充分目配りされるますように…そして、野草たちも大切に見守って下さい。




     「ニオイタチツボスミレ」 匂立坪菫  スミレ科、多年草。

“ニオイタチツボスミレ”と“フモトスミレ”(白色)のツーショットです。“ニオイタチツボスミレ”は芳香のあるものもありますが、殆ど匂わないようです。“タチツボスミレ”より花の中心の白色が際立ち、ブルーからブルーピンクまで色あざやかで、花柄に毛があります。




     「フモトスミレ」 麓菫  スミレ科、多年草。

麓から標高の高い山地(2000m)まで生育します。白色の中に濃い紫の筋模様が入り、葉の裏は赤紫色を帯びてます。



        
         「コマガタケスミレ」 駒ヶ岳菫  スミレ科、多年草。

“スミレ”(マンジュリカ)と“フモトスミレ”の交配種といわれてます。葉の裏側は赤っぽく濃い色合いです。


           [Tuさん、受け売りのスミレ・スタディー](^^



スミレの花の後にある細長い壷を横にしたような部分を、“距”(きょ)(写真左)と呼びます。“コマガタケスミレ系”などにはこの“距”の無いもの(写真右)もあります。

生石高原には“距”の無い“スミレ類”は多く、キリガミネスミレ系・ヒゴスミレなど確認されてます。“系”と敢えて付け加えるのは、“片親”は誰(マンジュリカ?・ホコバスミレ?・その他?)との交配種なのかの判断は見た目では困難なのが理由です。いずれにしましても、“親”はその場所(生石高原)に必ずあるのが基本です。




    「ミツバツチグリ」 三つ葉土栗  バラ科、多年草。




    「クロモジ」 黒文字  クスノキ科、落葉低木。

今月の初旬頃から小さな花をいっぱい咲かせましたが、この時期の若葉を出した花を掲載しました。細い枝の上で今にも飛び跳ねそうな様子を以前からご紹介したいと思ってました。(^^ 花は多少色あせ、落ちはじめますが…

     http://blog.goo.ne.jp/kinsan130/d/20080415 (クロモジの咲きはじめ)




    「テンナンショウ」 天南星  サトイモ科、多年草。  雌雄別株

      http://blog.goo.ne.jp/kinsan130/d/20081216 (テンナンショウの実)



            ― 5月に咲く生石高原の草木 ―

      初旬…  
            チゴユリ・アマドコロ・ホウチャクソウ・ミヤコツツジ

            ニョイスミレ、スズキスミレ、スミレ類

      中下旬… 
            サルマメ・サルトリイバラ・コガクウツギ・ハナイカダ

            ギンリョウソウ?・キイシモツケ・ミヤコグサ

            ノアザミ・コキンバイザサ?

            ホソバシロスミレ?、ホソバキリガミネスミレ、スミレ類

                * 花期が多少異なる場合があります。
      
    

春の里山は…

2009-04-21 | 季節は今
        




    「ハルリンドウ」 春竜胆  リンドウ科、二年草。

20日からは …春雨ふりて 百穀を生化すればなり…の「穀雨」その初候「葭始生」(よしはじめてしょうず)です。「葭」(よし)は葦(あし)のことですが“悪し”に通じるので葭とも呼びます。生石高原の山焼き跡にはススキなどの新芽が、うっすらと春霞のようなグリーンがかかってきました。

少し前までは春を見つけると嬉しくなる里野でしたが、“桜”の終わった今は一気に若葉、春の草花の満艦飾となります。それも今年は冷たい日が多かったお蔭なのか、新旧の草花が入り乱れての競演です。
中でも一面に宝石を散りばめたような“ハルリンドウ”には目を見張ります。充分日光が当たらなければ開かず、日が影ってくると花は敏感に萎みはじめるので、山間の“ハルリンドウ”は「昼間なら何時でも見られる…」と言う訳にいかないのが“小癪な!”ところです。(^^



        
           「オカオグルマ」 丘小車  キク科、多年草。

全国的には減少傾向の“オカオグルマ”で、絶滅危惧種になってる県もあるようです。野草らしくない風貌で、葉こそ異なりますが春の“ツワブキ”とも思えます。しかし、ある所にはあるものです。(^^




    「ノアザミ」 野薊  キク科、多年草。

生石高原より一足はやく咲きはじめました。“ミツバチ”が危機的なほど少なくなり農作物などに影響が出る…とのニュースで尚更“ミツバチ”を意識するようになったのですが、そう云えば撮影時に追っても追っても飛んでくる困り物?の“ミツバチ”には余り会うことがありません。普段ならこの“野薊”と“蓮華草”には、しきりにやって来るのですがねェ…(´`;



