この日の生石山頂(870m)から見た東向きの山並みは圧巻でした。苦節3ヶ月?(^^ 登れども登れども雲天か雲一つ無い快晴と云った両極端で、東方向の風景が絵にならない日ばかりでした。そして、とうとう“ヤッたァ~ッ!”と叫びたくなる、めったに見ることの出来ない情景に出くわし、寒いのも忘れ見惚れてしまいます。感動♪
西の空は青空ですが東は薄雲が広がり朝日は望めません。しかし、そこに棚引く朝霧は適度な密度で、奈良県の大峯山系まで幾重にも続く山々をはっきりと描き出してます。これぞまさしく紀伊山地の姿です。(^^ 時間の経過と共に美しい山並みはゆっくりと変化し、全く飽きることのない生石高原山頂でした。
季節は「穀雨」の次候「霜止出苗」(しもやみ なえいず)霜はもう降りなくなり、苗代の稲の苗も生長する時節です。そう云えば、5月2日は“八十八夜”、5日は“立夏”となります。あれほど春の到来を歓んでいたのに早くも初夏です。(^^ でも、これからが生石高原の“春”で、ワラビ、イタドリなどの山草を求める人たちをよく見かけるようになりました。
明日(29日・昭和の日)は紀美野町、有田川町共催の“生石高原、山開き”の行事が行われます。もちろん登山される方々の安全の祈願です。フラットなススキ草原とは云え、山の自然を侮ってはダメです。…急激な気象変化、随所にある岩々…特に子供たちには、充分目配りされるますように…そして、野草たちも大切に見守って下さい。
「ニオイタチツボスミレ」 匂立坪菫 スミレ科、多年草。
“ニオイタチツボスミレ”と“フモトスミレ”(白色)のツーショットです。“ニオイタチツボスミレ”は芳香のあるものもありますが、殆ど匂わないようです。“タチツボスミレ”より花の中心の白色が際立ち、ブルーからブルーピンクまで色あざやかで、花柄に毛があります。
「フモトスミレ」 麓菫 スミレ科、多年草。
麓から標高の高い山地(2000m)まで生育します。白色の中に濃い紫の筋模様が入り、葉の裏は赤紫色を帯びてます。
「コマガタケスミレ」 駒ヶ岳菫 スミレ科、多年草。
“スミレ”(マンジュリカ)と“フモトスミレ”の交配種といわれてます。葉の裏側は赤っぽく濃い色合いです。
[Tuさん、受け売りのスミレ・スタディー](^^
スミレの花の後にある細長い壷を横にしたような部分を、“距”(きょ)(写真左)と呼びます。“コマガタケスミレ系”などにはこの“距”の無いもの(写真右)もあります。
生石高原には“距”の無い“スミレ類”は多く、キリガミネスミレ系・ヒゴスミレなど確認されてます。“系”と敢えて付け加えるのは、“片親”は誰(マンジュリカ?・ホコバスミレ?・その他?)との交配種なのかの判断は見た目では困難なのが理由です。いずれにしましても、“親”はその場所(生石高原)に必ずあるのが基本です。
「ミツバツチグリ」 三つ葉土栗 バラ科、多年草。
「クロモジ」 黒文字 クスノキ科、落葉低木。
今月の初旬頃から小さな花をいっぱい咲かせましたが、この時期の若葉を出した花を掲載しました。細い枝の上で今にも飛び跳ねそうな様子を以前からご紹介したいと思ってました。(^^ 花は多少色あせ、落ちはじめますが…
http://blog.goo.ne.jp/kinsan130/d/20080415 (クロモジの咲きはじめ)
「テンナンショウ」 天南星 サトイモ科、多年草。 雌雄別株
http://blog.goo.ne.jp/kinsan130/d/20081216 (テンナンショウの実)
― 5月に咲く生石高原の草木 ―
初旬…
チゴユリ・アマドコロ・ホウチャクソウ・ミヤコツツジ
ニョイスミレ、スズキスミレ、スミレ類
中下旬…
サルマメ・サルトリイバラ・コガクウツギ・ハナイカダ
ギンリョウソウ?・キイシモツケ・ミヤコグサ
ノアザミ・コキンバイザサ?
ホソバシロスミレ?、ホソバキリガミネスミレ、スミレ類
* 花期が多少異なる場合があります。