ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

鮨とも成 @岐阜県岐阜市

2015年12月16日 | 岐阜県(岐阜)

岐阜市郊外にある鮨屋「鮨とも成」。もう開店してから6年くらい経つはず。北一色のバイパス沿いに建つ建物は、余計なものが省かれたシンプルでモダンなデザインの一軒家。看板も無いので一見では入りづらいかもしれない。入口脇に綺麗に盛り塩がしてあったりして、ピシッとした空気が流れている。店の中に入っても、主人の目の届く範囲でやっていることが分かるカウンターとテーブル席が少しのみというシンプルな空間。いつ見てもかっこいい。漬け場も余分な物が目に入らず、すっきりとしていて、目の前で切りつけと盛りつけがされるのを見て楽しめるのがうれしい。主人はまだ若いが、魚の目利きもしっかりしていて、どちらかというと古い仕事もきっちりやる律義なタイプ。でも意外と話好きで、筋が通った話をするので年輩の人にも(いやむしろ年輩の人にこそ)好かれるだろうナ。給仕は女将+1人で、いつも着物。どこへ行っても資本の香りのする店が多い昨今、こういう凛とした雰囲気と空間の個人店は貴重。

昼は季節の先付2品ほどに、茶椀蒸し(又は赤出汁)、そして握り(8貫ほど)。タネの良さはもちろんだが、盛り付けや食べさせ方も工夫を凝らしていて楽しめる。これに手作りデザート(なぜかいつも洋風)が付く。最近の「ランチ」として捉えるならこの地では決して値打ちとは言えないかもしれないが、サンダルがけで出掛ける店ではないし、むしろ店の雰囲気と魚の質という意味では妥当。

夜はおまかせで、自分はだいたい料理で1枚弱、酒を呑んでプラスいくらという感じだろうか(夜行ったらもちろん呑むが)。開店当初のように強く江戸前を意識した握りは影を潜めたが、仕込みはきっちりしてあって、締める、煮る、焼く、炙るなど、酒肴の食べさせ方も幅広く、飽きることなく季節のおいしい魚をいただくことが出来る。日本酒は常時6種類くらいが置いてあり、銘柄が入れ替わる。ワインセラーもあるが、自分は呑んだことはない。大衆酒場で賑やかに呑むのも楽しいが、時にはこういう落ち着いた店で少し背筋を伸ばして呑むのも乙なもの。いつも満ち足りた時間を過ごして帰るが、最近、以前から小さかった握りが更に小さく、緩くなっているのだけは気にかかるなァ。しょっちゅう通う訳にはいかないが、季節毎に楽しみたい大人の店。(勘定は昼¥3,000程、夜¥14,000程)

 

鮨とも成

岐阜県岐阜市北一色9-20-6

( 岐阜 鮨ともなり ともなり とも成 鮨 寿司 鮓 すし )


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