        
           「ホタルカズラ」 蛍葛  ムラサキ科、多年草。



        
           「ムべ」 郁子  アケビ科、蔓性常緑低木。




    「ゴヨウアケビ」 五葉木草(通草)  アケビ科、蔓性落葉低木。

“ムべ”や“アケビ”の花が身近にあると花の状態の如何に関らず、どうしても撮りたくなる習性?があります。(^^ 双方とも手の届かない高い木の上にたくさんの実や花を着け、いつも見上げるだけの悔しい思いばかりして来たからに他ありません。(^^ kinsanにとっては、文字通り“高嶺の花”の思いなのです。

“ゴヨウアケビ”は“アケビ”と“ミツバアケビ”の交配種と云われます。“アケビ”は小判形の整った葉が5枚、花は白もしくは極うすいクリーム色です。一方“ミツバアケビ”は3枚葉で縁にギザギザがあり、花は濃い赤紫色です。そして“ゴヨウアケビ”は5枚葉でギザギザがあり、濃い赤紫色です。また、アケビの実は緑っぽく、ミツバアケビ、ゴヨウアケビの果実は赤紫色となってます。

花序には、おおきな雌花がひとつだけ咲き“その他大勢”のように(^^ 雄花がぶらさがってます。雌花のめしべは、立派な実を彷彿とさせる形で受粉を待ってます。




    「アケビ」 通草  アケビ科、蔓性落葉低木。

高原、動き始める

2009-04-14 | 季節は今






二十四節気では「清明」。その次候「鴻雁北」(こうがんきたす)雁たちが北へ帰る時節です。そう云えば和歌の浦の和歌川に居た“ユリカモメ”や“カモ”たちが何時の間にか居なくなってます。それらに代わって間もなくやってくる“シギ”が主役となります。

永く好天をもたらした高気圧も遠退き、同時に咲き誇っていた“ソメイヨシノ”も若葉が目立つようになってきました。しかし、生石ではこれからがサクラの季節となり、生石神社の参拝道入り口のサクラ並木もちらほら咲き始めます。

山頂からの日の出は東の山並みでは最も高い大峯山脈の弥山と八経ヶ岳の間から出て来ます。登るたびに朝日の位置が北側に移動しているのを見て、季節の移り変わりを正確に感じ録ってるようなある種の自己陶酔になります。(^^ そして、快晴時の高原の気温は“冬”と“初夏”が同居し一日の温度差が激しく、脱いだ上着が邪魔になって困る時節でもあります。(^^ 
高原からは、春霞が創る美しいグラデーションの山並みには見惚れますが、山焼きのあった草原の焼け跡は“絵”にならないばかりか、隠れ家を失った“ノウサギ”が早朝の登山道によく現われます。ススキたちの芽生えが待ち望まれます。




      「アカネスミレ」 茜菫  スミレ科、多年草。




      「ヒゴスミレ」 肥後菫  スミレ科、多年草。


               ― 生石は有数のスミレ高原 ―

平地では春爛漫の状況ですが、高原ではようやく早春の訪れです。先般ご紹介の“ショウジョウバカマ”(硯水湿地)に加え“ミツバツチグリ”が咲き始め、今日ご紹介の“ミヤマカタバミ”(生石神社)が見事に咲き誇ってます。

中でも“スミレ類”が例年の如くいたるところで可憐な花を着け、来る人を迎えてくれます。生石高原には12種の基本種と8種の交雑種があるとTuさんの永年にわたる観察記録にあります。その交雑種に関しては、豊富な知識をお持ちのTuさんにその固体の詳細等を逐一仰ぎますが、彼をもってしても結論に至らないものも多くあります。ましてや駆出しのkinsanには、正確な判別などはとても、とても…です。(´`;

花の形と色、葉の形と葉裏の色合いや葉脈などなど…どの親の影響を受けてるのか…色彩が鮮やかで、高原の宝石とも云える存在だけに「勉強しなければ…」と毎年スミレの季節が来るたび思うのですが…難しいです。(´`; 3月末頃より咲き始めたスミレ類。遊歩道を歩かれる方々の足元で精一杯のアピールをしています。(^^




