生石高原・紀伊の風

紀州和歌山の季節と自然のフォトページ

里山の縁

2007-10-08 | 季節は今

 海南市 孟子(もうこ) 「孟子ビオトープ」のソバ畑。

 和歌山ではソバはあまり栽培されません。孟子のビオトープのソバ畑は「蕎麦の花」を見ることの出来る数少ない場所となってます。

http://mo-ko.jp/




  
    「ナンバンギセル」 ハマウツボ科の一年草、寄生植物。 別称「オモイグサ」

 南蛮人が咥えていたキセルからの名前ですが、古くは頭をたれてもの想いにふけっているように見えることからオモイグサと呼ばれました。

 高地の「オオナンバンギセル」よりはスレンダーで小さく、花期も2ヶ月程の差があります。また生育の環境によっては背丈のとても低いものもあります。

http://blog.goo.ne.jp/kinsan130/d/20070815

 「南蛮煙管」には葉緑素は全くなく100%寄生依存型のため、種子は超微小で何十万も生産され、雨水と共に地下のススキなどの根に付着すると考えられます。

 人工的に育成するには、ススキの根に小さな切り込みをつけてこの種子を埋め込むとあります。いずれにしても脆弱な繁殖形態は、多く群生しているかと思えば全く見当たらなくなり、昨年あったからといって今年はその限りでないのがこの南蛮煙管です。

 ナンバンギセルを「見つけた」との知らせを受け駆け参じたところ、折角だからと言うことで「少し歩こう」になり、いささか残暑の畦道、山路を「自然大好き人」の方々と予定になかった「秋の野草観察?ハイク」となりました。




  
    「サクラタデ」 タデ科の多年草。

 湿地を好む落葉草本で、雌雄別株です。最初見たときは多く密生しているのに花を着ける株が以外に少なく思いましたが、今は納得です。

 この写真は拡大してますが、実物はこれよりひとまわり小さい花です。桜の花に良く似る事からの名で、うすいピンクと白色(シロバナサクラタデ)があります。



  
    「ミゾソバ」 タデ科の一年草。別称「ウシノヒタイ」
    「ヌマダイコン」 キク科の多年草。




  
    「スズメウリ」 ウリ科の一年草。

 カラスウリに対して小さいことと、雀の卵ほどの大きさからが名の由来です。つる性ですが、朝顔のように茎が他のものに巻きつくのではなく、細い「まきヒゲ」がしっかりと周りのものを捕まえます。

 今は緑色の実ですが秋が深まるにつれ灰白色となります。そして葉も枯れ落ち、細くなった茎から実だけがぶらさがってます。風に揺れて隣と絡んで、もつれないかが気になりますが、余計な心配のことのようです。

 実の中の種子はゼリー状の果肉に包まれて、当初は水分も多いので大きさの割りには重みを感じます。




  
    「ツユクサ」 ツユクサ科の一年草。別称「ホタルグサ」「ツキクサ」他

 「槿花一朝の夢」という言葉があります。槿花(きんか)は朝顔のことで、朝(あした)に開いて、夕べに萎む花を、栄華のはかなさに例えたものです。露草も朝顔と同じ一日花で、ものの哀れを感じさせる花でもあります。

 また、同じような意味合いで「槿花の露命」というのもあり、露草の場合はこの言葉の方が合ってるかも知れません。蛍と露草は対のように思いますが、秋の里山の今、いたる所にマッスとなって咲き誇ってます。



  
    「ヨメナ」 キク科の多年草。別称「ハギナ」
    「ツルボ」 ユリ科の多年草。別称「スルボ」「サンダイガサ」




  
    「ミゾカクシ」 キキョウ科の多年草。別称「アゼムシロ」

 名前の通り、この花の繁殖は畦道の溝などを覆いつくす事からの名前ですが、最近では余り見当たりません。

 中国ではこの花が一般的な花の「半分」に見えることから、「半辺蓮」と呼ばれてます。なるほど!




  
 ヒガン花やコスモス、それに野草も加わった満艦飾の里の道は、会話もはずんでいつの間にか長距離?を歩くこととなります。こちらにお住まいの方々は余程花がお好きなのでしょう、コスモスがどこへ行っても目につきます。それがいずれも背丈のある立派なものばかりです。

  カメラのメモリーもこんなに詰め込まれるとは「聞いてないよ~」(チョッと古い?)の半日でした。