Fさんに黒沢山“沼の池”の様子をお伺いしたところ 、わざわざ見に登って下さり連絡を頂きました。今年は全般的に遅れ気味なので“カキツバタ”も未だ余裕…と、タカを括っていたのですが、“もう咲き終わったのもある”とのことで、慌てて黒沢山に登ります。結局、今までと同じ日に行くことになります。―下手な考え休むに似たり―
「カキツバタ」 杜若、燕子花 アヤメ科、多年草 県・準絶滅危惧種
花は昨年よりはるかに多く咲いてます。欝蒼とした自然林の中にあって、ここだけが空も見える明るい場所です。そのうえカキツバタの透明感のあるブルーのマッスはまさしく森のなかの宝石です。
あまり人の通ることのない山道は荒れ、倒れた竹を這ってくぐり、倒木を乗り越えること数度。杉林の急斜面に出来た人ひとりが辛うじて通れる踏み固めたようなガレ場の道には掴む木も無い…それらをどうにか通過して潅木林の落ち葉を踏む登りコースに出ればあと少しでゴール…
そしてありきたりですが、いきなり目に飛び込む“カキツバタ満開”の風景に息を呑みます。道中は少々しんどいのですが、一瞬で“そんなことあったン?”のいつもの現金な状態です(^^
先日の雨で池の水量が増えてます。いつもは水辺を移動して池を一回りするのですが、今日は潅木林を登ったり降りたり…木の枝を払ったり潜ったりの移動…結構疲れます(´`;
花の向うの水面には“ジュンサイ”の若葉も浮かんでます。カエルや小鳥の絶え間ない鳴き声は返って静寂を呼びます。トンボが飛んだり止まったり、アメンボもスイスイ…日本の里山の自然の完全な原風景に触れる場所です。これは大事にしなければ…来た人全てがそう思う筈です。
陽が届くのは日の出時刻から相当時間が経ってから…極端なコントラストの池面になります。太陽光でカキツバタの花色も早朝に比べ濃いブルーに変化します。
「立夏」も末候「竹筍生」(ちくじゅんしょうず)タケノコが出る時節ですが、紀州ではもうタケノコが初物のシーズンは過ぎました。そのかわり難を逃れたタケノコと言うより皮を被った背丈以上の若竹が目に着きます。
「シライトソウ」 白糸草 ユリ科、多年草
「ツクバネウツギ」 衝羽根空木 スイカズラ科、落葉低木
“沼の池”までにはこの季節の定番の草花があります。しかし、カキツバタに次いで楽しみにしていた“ギンラン” は見当たらず、毎年株が立派になってゆく“エビネ”は何者かに花芽を食われてます。盗掘されると腹立たしく思うのですが、自然の生業なので諦めも早いものとなります。
http://blog.goo.ne.jp/kinsan130/d/20100518 (昨年のカキツバタ)
「ホタルカズラ」 蛍葛 ムラサキ科、多年草