    「ミヤマセントウソウ」 深山仙洞草  セリ科、多年草。

極小さな白い花で、葉が細く裂け、苔のように地面に這うように生えてます。




  「イワボタン」 岩牡丹  ユキノシタ科、多年草。 別称 ミヤマネコノメソウ

太平洋側の山地の湿地に生育します。ヨゴレネコノメソウによく似ます。



         
         「ミヤマカタバミ」 深山傍草(片喰) カタバミ科、多年草。





まるチャンから「ミヤマカタバミが咲きはじめたよ…」との連絡を貰い急いで行ったところ、咲いてるわ咲いてるわ…生石神社の参道の入り口からお社までの左右にいっぱい!…薄暗い杉林の元で、壊れそうな白い花びらを浮かび上がらせてます。

この花は、いつも午前10時以降の充分日が昇ってからでないと開きません。花の寿命も短く当ブログをご覧になってから行かれても咲き残ってるかどうか?…それに画像には蕾の姿が写ってないですよねェ。(´`; 近年、見たことがないほどたくさん咲き乱れ、思わず「うわ″~ッ!」でした。

黒沢山ハイク

2009-04-07 | 季節は今






“万物はっして清浄明潔 この芽は何の草としるる”の「清明」となり、その初候「玄鳥至」(げんちょういたる)です。「玄鳥」は“燕”のことですが、早くから見かけます。暖かくなる筈の日本でしたが、寒気が事の他長く居座り、遠い南国から来てくれた燕たちを気遣います。

まるチャン、Fさんたちのお誘いを受け、黒沢山へのハイキングに同行させて頂きました。多少厳しい“登り”があるというので内心不安でしたが、午前9時の集合時間にはご婦人方が4名、初めてお目にかかるAさん、Taさんの総勢9名でのハイクです。「こりゃ、泣き言は kinsanのコケンに関わる…」覚悟を決めます。(^^

黒沢山(509m)を熟知されたFさんが言われるには、コースには“キイシモツケ”など稀少植物や、季節ごとの山野草が“いっぱい!”とのことです。そして本日のメイン ディッシュは咲き始めの“ハルリンドウ”でしたが、曇天のうえ冷たい天候だったのでその蕾は開かずじまいでした。残念!

     http://blog.goo.ne.jp/kinsan130/d/20080422 (ハルリンドウ)


潅木林が途切れ、蛇紋岩層の地肌の見晴しのよい場所が随所にあります。そこにはこれから咲くであろうものや、既に花を着けたものもあります。全体的に他より一足はやく野草たちが動いてるように思われます。それを証明するかのように“蛇クン”と今年はじめての遭遇です。(´`;
足元にはスミレが咲き乱れ、遠くには山桜…待ち遠しかった休憩タイムの暖かいコーヒーはとても値打ちがあります。皆さん自然と山野草の大々好きな方たちなので、すぐに打ち解けて下さり笑い声が絶えません。

生石山系の山とは云え初めての道行なので、Fさんに“おまかせ”ですが、皆さん驚きの健脚揃いで、着いて行くのに精一杯です。その上、もう一度行け…と言われても何処が何処やらさっぱりで、こりゃ何回かお世話にならなければなりません。「ご迷惑でしょうが、今後ともよろしくお願い申し上げます。」(^^

サクラは集合場所の生石高原麓の“小川の宮”付近で撮りました。歩いたコースにも竹林がありますが放置林が多く、イノシシが“タケノコ”を掘った跡などは特にひどい状態となってます。“旬の物”をいち早く食ってしまう…敵もサル(イノシシ)もの…です。(^^
俳句の世界では、今時の竹はタケノコを産んで精彩に欠ける意味合いから「竹の秋」と呼ぶそうです。山桜とのコラボは“春秋同居”と云ったところでしょうか…



        
        「トリガタハンショウズル」鳥形半鐘蔓 キンポウゲ科、蔓性低木。

高知県の鳥形山で発見されたことからの名称で、葉は3出複葉となってます。複数の株に蕾を着けてましたが、最も花が開いてるものを選びました…




    「ツゲ」 黄楊  ツゲ科、常緑小喬木。

庭木でお馴染みの“ツゲ”の自然木の群生がありました。いずれも黄緑の花をつけてます。緻密で丈夫な“ツゲ”の材は印材、櫛などに加工され高価な製品としても知られてます。中でも将棋の駒はツゲ材で作られ、山形県の天童市が有名です。




    「コナアカミゴケ」 ハナゴケ科、ハナゴケ(赤実)属。

腐った倒木や岩の上に生育します。柔らかそうに見えますがドライフラワー状で、樹状地衣類だそうです。地衣類と言えば紀州が誇る“南方熊楠”さん…となります。



        
       「シュンラン」春蘭 ラン科、常緑多年草。 別称 ホクロ、ジジババ

古来より水墨画などの題材にされ、愛好家も多いと云われます。「春蘭秋菊 倶に廃す可からず」(両者とも優れており捨て難いものである…)と言われる“シュンラン”です。
春早く咲くことからの名で、東洋ランの代表です。最近は減少気味で、見つけるのが難しくなりつつあります。赤、黄花など数十万分の一の確率で咲くものは特に珍重されます。

