荻窪鮫

元ハングマン。下町で隠遁暮らしのオジサンが躁鬱病になりました。
それでも、望みはミニマリストになる事です。

桐野夏生の巻、ふたたび。

2014年12月29日 | 枯渇した生活に豊潤な読書を


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桐野夏生の巻。

桐野夏生著【だから荒野】を読了しました。

本年5月あたりの図書館予約でしたから、貸出に至るまでに半年以上を要している事になります。

さすが人気作家。

最初、タイトルだけを聞いた時は、北方ラーメン著【さらば、荒野】の誤植かと思いました。

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ブラディ・ドールの巻。

そんな僕にとっては【ハピネス】以来の桐野作品です。

今度はどんな切り口のストーリーかなぁ、と楽しみに貸出を待ちました。

今回の主人公・朋美も専業主婦。

バカ亭主・クソガキふたりにブチ切れ、東京を離れ、ひとり旅に出るというのが縦軸となります。

クルマに乗ってのロードムービー調な初盤はワクワクしました。

んで『クルマを盗られてからは徒歩か・・・?』と思いましたが、さに非ず。

奇特なヒトたちが助けてくれます。

でしたが、所詮ニッポンは狭い。

中盤以降は長崎での生活が描かれます。

非日常を求めていたはずなのに、定住と共に日常が戻って来てしまう・・・。

考えてみれば【魂萌え!】の主人公・敏子は、世間知らずが故に非日常を求めましたし、【OUT】の主人公・雅子の死体解体という裏稼業も、日常からの脱出と考えられなくもない。

いや、雅子は無料で仕事を受けていたので、間違いなく日常脱出そのものが目的でしょう。

さて、朋美目線と交互に描かれるのが、バカ亭主・浩光目線。

桐野作品にしては、いささかステレオタイプ過ぎるバカっぷりです。

とはいえ、自分もひょっとしたらあれくらい身勝手で見栄っ張りで小心者なのかなぁ、と、ほんのちょっとだけ自問しました。

まぁ、あんなオトコじゃ、会社内でもなんて言われてるか分かったもんじゃありません。



なんでもドラマ版では、鈴木京香が朋美役を演じるそうですが、あんなキレイなオバサンが、PAでウロウロしてたら、その辺のオッサンならソワソワしちゃいますよ。

どっちかと言えばバー【エルチェ】の千春ママの方がピンと来ますねぇ。



それにしても、小野寺百合花にコンドーム入りポーチを送ったのは誰だったのだろう?

やっぱ、桜田百音(仮名)だったのかな。


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