“ハルリンドウ”の次のお目当てで(^^ 誰かが見付ける度「kinsa~n!」と教えてくれます。背丈が低くその都度、寝転んで撮るためあられもない姿を皆さまに曝します。(^^








頂上付近に2つの“沼”があります。その大きい方(沼の池・ぬうのいけ)には“カキツバタ”の若葉のライトグリーンが際立ってます。自然林に囲まれた佇まいは“沼”と言うより“湿原”の趣となってます。“ミズトンボ”“ジュンサイ”などが自然に生育してるそうで、“ハッチョウトンボ”も飛び交っていたと言います。
まさに素晴らしい“ビオトープ”で、永久にこのままの状態であって欲しいと念じざるをえません。花の咲く頃、再度来てみたい場所となりました。最後になりましたが、ハイキングにご一緒されました皆さま、楽しい一日をありがとうございました。

花の4月

2009-04-01 | 季節は今






気だるいような「のたり のたり」の昨今の筈でしたが、先週からの寒波で、そのような「春眠…」的なことも無く、咲き始めたサクラもそのまま“固まった”ように思える“花の4月”…週末からは陽気も春らしくなるとか…生石高原の“山焼き”も29日(日)に無事執り行われました。グリーンの新芽が出て、焼け跡が見えなくなるまで暫らく辛抱です。

季節は「春分」の末候「雷乃発声」(かみなりすなわちこえをはっす)鳴りをひそめていた雷がそろそろ鳴り出す時節と言われますが、この時季の雷は僅かに響いたり、遠くの音が聞こえたりで、夏のそれとは違っていつの間にか聞こえなくなるようです。



        




   「レンゲソウ」 蓮華草・紫雲英  マメ科、越年草。 別称 ゲンゲ

レンゲ草は一昔前には“田んぼ”に絨毯を敷いたように咲いてましたが、科学肥料の使用とともにレンゲ畑は姿を消しつつあります。レンゲ草の肥料は緑肥(草肥)と呼ばれ、窒素分の多い優れた肥料だったようです。また、その蜂蜜や飼料としても利用された“優れ者”ですが、田園風景の多い和歌山でもレンゲ畑は貴重な風物詩になりつつあります。



        

      http://blog.goo.ne.jp/kinsan130/d/20080401 (昨年の里山の花)




    「タチツボスミレ」 立坪菫  スミレ科、多年草。




    「キブシ」 木五倍子  キブシ科、落葉低木。 雌雄別株


              ― やったぞッ!の続く日本だが ―

先ず“侍ジャパン”のWBC・連覇に大拍手。(^^ 今回のWBCの“侍”たちは、北京五輪での様子とは明らかに違っていた。チームも選手もそれぞれ“カラッ”と明るく感じたのである。北京五輪では重苦しく、縮こまっていたように思える。その反省からか、原監督の戦術なのかお人柄か?投手も野手も何とも平然とプレーしていた。そして完璧な結末のドラマを創りあげたのである。近年稀に見るスリリングなゲームに、当初は別に勝っても負けても…と醒めた目で見ていた筈が、いつしか“手に汗”の状態となっていた。

野球の素人にでも選手個々へのプレッシャーは伝わってくる。なのに若い選手は「楽しみながらやった…」ときた。それが本当なら、まさにプロフェショナルだ。“栄冠に涙あり”は勝つ裏付けのあった者に涙はない。そう言えば今回の若い選手たちと、アテネ・北京五輪の競泳金メダリスト北島選手とオーバーラップするのは kinsanだけでないと思う。スポーツに限らずあらゆる分野でこのように、“勝って当たり前”と言える頼もしい若者の出現…日本の将来はまことに“楽しみ”だ。

少し前には日本映画「おくりびと」がはじめてオスカーの外国部門賞に輝き、その前は4人のノーベル賞受賞で日本中が湧いた。TVでそれらの同じ映像が何度流れても見てしまうのである。
しかし、人々が望む政治への“感激”や“夢”“先見性”などとは全く無縁の為政者が出てくると、TVのチャンネルを無意識に変える“クセ”が着いてしまった。“侍たち”とは埋めようの無い落差のある顔を見ると、「気分良いのに、水差すな!」…と画面に向かって思わずぶつぶつ言うようにもなった。声を出して叫ぶようになる前に「病院へ行ったら~」…カミさんが水を差す。(^^